6:わかりやすい(?)トクサツこうざ
「……職場バレ?」
「そうなんだよ。
それで店長、すっかり干上がっちゃってねぇ。
きっと、取り繕おうとして知恵熱が出たんだろうねぇ」
「それで、俺が回収に?」
「その通りだ。
すまないねぇ」
「……いえ。
それに関しては、別に。
ただ……」
仕事の息抜きをしていたら、急に『トクセン』に呼ばれ、急いで来てみれば、この有り様。
そんな
彼女こそ、『ケーちゃん』こと
まだ全スタッフには特撮不案内を明かしていない都合上、そして店長という立場上、テリトリーに運び込まれ。
そんな背景から、普段から仏頂面の
「そもそも、隠し
後ろめたいから殊更、苦しむ。
常日頃からオープンにしてれば、
「ケーちゃん、気付いてたの!?」
「
今は、その話ではない。
「ご、ごめん……」
「分かれば、別に。
さて、不審者。
誰だか知らないし知る必要も
即刻、お引取り願う。
ここは、『トクセン』従業員のみが入室
無関係者は、何人たりとも踏み込ませない。
「
立ち上がり、文句を言おうとした
殴られそうになった
「こうなった
熱暴走、フリーズ。
そう。
「……違う」
「……ユーさんは、その限りじゃないんだよ。
人一倍真面目で、鋭感で、悩んで。
だからこそ、人一倍、重荷になっちゃうんだ。
ユーさんは、ハルトマン寄りだから」
「ユーさん。
=
「そう」
「何が違う?
速やかに、
「あなたは、間違ってる。
タイミングと、言い方を」
「
「答えを求めたのは、あなた」
「(
「自分の店長の一大事に、非協力的
「好きでなった
見ず知らずの相手に、そこまで言及される
初対面
メンチを切り、額を擦り付けそうなまでに衝突する二人。
そんな二人の間に、オカミさんが割って入る。
「その
今は、喧嘩してる場合じゃあないだろ。
この問題を
「
ユーさんの同居人」
遅ればせながらの自己紹介。
それを受け、
一つだけな上に今更感が漂っていたが、不満点が解消されたのが効いたらしい。
「……
あなた
「どっちかってーと……スタディ?
勉強仲間というか、特撮のコーチ」
「掻い摘めた。
「だけ」
「同居人。
「俺にとっては」
「……」
背凭れに頭を乗せ、少し考え、
「特撮好き。
これまでの態度。
「こっちこそ。
いきなり、ごめん」
「お互い様。
マイナス
=プラス」
「友達?」
「突飛。
それとこれとは、話が別。
第一、今現在、そこまでの関係ではない。
よって、握手は却下。
「……
「別に口調を真似る必要は皆無。
「変人の自覚は
「撤回。
これより
「まぁまぁ、ケーちゃん。
せめて、プラスに
「ターゲット、変更」
「私を殴ろうともしないでよぉ!?」
「人間
=《イコール》
「
「暴走中のあんたも大概でしょうが」
ぎゃあぎゃあと騒ぎ立てる二人。
戸惑う
「気にしないで
アゲサゲが激しいタイプなのよ。
おまけに不機嫌な時は、意味不明な数式仕立てにして会話するの。
回りくどいったら
「友達……」
「そこ?
てか、割とショックだったのね。
まぁ、その
「友達?」
「あんたと、
それで
オカミさんの言った通り、ね」
「……うん
「さてはハマったわね、その口調」
「解決も
「
その方程式を成り立たせる方法。
「つまり、『ボスの友達を特撮に沼らせて、イメージや偏見を払拭した上で、免疫なり知識なり付けろ』と?」
「そんな
「それは、
ヒントはプラスした。
グッド・ラック」
助言だけして、
中々の怪作である。
「作戦会議が必要ね」
そのままでは話に集中
「
全員、明日も出勤だけど、飲み会の時間で補填すれば、どうにかならないかしら?」
「賛成だよ。
流石に、この調子の店長は見過ごせないからねぇ」
「ぼ、ボクも……です……」
「私も同意見です。
でも、場所はどうしましょうか?」
「俺の家。
スペースなら確保
どうせ、ユーさん連れ帰らなきゃだし、好都合」
「噂の大豪邸に、招待してくれるっての?」
「問題
ユーさんの同僚、特撮好きなら、大歓迎」
「私は、未経験なんだけれど、
「好感持てるから、オッケーです」
「
恩に着るよ」
「話は纏まったわね。
しからば、作戦開始よ。
オカミさんは、家族に連絡入れてください。
「リオ
「と、言いたい
「
「じゃなくて。
スタッフやお客様にバレない
「オッケー」
「分かりました」
「うん」
「心得たよ」
スクラムを組み、士気を高める5人。
そんな
開発室に
「
「チィフゥ。
シィナがペコテンゥ、満たしに来たよぉ」
何やら騒がしい声とユルフワな声と共にドアが開かれ、
「ふ、二人共。
どうしたのよ?
もう、上がった
「何を申しまするか、姉者!!
そんな
隊長
事態は、
ここで
「シィナわぁ、こういう時わぁ、
さぁ、チィフゥ。シィナの
……この人達か。
まるで話が進まないからという理由で、この前、飲み会に呼ばれなかったのは。
理由は、推して知るべし。
糸口が掴めず、ひたすら平行線だからだ。
「あれぇ?
初めましてぇ。シィナわ、
君に出会えてぇ、シィナの心ぉ。
バリカタ、マシマシにぃ、デリシャスってるぅ」
「自分は、
以後、
「
「もしかして、
「距離感……」
「はーっはっはっはぁっ!!
なぁに、
共に
「お手柔らかに……」
「って、違ぁぁぁうっ!!
一体、何奴が
「毒じゃないわ、
「
「
草なら、あんたがイング形で生やしてる分で事足りるわよ」
「おいしろぉ。
シィナも、セットするぅ」
「
これから自分の行く手を阻むは、数多の
いつ
無論、自分とて、
「レッツ・ゴォ」
「し、ししし
いきなり、
そんな、
でも、嫌いではない……
うぉぉぉぉぉ!!
不肖この
あなたの
「あははぁ。
「
皆さん!! 隊長
しからば、
「まったねぇ。
今度わぁ、シィナとぉ、デリシャろぉねぇ」
暴風の
「さっさとぉ……!!」
「「「「「……あ」」」」」
忘れていた。
テリトリーにいきなり踏み入られ、荒らされ、ご立腹な
「……さっさと、失せろぉ!!」
それまでの機械的な振る舞いは、どこへやら。
バルバルバロッサと言わんばかりに開発途中の発明品を
「そ、総員、退去、退避ぃ!!
及び、作戦、開始ぃ!!」
今日も今日とて、『トクセン』での時間は賑やかに過ぎ去るのだった。
※
子育て経験が豊富な彼女なら、特に心配は
念の
こういう時、年長者が
不安がる
大丈夫だから、連絡ならいつでも
彼女と親しくなれて
一方その頃、ゲスト・ルームでは。
「でゅぁくぁるぁ!
どぅぉして、この
あなた
この素晴らしさを理解
ここまで説明しても賛同してくれないなんて、ただただ恐怖します!
こぉぉぉわぁいよぉ! いぃやぁだぉ!
なぁぁぁんで、そぉいぅ
「あんたこそ、人の話を聞く機能を損ねてるんじゃないの!?
ここは
「ボクも、引かない、です……。
ここばかりは、譲れない、です……」
「……」
飛び交う、売り言葉と買い言葉。
ヒート・アップしっ放しのテンション。
折衷案や妥協点さえ一向に探そうとしない特撮ファン達。
極め付けに、
戦場と化したリビングの模様は、控え目に言ってカオスだった。
こっちと友達になったのは、失敗だったかなぁと。
ユーさんが俺の立場なら今頃、オカミさんの元に戻っていた所だろうなぁと。
余談だり
主人公がオレンジだったので試しに観てみたら、シリーズに傾倒してしまったのだ。
「あ、あのぉ……」
固まっていても、状況は好転しない。
意を決し、
思った通り、それまで睨み合っていた三人が、一斉に
注目を独り占めした
今まで
が、
この会合が、
「
一旦、落ち着こ。
審判なら、俺が務める。
同僚じゃないし、特撮の心得の
ほいで、誰から始めるのかは正々堂々、ジャンケンで決める。
で、どう?」
ジャンケン。
雌雄を決する際に広く用いられ、誰もを納得させる効力、決定権を司る遊戯。
百年近くの長きに渡り広く親しまれており、その認知度は最早、万国共通レベル。
特撮界隈では、ちょあーな主人公と神様が、世界の命運を掛けて最終回で繰り広げたのも記憶に新しい。
そんな今、絶賛マイ・ブーム中のジャンケン。
つまり、並々ならぬ特撮愛を誇る三人は、抗う術を持たないのである。
それを、
その上で、提案したのだ。
「……分かりました」
「乗ったわ」
「以下同文、です……」
こうして始まった、アピール合戦。
最初にスピーチ権を獲得したのは。
「ご覧の皆様、こんばんわ。
大変長らくお待たせ致しました。
それでは、これより、お披露目を始めさせて頂きます。
申し遅れましたが
どうぞ、
キブンガーも外し、カラフルではない白衣を纏い、教鞭を携え、髪を整え、鳴りを潜め。
ただ己が推し作品が
まだ開始前だというのに、
「突然ですが、
未見者が興味を持ってくれそうな特撮ポイントとは、
「……派手な、アクション?」
「そうです。
やはり特撮と言えば、ド派手な『アクション』、『バトル・シーン』です。
リアルと見紛うCG、人間離れした動き、てんこ盛りの爆発、崩壊するビルやエトセトラ。
後世まで語り継がれる名シーンと、優れたアクション・シーンは、ゴールデン、あパートナーなのです。
そして、派手さをウリにするなら、やはり洋画。
これなら、子供向けという枠に捕らわれずに、アピール
そして今回、私がオススメするのは、ドラマではなく映画。
きっと、激務に追われ多忙な毎日を送っている女性でも、視聴可能だと思います」
「おー……」
意外と、しっかり、しっとり纏めて来た。
これなら、窓口は広く、敷居は低く、丁度
やはり、
などと
「以上の条件を満たす神作として、『パシフィック・リ◯』と『インフィニティ・ウォ◯』を私は提案します」
「却下」
肝心のタイトルが
「なんでぇぇぇぇぇ!?」
「そんな、峰田く◯の中の人に『かっちゃ◯嫌い』って言われた爆豪◯んの中の人みたいな声出されても……」
更に言えば、化けの皮が剥がれている。
「だって、ピッタリでしょぉ!?
条件には、当て嵌まってるでしょぉぉぉ!?
メカニカルな所とか、魔法の色とか、サイッキューでしょぉ!?」
「初心者向けじゃあないかなぁ、と……」
「し……しまったぁぁぁぁぁ!!」
「ところで、『サイッキュー』って、
「『最強にキュート』って意味のホビ語」
どちらも、死亡シーンが生々しく衝撃的で、
おまけに後者は、他に10本
これでは本末転倒、今回の議題に沿っていない。
よって、不採用である。
「それじゃ、次は
とくとお聞きなさい、
この世紀のイケビジョオーことリオ様の、マンツーマンの演説を。
こんなサービス、
「
「だから、聞きなさいって。
まぁ好きだし、ネタ振った
「カナ◯さん」
「ぽいわね。
「もっと、ぽい」
「それについては後で談義しましょう。
可能であれば、今日中に。
脱線したので、戻すわよ。
の前に、
「あ〜!!
それ、
目が、目がぁぁぁぁぁ!!」
「ふふっ。
一度、着てみたかったのよねぇ、これ」
「今回、
女は元来、恋バナを主食に生きている動物。
人によりけりだろうけれど、大人になっても恋バナが好きなレディーは一定層、
更に聞く所によるとボスは、小学校から大学までエスカレート制の女子校だったとの
そして卒業後は、故郷を離れており、帰郷するまで交際経験も
だとすれば、訴え掛けるのにベストなのは、恋愛シーンなのよ」
「ふむ……」
これもまた、中々に魅力的なアプローチ。
しかも、
否が応でも、期待が高まる。
と、
「という訳で、
「ボッシュート」
肝心の恋愛シーンがドロドロし
「
クラシカルだから、
「そういうんじゃなくて。
あれが、特撮のスタンダードだと思われるのは、
「じゃあせめて、ゴーカ◯やゼンカ◯のジェットマ◯回だけでも観させて
「それ、途中の一回だけ……。
あと、ゼンカイ脳が通常運転だと誤認されるのは、困る……」
「
前者は、戦隊で四角関係になったり、デートで戦闘に遅刻したり、敵幹部が元カノだったり、身を引いた男性が一般人に刺されて最終回に退場したりと、ちょっとトレンディ
そして後者は、SF要素も癖も強めで、おまけに不倫や浮気も描かれており、危険過ぎる。
却下ったら却下である。
「最後は、ボク、です……」
「の前に、
また、
「は?
「せめて、よってあげようよ、リオ
それで、
ボクに、何か……?」
「それ」
「……?」
趣旨が分からず、小首を傾げる
対する
「俺の
遠慮とか、『さん付け』とかせずに、リラックスして。
その方が、こっちも気楽」
「……」
まさかの展開に、
が、やや経ってから、目を閉じ顔を真っ赤にし、明後日の方を向きながら返す。
「……ありがとう。
えっ……『エー、くん』……」
「……」
エーくん。
=愛称。
=友達。
=もっと
=エンムス・ビム
「『シーくん』、ズッ友」
「ちょっとぉ!
いきなり、
てか、
あんたからのあだ名呼びも、全面禁止ぃ!!
てか、
さては、
それ、あいつの発明品ね!?」
「わ~、常備してくれてるんですねぇ。
プレゼントした
「
あんたか、渡したのぉ!」
「え、えへへ……。
エーくん、エーくん……。
シーくん、シーくん……」
「な……!?
屈辱だけど、褒めてつかわすわ!!」
「どっち?」
「ちょっ……!?
り、リオ
無断撮影、めぇっ!!
せめて、ポーズとか構図とか決めてからにしてっ!」
「あ、他は
そこさえクリアすれば、OKなんですね」
ツッコミとボケが代わる代わる展開させるリビング。
「ボクの掲げたテーマは、『ストーリー』です。
エンタメである以上、最重要視すべきは、屋台骨の設定やシナリオ。
そこでボクは、数
他の特撮と比べて、そこまで長くもなく、配信にも強く、話も大人向けなこの作品は、きっとお気に召すと思います」
自信を持って前説する
「あぁ、
いつの間にか、こんなにも立派になって……。
ママ、
あんなにも、
……抱かれてぇ……」
「セフィロ◯参戦が発表された時の、やしろ◯ずき家ばりに世界一喜んでますね。
あと、そっちなんですね。
相変わらず、ドS受けですね。
それと、何度でも言って差し上げますが、
横で号泣し、授業参観みたいなスタンスで、今までで
一方、慣れているのか、冷静かつ的確に拾う
一方の
「以上の観点から。
ボクは、『アマゾン◯』をオススメします」
「ノー」
対する
「どうして?」
「色々とキツいから」
「どこが?」
「全部」
「……?」
「……」
アマゾン◯。
例えるならば、東京喰◯(特撮版)。
サブスク的にも話数的にも見易い環境は整っているが、中身はてんで見易くないヘビーっ
絵面的にも、展開的にも、グロいしハード。
普通に死人とか犯罪者とか裏切り者とかわんさか出て来るし、ハンバーグは
もし、
これは、
二度と観たくない傑作という二つ名は、
一見、人畜無害そうな
まさかの、総ボツ、沈没である。
ここに来て、
これは最初から明らか、致命的な人選ミスだったと。
職業にもしている都合上、自分と比べて三人は、特撮に触れている時間が長い。
日常として染まり過ぎているが
自分がアキバレンジャ◯レベルだとするなら、三人はシーズ◯痛レベル。
これでは、手詰まりである。
こうなった以上、共感ポイント多そうな『トクサツガガ◯』、特撮要素が控え目な『初恋芸◯』、ジャニー◯揃いの『ザ・ハイスクー◯ ヒーローズ』で無難に済ませようか。
全部、話数も短いし……。
などと
「皆さん、お疲れ様です。
話し合いは、順調ですか?」
「ニーナが、来たー」
「マーマも……マーマも忘れないであげて、
「ニーナとマーマが、来たー」
「ありがとう……。
マーマ、頑張るから……。
次は、気を遣わせずに、最初から呼んで
「マーマ、がんばえー」
ヤンデレ彼女の父親ばりに、
二人に視線を向けたタイミングで、今度はオカミさんが登場する。
「帰りが遅くなるのを伝えたら、『どうしても差し入れしたい、力になりたい』って聞かなくってねぇ。
結果的にとはいえ、勝手に招いてしまって、すまないねぇ。
一同がスマホをチェックすると、確かにオカミさんから通知が入ってしまっていた。
四人は、
「すみません、オカミさん!」
「ごめんなさい……」
「申し訳ありません!」
「お手数、ご心配お掛けしました」
「
それより、
じゃないと、戦は
オカミさんの言う
時刻は、
そろそろ、夕食時である。
代表して、この家の主である
「
そして、一服しましょう。
今、クッションを用意するので、もう少し待っててください」
「は、はいっ。
お言葉に甘えさせて頂きますっ!」
「エーちゃん、ありがとー」
「に、
いきなり、そんな、フレンドリーに迫っては、悪いわ!」
「エーちゃんです。
じゃんじゃんお呼びください」
「あ。
大、丈夫? なんです、ね……。
ご厚意、痛み入ります」
「ところで、オカミさん。
ユーさんの、様態は……?」
「熱は下がったし、呼吸も安定した。
今は、ぐっすり眠っているよ。
やっぱり、自室に来れて安心したんだろうねぇ。
「……良かった……。
……ありがとう、ございます……」
「なぁに。
困った時にサポートするのが、最年長たる私の責務さ。
っても毎日、困ってるけどねぇ」
オカミさんからの吉報に、安堵する一同。
こうして、
「
こちらに、
「チィフゥ、
おいしろでしょぉ。
あははぁ」
『!?』
予期せぬ、騒がしい追撃。
インター・ホン越しに、
モニターを見れば、
猪や魚を背負っている辺り、山帰りらしい。
薬草こそ持っていないが、
「な、
「悪目立ちするからでしょうが。
サイズ的に」
「キャップのお家、『トクセン』でも話題になってたし……。
ていうか、ここの完成記念パーティに、ボクと
「……
「山からだったら一望
「盲点だった……」
「そもそも、そこを懸念しなきゃならない状況って、そうそう
本来なら。
あの二人みたいのが、規格外に企画外なのよ」
「どどどど、どうしましょう!?
「かといって、この状況下で人数を増やすのも、悪手だねぇ。
二人には、申し訳ないが」
「面白い人、いっぱーい!
動物園みたーい!」
と、その時。
「でっかいお城ー!!」
「おい。
「超合ってる系だし!
「だし!
ママ、マジ天才!」
「サンキューだし、
「
メモとアプリに従っただけ。
そして、
「それ言ったら、
旦那のバーター引き受けたら、友達になったモリマルくんがユヒの知り合いとか、超ウケる系だし」
「言い得て妙。
ところで、妻のアユ、娘の
「知れた
あれからユヒが心配であった。
そして、仲間外れが寂しいからである」
「あははっ!
ホティ、今日も今日とて、超ダサカ系だし!」
「二人共。
目的を
今日のメインは、あくまでも、ターゲットへの挨拶と、ユヒの見舞い。
失念、油断しないで」
「その物騒な呼び方こそ、目的を違えてはおるまいか?」
「ところで、あの
新手のお笑い芸人さん系だし?
片方、真冬に半袖て!
温度差、ダブルで超ウケる!」
「ウケる!!」
『!?』
予期せぬ追撃。
パート2。
「ま、まさか……」
心当たりが
そこには、オカミさんのみならず、別の者からのメッセが来ていた。
送信者は先日、職安『アッセンボー』で知り合った友人。
それだけなら、まだ
が、今は思わしくない。
その理由は、ただ一つ。
彼女
当人が目覚めていない上、まだ
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