ビギンズナイト~序章~


 思い返す度に身を焦がす、灼熱の日々。

 僅か17年という人生において最も輝いていた時間。

 それはまるで――宝石のように煌めいて。

 さながら硝子のように脆く――儚い。

 宝生マイカ。

 閏峰ルリア。

 宇佐美ミコ。

 彼女たちと共に過ごした栄光と破滅の刻。

 探索者として、

 一人の男として満ち足りた毎日。

 そして何より、どれだけ願おうとも戻すことの出来ない過ち。

 いっそ共に死んでしまっていれば、といつも思う。

 しかしそれは彼女たちに対する裏切りだ。

 命を賭して俺を救ってくれた想いを冒涜する事になる。

 ただ頭で理解はしていても……

 心は深く沈み、現実を拒絶する。

 喪われた過去に引き摺られ――

 俺は今日も叶わぬ願いに想いを馳せる。






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