第13話 ケーキを食べた時とは違ういただきます。

口々においしい!と言ってくれる。あぁー作ってよかった。ん、あれまって、なんか忘れているような…

食べ終わったのでフォークを皿の上に置く。と、同時に忘れていたことを思い出した。

「ご、ごめんなさい!夜ご飯作るの忘れててーすみません!また今度お邪魔します!!ほんとごめんなさい!ではっ!」

台所に皿とフォークを置き、走って由里ちゃん家のながーい廊下をかけぬける。

あぁー夜ご飯作りたくないなぁ。

玄関の扉を開けた瞬間冬の寒さが私の全身を覆う。周りには高校生の女子たちがキャッキャしながら歩いている。私もあんなふうにしたいのになぁ。あぁダメダメ。そんなこと考えない。夜ご飯何にしよーかなー。んー、お好み焼きかな。よし、決まり!

スーパーに着いた。お好み焼きの材料を次々にカゴに入れレジへと向かう。

「合計840円です。」

「現金で」

「ありがとうございました!」

うっわやば、16時40分を過ぎてる。お風呂にも入らないとだしーお好み焼き結構ムズいし…小走りで帰る。

家にあかりはついていない。まだお母さんはどこかに行ってるんだ。よかった。

玄関の重い扉を開けリビングに入る。

まずは袋から材料を取りだしてー。

えーと?キャベツ、豚肉、青ネギを刻んで…

なんかよくわかんない液体みたいなやつを混ぜてー切った具材を入れて混ぜる!!

あとは焼くだけ…油をひいてー

2分後。

色んな具材が入ったやつをおたまに入れてーフライパンにー…

「あぁぁっっつ!!!!!」

フライパンのふちに手が当たった。き、気をつけないと。でーひっくり返してー。

1枚目完成!!

やったぁぁぁ2枚目を完成!!

まぁいいかんじかな。テーブルに座りお母さんの帰りを待つ。

もう19時30分なのに…まだ帰ってこない。

…………………………………………………。

「だだいまぁぁー?」

時計の針が8を指す少し前。お母さんがハイテンションで帰ってきた。

「あら?この匂いはお好み焼き?あぁー私はもう食べてきたの。いらない」

きっとお酒を飲んできたのだろう。ヘロヘロなってる。こっちはこんなに長い時間待ってやったのに、と言いたい。が、そんなこと通用しない。そうなんだ、わかった。と返事をする。

お母さんはそれだけいいリビングを出る。

私の目の前にはお好み焼きの皿が2つ。

1人ぽつりと呟く。

「…いただきます」







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