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毎日鏡に映る自分が憎くて憎くて堪らない。

あの時の私はあんなにも輝いていたのに。

何だってこんなに顔は面長になって、

手足は無駄に太く長くなってしまったのだろう。

身長もやたらとぐんぐん伸びて、

肉まで付きやすくなってしまった。

おまけに顔のパーツ一つ一つまで

歪に大きくなってしまった。

さくらんぼ1つさえ恥じらうように

食していた初々しい口は、

妖怪のように横へ縦へと顔に広がった。

控えめで愛らしかった鼻に至っては

ワシの嘴のように歪んでいる。


気持ちが悪い。気持ちが悪い。


あの時のままで明日を生きていけたら。

あの時のままで今日を生きていたら。

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