④
「怜奈、聞いてくれ!」
俺は慌てて怜奈を追い、まるで逃げようとするその腕を掴む。そして――もうここまで来たら引き返せない。俺は勢いに任せて言う。
「怜奈……俺は、お前のことが好きだ。ずっと昔から……」
怜奈の顔を見る。が、怜奈は何も言わず、こちらと目も合わせない。苦しげな顔で床を見つめているだけだ。だから、俺は語を継ぐ。
「お前は……俺のことをどう思ってるんだ?」
「……ごめんなさい」
怜奈は絞り出すような声で言った。
「今は何も……言えない」
「……? どういう意味だ?」
怜奈の腕から手を放して尋ねるが、怜奈は何も答えない。黒髪から覗く小さな耳を真っ赤にして、しかし顔は悲しげに俯いたまま。
『今は何も言えない?』。それは……いま何か悩みでもあって、愛だの恋だの考えていられる状況じゃないということだろうか? それとも、俺とそんな関係になることが想像もできなくて、混乱して何も言えないということだろうか?
もし何か悩みを抱えているなら……俺なんかで役に立つか解らないが、というかどうやらフラれた後に相談相手になれるのか解らないが、ここは一つ、悩みがあるなら聞くと提案してみようか?
Which would you choose?
Yes. / No.
Yes:⑧へ。
No:⑨へ。
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