第15話 イケメン君
目を覚ますと真っ先に白い天井が見えた。あぁ、病院か。
「倉岡さーん、倉岡由菜さーん」
「…あ、はい」
ハイテンションで近寄ってくる。そしてもう2日間も寝てたのよ?あ、ちなみにここは4人部屋の病室であと少しで1人入ってくる予定だわ。あ、イケメンらしいよ〜?と言って病室をでる。
はぁーいと返事をしたが実はイケメンという言葉に引っかかっている。
この看護師さんは末永 花(すえなが はな)と言うらしい。
末永さんが出ていってからイケメンはどんな感じなのか考える。んー…高身長でクール系で、優しくて…何でもしてくれて…ってこんなに優しい人いないでしょー。あっ、そう言えば由里ちゃんに連絡してないや。連絡しとこ。あ、あれ、携帯…あれ、あ、え、待って家じゃないっけ。いや、絶対にあるはず。バッグの中を見ようとするとガチャリと病室のドアが開いた。
「え…」
あれ、もしかして噂のイケメン君?ガラガラーとベッドを動かしながらカーテンを挟んで私の隣に来る。
「あ、この子悠坂 慶慈(ゆさか けいじ)君ね。まだ眠ってるけど喋りかけてみて。」
「はぁーい」
ガチャリとドアが閉まる。喋ってって言われてもなぁ。うーん、あ、そうだ、いいのも思いついた。
「えーっと私の名前は倉岡 由菜です。よ、よろしく。あのー悠坂君ってさ部活とか入ってる?あ、私はね卓球部であ、もう学校行ってないんだけどー。や、だからさーもう1回卓球やりたいんだよねー試合では3回戦までいったことあるんだよ?凄くない?あ、そいえばさ悠坂君ってイケメンなんでしょ?看護師さんが言ってたよー?ちょっと気になるんだよねー学校とかでモテてた?看護師さんが言うくらいだからモテてるかぁ。わぁいいなぁ」
そこまで喋ってからあぁ顔を見に行けばいいんだと思う。松葉杖だけど…
立上り悠坂君のベッドに入る。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!????」
悠坂君の目が開いている。
「…えぇっといつから聞いてたの?」
「最初から」
「え、じゃあ看護師さん」
「嘘ついたってこと」
私は顔が真っ赤になる。穴があったら入りたいっていう気持ちがすっごくわかる。
でも悠坂君は笑ってくれて。
2人で笑いだした。
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