ハトメ?カシメ?
ある時、娘はヒジョーに腹が立っていた!
それは仲の良かったハズの友達に彼氏を奪われて挙句の果てに「単細胞だね!」と言ってきた。
あの子は帰り道が同じでいつも一緒に帰っていたのに、
「そういえば単細胞ってどういう意味だっけ?」
娘は調べた
『生物には体がひとつの細胞で動いている『単細胞動物』と多数の細胞で動いている『多細胞生物』がいます。
人間が1つの細胞で体を動かしているワケはないでしょう。
それは言った側も分かっているとは思いますね。
「単細胞だね」という言い回しは人であることを否定しているとも言えます。』
人間であることを否定?!
娘はこじらせにこじらせた
小さな眼球によって
おかしな解釈をしてした。
「人はいつか死ぬ、あの子も死ぬんだ。可哀想に!」
自分のことは棚に上げて生と死について考えた。
次第に未来に対する不安の方が大きくなって友達のことはどうでも良くなった。
こんな不幸な考え方しか出来ない自分が嫌いだ。
この時代、幸福論が沢山出ているけど
私向けに書かれてない!
死後の世界だの
神はいるとかそういう存在が不確かな物にすがるのはなんかいやだ!
もう道を踏み外してやろうと考えた。
人はおかしくなるとおかしくなるほど
途方も無いことを考えるようになる。
自分の頭が悪いのはみんなのせいだ、と
今までの自分のやってきたことを振り返らない。
どうにか更生しようとすればどうにかなるものを
信用できずに時が経っていく
こうやってどんどん周りが見えなくなって行く
まるで私のようだ。
それに対して誰も同情しないし
助けようと思う人もいない。
この考えに賛同する人もいない
学校に来て早々、
あの女の机に接着剤を塗りこんだ
女は私の前で泣いていた。みんなが「大丈夫?大丈夫?」と寄り添った。
そして1番許せないのは元彼
あいつまで一緒に泣いて、
しかしここで元彼にまで手を出すと私であることがバレてしまう。
それを避けつつ嫌がらせを繰り返した。
そして娘はアイドルの話を読んだ。
『チヤホヤされているアイドルが匿名の相手から誹謗中傷を食らった。
それにムカついて無視を出来なくて「私にはなんの精神的ダメージにもなってないよ!」とかわざわざ大衆に向けて言ってしまう。
誹謗中傷した側は更に燃えて
アイドルのファンは不快な気持ちになってしまった。』
これはまさに私の考えに近い!
こんなんじゃ私が地獄に落ちる!
ある日の放課後、娘は屋上から転落した。
気が付くと目の前であの女は大泣きしていた。
「何…なんで
あなたが大泣きしてるの?」
「気付いてあげられなくてごめんね…本当に…ごめんね…」
「嫌がらせをしたのは私なんだよ?なんで泣くの?」
「嫌がらせ?」
「彼氏…?」
「君には彼氏がいるの?
嫌がらせってどういうこと…」
「接着剤は?
泣いてたじゃん」
「この前君が登校した朝に接着剤を自分の机に自ら塗り込んで
それで私は悲しくなって泣いたよ
その前の日は一緒に帰ってる最中に
急にヤバいこと言いだして変な動きして一人で帰ってっちゃったし…」
「Aくんは?」
「Aくん?」
「Aくん」
「は!そういえば私とAくんと君で3人で帰り道話してたじゃん?
君が掃除の時間に椅子と机を同時に持ち上げて転倒したって話でさ、「単細胞だなぁ~」って私言ってさ、変な緑髪のおばさんに会ったじゃん
そこら辺から君おかしくなったような…」
「私…謝らないと行けない…」
「飛び降りとかビックリした。
私は時間の限り、付いていてあげるからさ!」
客観的に見るということは
人生においてある程度は大事なものなのかもしれません。
自分を信じきって一方通行になると
周りが見えなくなってしまいます。
話の途中に出てきたアイドルの事もそうです。
まぁアイドルに例えてますが実在する相手でして…
このままだと良くないなとは思います。
ドウジャク凡愚 いずもん @izumo0923
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ドウジャク凡愚の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます