いや、落ち着け、俺。



 怜奈と十数年もいるんだから、ちょっと考えれば解るだろう。こいつの性格からして、急に俺が『好きだ』なんて言ったりしたら、ほぼ間違いなくパニックになって逃げ出す。小三の時、クラス投票で怜奈が学級委員長に選ばれそうになったあの時みたいに。



 それに、そもそもこういう大事なことは、こんな一時の思いつきでやることじゃない。もっと綿密に計画を練って、段階を踏んで、石橋を叩いて実行しなければ。



 俺は暴走しかけていた自分自身を制すように深呼吸をして、それから窓の外へと顔を向けた。



 最近はもうめっきり日が傾くのも早くなった。まだ下校時間ではないが、もう帰るべき頃合いかもしれない。



 でも、どうしよう。怜奈はまだ読書を続けたい様子だ。俺だけ今日は先に帰らせてもらおうか。



 いや、それはダメだ。怜奈くらいの美人だと、たとえ昼間だろうが怪しい輩が声をかけてくるのだ。 夜道を一人で歩かせるなんてもってのほかだ。



 じゃあ――一緒に帰らないかと提案してみようか?



 Which would you choose?


  Yes. / No.





















 Yes:⑥へ。


 


 No:⑦へ。

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