第3話 「私、由菜ちゃんには生きててほしい。」

「由菜ちゃん」と呼ばれたのがずっと頭の中で響いている。

なに、この懐かしい感じ…

優しくて甘いかんじ…

その人の顔を直視していると分かってきた。同じクラスの…

「あ、えと、3組の八神 由里(やかみ ゆり)さんだよね…」

そしたら彼女は目を輝かせて、私の名前覚えててくれたのー?と言った。え、まぁと返事を曖昧にして返しといた。

そして由菜ちゃん大丈夫?最近学校来てないけど…と聞かれた。

いじめのことなんて言えるわけがない。っていうか私は最期の一時を楽しく過ごそうと思ってコンビニに来たんだった!

あ、じゃあ私はこれでといってその場を後にしようとすると由里ちゃんがぐいっと手を引っ張ってきた。

後ろを振り返ると由里ちゃんは悲しそうな目をしていた。

「私、由菜ちゃんが何のためにここに来たのか、この後何をしようとするか分かってるよ。」

え…なん、で

私はその場で泣き崩れてしまった。

それを見た店員さんが声をかけてきたけど由里ちゃんが大丈夫ですと言ってくれた。

すると、由里ちゃんがねぇ、私の家来ない?と誘ってきた。

もちろん答えは

「行く。」

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