10:何者か、何故(なぜ)なのか
・出会う前から、
・
・
・初対面な上に(一時は)敵対中の、
・
・世界的ソシャゲを、たった一人で安定して運営
・基本的に反対したりしない、徹底したまでの
「とまぁ、簡単に思い付くだけでも、かなり
その実態を突き止めるべく、喧騒から離れた隠れ家的なカフェで行われた秘密会議。
主催者である
その隣に座る、友人代表の
「私の職場に、
その時に対応し困らされたのが、
同僚の
私には、
だから先日、その名目でも、二人の家にお邪魔した。
百聞は一見にしかず」
「その義理堅さは美徳だけど。
「『同居人の権利をミヤさんから剥奪しそうだから』、と断られました。
同性は募集していないと分かっていても、
「あー……。
まぁ確かに、魅力的なプランだものね。
良心の
不運だこと……」
「おまけに絶賛、この場に強制連行を敢行せんとする
本人が
それを彼も分かっているので、こうして私を先んじて派遣、駆り出しているのでしょうし」
「大変ねぇ、あなたも」
「お母様と比べたら、全然です。
「……思い出したくもないわ。
出来れば彼とは、面と向かわない距離で、くれぐれも密接ではない、適切な関係を維持したいわね。
我ながら、みっともなかったわ。
あそこまでキャラ崩壊したのは、人生初よ。
「氷のクイズ女王たる、あのお母様の口から、そんなワードが出るとは……。
私が対していた時は、そこまで脅威には感じなかったですが」
「あなたが、そこまで攻めてなかったからじゃないかしら?
この前、あなたが訪問した時は、あくまでも受け身だったらしいじゃない。
私は、ガッチガチに攻めた結果、しっぺ返しを食らい、間抜けを晒してしまったわ」
「私も、驚きました。
よもや、お母様の尋問を掻い潜る
「
そろそろ、当事者の意見も拝聴したいわ。
「え?
あー、まぁ……」
「遅れて、すみません。
質問責めするケーちゃんを振り切るのに、手間取っちゃいました」
二人の話に半分
彼女が苦笑いしていると、不意に新たなる重要参考人が現れた。
余談だが、LEDが目まぐるしく点滅するゴーグルと、カラフルな白衣を纏っていない彼女の私服に、
更に余談だが、蛍光色好きの彼女がイロイロせぬ
「
して、
「『トクセン』が誇るリペ担当、
この件に関わっていそうだから、顛末を軽く説明した上で、来て
あと
「初めまして、お母様。
ご紹介に預かりました、
司令……
お会い
素的な
といっても、こんな形で実現するとは、
礼儀正しさの中に、そこはかとなくアレな下心が見え隠れした、やや重めの長文。
程度や理由はさておき、彼女もまた一筋縄では行かない、只者ではない
「自己紹介、お褒めの言葉、ありがとうございます。
内の娘と
「そこについては、長くなるので割愛させて頂きます」
「話が早くて助かるわ。
お見受けした通り、ご聡明であらせられるわね。
こちらこそ、
それで、
どうして、
「前述の通り。
休日を控えた今日まで、
曲がりなりにも店長を仰せ付かった以上、それに応える責任が生じる。
だが休憩中、
その食べっ
おまけに家でも、
これは、不本意である。
といっても、思う所の一つや二つ、
確かに『トクセン』の経営は現在、破綻しかけている。
そんな時に、悩みの種を増やされ、不愉快ではある。
が、それは全て、自分の不届きさによる物。
その点を
これ以上、プライベートでまで追い詰められたくない。
この件については今日、この場で折り合いをつけなくては。
そんな意志の下、仕事終わりのクタクタの身で、ここに来ているのだ。
そもそも、コンディションなど逃げ口上にすら劣る。
3人とも、それを重々承知の上で、無理とスケジュールを押して、参加してくれたのだ。
それを
「
あなたは今、『
それは、どういう意味?」
「正確には、『関係者の関係者』。
エイトに直通してそうな人物の代理として、
「つまり、
では、その直通者を呼べなかったのは、
「……性格と相性に、難しか
一月前に予約しないと、頑として予定を空けてくれないタイプ。
自分は慇懃無礼なのに、相手には礼儀を強いる重んずる、ヴォルデモー◯みたいな理不尽さ。
尖った正論ばっか言うし、不機嫌な時は摩訶不思議な方程式まで多用するし。
どのグループにも
極めつけに
「……毎度毎度、
同居人、同じ『プレパン』出身として、恥ずかしいです」
「
どこにだって、相反する人種は存在し得る。
不倶戴天の敵なんだから、もううどうしようもない。
こうして、この件については、暗黙の了解でノー・タッチとなった。
「前置きは、これ
そろそろ、本題に入るね。
で、『トクセン』で断トツで耐性付いてそうな事情通、なおかつ先に今回の事情も確認済みな
二人には、かなり
ちょっと、聞いて
おちゃらけた印象の強い
束の間、訪れる静寂。
それを破り、
「ここだけの話さ。
ーーロボットだと思うんだよね。
エイトの正体」
「「…………」」
前言通り、大層に
先程よりと長い、重苦しい沈黙に包まれるテーブル。
二人は
そんな中、
「
彼女の頭脳はベガパン◯並み、何百年も未来を行っているんです。
お二人は、MCU版のアイアンマ◯を観た
丁度、あんな感じの人材なんです。
それはもう、『危ない密輸組織に誘拐されそう』とか、『彼女を引き金に世界規模で争いが起こりそう』とか、そんなレベルなんです。
今昔の同居人、同僚の贔屓目を
そんなケーちゃんなら、人間と
惜しむらくは、その才能の矛先、周回してもドロップしなさそうな素材、そして当人の攻略難易度、生活力の
もう少し、人当たりさえ良くなれば今頃、エジソ◯さえ上回る歴史的な開発者になっていたでしょうに」
あ、
話せば話す
二人から、どんどん集中力が抜けていくのを感じる。
やはり、もう少し順を追って説明すべきだったのではないか?
散りばめた伏線で仄めかした上で、種明かしをすべきだったのでは?
少なくとも今回は、プレップ法の限りではなかったのでは?
などと
若干ながらも意識と冷静さを取り戻したらしい。
「ま、まぁ……。
突拍子、現実味が無さ
「わ、私も……。
確かに、『トクセン』に並べられていた発明品は、現代の知識を逸脱し過ぎていましたし……。
コンセプトと用途は謎でしたが……」
「そんなに、不思議なの?」
「お母様、先日、
「え、ええ。
いきなり届いていたから、驚いたわ」
「あれも、その人物の発明です。
それにより、彼のIDがお母様に送られていたんです」
「……なるほど。
確かに、微妙だけど恐ろしい使い道ね。
そうですか……。
これは、中々……」
「ええ……。
物凄い展開になりましたね……」
それだけ話すのがやっと、という状態の二人。
どうやら、これ以上は本気で不味いらしい。
ここらで、お開きにした方が良さそうだ。
「いきなり、変な話をして、ごめん。
今日は、これ
「どうにか予定を取り付けて
なるべく、こんがらがらない、穏便にとも。
私さえ
「……あれで?」
「まだマイルドな方ですよ。
私が仲良くなる以前は、目も当てられなかったので」
「仲良しって、
「ほら?
私だけ、フル・ネームじゃなくて、名字呼びですし」
「分かり
「ですよねぇ。
でも、その真偽はさておき、
「てかそれ要は、
「どーんと任せてください。
これでも、メンタルは強い方だと自負しているので」
「根本的な解決には至っていない、気が進まない、って話なんだけどなぁ」
「話が進まないよりかはマシじゃないですか」
「上手い
新たな議題が上がってこそいるものの。
こうして
軽食を済ませるという名目の下、
精神的ダメージの色濃い
「とまぁ、前哨戦は、これ
さて、彩葉」
兜の緒を締め直し、
「そろそろ、洗い浚い、暴露してもらおうか」
「……やっぱり、そういう感じだったんだね。
そうでもなきゃ、私まで呼ぶ理由が
時間はかかるかもだけど、お二人に説明するだけなら、
つまり、
本題の一つではあるものの、本番ではない。
て
「
「今日はホビホビともイロイロとも無縁。
それに、ユイユイしてる場合でも無さそうだし。
それで? 今度の議題は、
恐ろしい
敵にだけは回したくないと、
冷静になれ。
一つ一つ、確実に、
そう自分に言い聞かせ、
「聞きたい
でも、その前に、腹を割ってくれない?
じゃないと、こっちもやり
上述の通り、
だからこそ、きっと見抜いていたのだろう。
どう取り繕えば、よりスムーズに周りに取り入れられるかを。
以前の、飲み会の時の自分語りさえ、自分が
彼女の本性は、当時のクラスメート
カメレオンみたいに自分を変幻自在、変えて行かなきゃ生き残れない。
直隠しにした本性は見破られぬ
そう
その理由は、実にシンプル。
コッテコテの淑女など今時、白馬の王子様並みの絶滅危惧種であり人間国宝。
早い話、男の脳内か創作の中にしか生存していないからである。
そもそも、先程の
彼女もその実、演技が
「……ホンット。
変な人だね、
それまでの柔和な物腰を一変させ、声のトーンも下げ、やや億劫そうに頬杖をつき、底の知れなさを出し。
そんな風に、分かり
「そこ、少しでも突く必要
今、この場に置いても。
メリット
今まで通り、暴走気味なのが玉に
どうして
「したくてしてる
気になった
この数日で余計、それを思い知らされた。
気付いた以上、仕方ないだろ。
どうしても、気になっちまうんだから」
「
今のとか、特に。
どうせ、私が拒まない、否定しないのを踏まえての発言したんだろうけど。
ケーちゃんのみならず、もし私にまで切られたら、嫌われたら、どうする
「説き伏せる」
「
「今更?」
「まさか。
第一印象から、絶えずそうだったよ。
こんなんで、よく一年近く持ったよね」
「ペシミストとニヒリストが同居人かつ同僚としてやってけてるっていう、純然と横たわってる事実のが謎じゃない?」
「さぁ?
似た者同士って
知らないけど。
てか、エゴイストに言われたくないし、今は
ま……だからこそ、
私と大差
我ながらチョロ甘
あと、オレンジ色の目」
「そこら辺も、素なんだ……。
ツンデレかつ小生意気に
「……何、笑ってるんだか。
どんっだけ勿体ない
この、変人エゴイスト」
前のめりになり、意地悪な顔で、
それは丁度、世間を騒がす赤い快盗を彷彿とさせる仕草だった。
といっても相変わらず、
つまり、これは単なる自己満足でしかない。
けど、それで
元ネタも、メタ・メッセージも、読み取れなくて
ただの気まぐれ、ご褒美、ファンサみたいな物なのだから。
それこそ今みたいに、親指と人差し指分でも、
ここに来て
それだけでも、通じれば
「で?」
「他の質問って、
心待ちにしているのは、自分の返答か、反応か。
どう考えても、普通じゃない。
こんな時に、不謹慎だ。
他の人間は、そう捉えるに違いない。
先程の二人とて、きっと同様だ。
けど、自分は少し違う。
自分は、きちんと先読みしている。
事情を、多かれ少なかれ把握しているからだと。
だって、そうではないか。
目の前にいる、
そして、あれだけの要素を兼ね備えた
やはり、自分の思った通り。
この件に、
程度、経緯までは知らないが、確実に
詰まる所、これは質疑応答と見せ掛けたテスト。
「……
どうして
あなたは、あなた
「『遠慮』って知ってる?」
話が長い、と遠回しにディスった
「
なんて、
別に、ケーちゃんの
そこまで断じて、ただの大ホラ吹きでしたーとか、そんなオチは勘弁。
「要は、『まだ言えない』って
そっちのが
じゃあ、
「
ってのは何割かは嘘だけど」
「割合、言えや」
「
「
「ありがと。
で、目的だっけ?
強いて言えば、釘刺しに、かな?」
再度、顔を正面に戻し。
それまでの愉快犯めいた顔付きを止め、
「
多分、この店での会話も、遅かれ早かれ、
「……」
薄々、予感はしていた。
詳しい
自分達の背後に、恐ろしい影が潜んでいる。
それだけの脅威を自分は今、
だとすれば。
これ以上は
「……当面は、当初の予定通り、売上達成にだけ専念すれば
そうだよね?」
そこには、強い信念、信頼が見て取れた。
「今の私に
これ以上、
それは、
ヘビーな空気を、意図的に緩和する
その
大きく異なっていたのは、
「一言、余計だっての」
「嫌いじゃない
「
「どっちが」
「ぐぇ〜」
互いに鼻や頬、耳や顎を引っ張り、軽く首を絞めたり、苦しんだ振りをしたりと、
やがて飽き、どちらからともなく離れ、
しんみりと、
「……負けないでね、
分からなくても
分からなくなっても
迷っても、血迷っても。
泣いても、泣き叫んでも
それでも、決して負けないで。
めげないで、曲げないで。
果てずに、バテずに。
最後まで、自分を貫き通して。
そうすればきっと、未来を勝ち取れるから。
神様なんて、私は信じてないし、大嫌いだけど。
少なくとも、私は。そう、信じてる。
今も昔も、この先も、ずっと。
こんな、絢辻さ◯の二番煎じみたいなのに好かれても、
……ほら。
やっぱり、睨んだ通り。
ちょっと
いつだって、今だって、変わらない。
ただ、
消え入りそうな、儚い、されど力強い、眩しい笑顔に。
※
カーテンから忍び込んだ朝日に照らされ、
今までに
昨日、仕事帰りに見付けた
行き付けになってしまいそうな、シックで素晴らしい場所だった。
昨日はソロだったが今度は、
手始めに、エイトと二人だけで足を運ぶのも乙かもしれない。
「ん?」
スマホを確認すると、2件の通知が入っていた。
1つ目は、『アカユヒ』の仲間からの、当日デートの誘い。
2つ目は、父からのメールだった。
どうやら、自分を案じてくれているらしい。
幼い時分から片親だった
などと考えて伸びをしていると、不意に着信が入る。
電話の相手は、驚く
片思いならぬ片嫌いの相手だった。
「も、もしもし!?」
まさかの展開に動揺しつつ、
電話の向こうの
「……おはよう、
今、少し、時間をマイナスしても構わないか?」
「え、は、はい、
あ、す、すみません!!
おはようございますっ!!
挨拶を忘れていましたっ!!」
「構わない。
それより少々、不躾、込み入った確認をしたい。
冷静に、落ち着いて、
頼めるか?」
「え!?
あ……はい」
心なしか、
まるで、声の調子が悪い
「
……母は、存命か?」
「え?
「……それは、いつからだ?」
「えっと……」
記憶を反芻するも、辿り着けなかった。
しかも、ロックがかかってるとか、そういうんじゃない。
まるで、最初から存在していなかったかの
それどころか、思い出そうとすると、スッキリしていた
拒否反応を示している
記憶力には、そこそこ自信が
自分の、親の
間違い
顔や職業どころか、名前すら
まさか、母親が
だとすれば、そもそも自分さえ存在しないではないか。
「……ごめん……。
……覚えて、ない……。
……
「……いや。
こちらこそ、失礼した。
質問を変えよう。
次からは、深く考えずに、条件反射的に、早押しクイズ感覚で答えてくれ。
……
「『アカユヒ』」
「……それは、正式名称か?」
「ううん。
本名は、『空前絶後の疾風迅雷のマジ最強な永久不滅のアカユヒ帝国』。
でもこれは、若気の至りってか、初期も初期の物だし、我ながら恥ずかしいなぁ、などと。
てか、ごめん。
別に怒ってるとかじゃなくて、シンプルに疑問なんだけどさ」
「
それより、最後の質問だ。
現在の……『トクセン』の構成員の人数は、『9人』である。
◯か、✕か?」
「え?」
リオ様。
オカミさん。
ワカミさんこと
あと、自分。
以上で、フル・メンバーだから。
「違うよ。
正解は、『9人』じゃなくて、『8人』だよ。
まさか、『電卓の
も、もしかして
さもなくば……まさか、婉曲な退職願!?
そ、それだけは、どうか平にご勘弁をぉっ!!」
「理由はともかく
「いや、
辞めたがってはいるんじゃん!?」
「誰でも、どこの職場でも、そんな物だろう。
働く必要が
それより、相違
誰か、忘れてはおるまいか?
例えば、リペ……リペアやリペイント担当。
セブンガ◯みたいなゴーグルと、ゼンカイザ◯みたいな白衣がトレード・マークの。
ホビーやオレンジ、
「
そしたら、ノーカンな
そんな
フィクションだったら確実に扱いに困るパターンじゃん。
おまけに
あれ?
だよね?
ちゃんと、合ってるよね?
てか、
そんな
去年は色々と
「あ……あれ……?」
いつしか
意味が分からない。
記憶を疑う前に、記憶に疑われてるとでも?
「……前言をマイナスする。
今度こそ、最後の質問だ。
……『
この名前に、聞き覚えは?」
「ほび……。
いろ、は……?」
まるで、ホビー関連の仕事に就く
ひょっとして先程の、妙にビビッドな人物の
「あ、分かった!
その子、もしかしなくても、『プレパン』時代の
その子を、『トクセン』にスカウトしたいって話!?
湿っぽい雰囲気を打破せんと明るく振る舞うも、
「……残念だが、それは無理だ。
「え……」
まさかの一言に、
いや、違う。
予想外に驚いている
……ううん。
そうじゃない。
多分、これは、そういう類いではない。
誰かの影響などでは、断じてない。
このショック、切なさは、紛れもなく自分産。
だのに。
自分には、その全貌が、微塵も捉えられない。
まるで、記憶喪失にでもなった
だとしても。
今、自分が言うべきなのは。
「……ごめん。
辛い
「……
……
ドンッと、テーブルに強く打ち付ける音。
続いて、複数の落下音と、小さな爆発、破裂、発火音。
未曾有だった。
あの、
影でサイボーグと呼ばれていた、鉄仮面が。
発明室に無許可で長居された時
いつもみたいに不満、摩訶不思議な方程式さえ並び立てずに。
ここまで、激情を表に、形に出すなんて。
「……
「……
心して、聞け」
得体の知れない理不尽に静かな怒りを燃やしながら、命を擦り減らしてでもいそうな、鬼気迫る声で。
「
一緒に暮らす分には、問題ない。
だが
「……エイトを?
「
これは、フリでも命令でも、ましてや忠告でもない。
もし、
不審な点、不信感など、持たないに越した
その件に関してなら、
元より
「な、
「
そして、
この3人だけが治外法権、この世界で無傷である
頼むぞ?
これ以上、
「なに……それ……」
「聞いての通りだ。
いや……ともすれば、聞きしに勝る、かもしれんな。
……すまない。少々、
それについては、この場で謝罪、生きてさえいれば後に陳謝する。
だが、安心しろ。
今まで燻っていたが、どうやら、どうにも本腰を入れねばならんらしい。
……
一体、
「ま、待ってよ!
こっちは、さっぱりだよ!?
ちゃんと、説明してよ、
依然として事情、状況は測り兼ねるが、
「……ユー、さん?」
ビクッと、肩を揺らす。
気付けば
どうやら、彼からの連絡を素通りしていたらしい。
「ご、ごめんっ!
今、行くっ!!」
大丈夫。
いつも通り振る舞えば、怪しまれたりなんてしない。
そう。
エイトや同僚との予定も
複雑だけど、一緒に気軽に遊びに行ける
今日は、ゆっくり休みつつ情報を纏め、明日からの戦いに備えよう。
そう決意し、
家族、親友、そして同僚。
たった2日で、掛け替えのない身内を6人も失い。
残った面々との記憶の操作、捏造までされている
日常に紛れ込んだ、何気ない、そしてさりげない悪魔によって、平穏ならとっくに崩れ去っている。
そんな現状を、見落としたまま。
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