精神修行

『さースバル。こちらが成山じゃ。精神力を

引き出してくれる元歴代戦士じゃよ』


『スバル殿、宜しゅう』


『あっ!宜しくお願いします』


 見た目はゴツい感じ、でもどこか自然な清

らかな感じだ。まるでお坊さんの様だ。


『さっこちらへ。ここで私のする事を学んで

頂きます。まずは座禅をし精神の統一』


『ハイッ!』


 そっか…正座じゃなく胡座が良かった。正

座は苦手だからなぁ!


『では…これから心を無にして行きます』

『目を瞑り、心に空間を作ります。その空間

こそが心を無にする部屋。人は心に幾つもの

部屋があり、そこからドアを開けて出てくる

事、反対に部屋から出て来ない事、感情とい

う名の鍵は己の信念そのもの、鍵を自由に扱

う支配人となるのが今回の修行に御座います。

それでは私も参ります。スバル殿、始めます

が宜しいかな?準備が出来たら、声を掛けて

下さい』


『分かりました。ちょっとトイレに行って来

ます』


 俺は緊張していた。まるでブレブレだ。も

しバトルしてたらワンパンだよ…ハハ!


『成山さん!宜しくお願いします』


『それでは私が言葉を出すまでの間、精神統

一します』


 精神統一が始まった。俺は目を瞑っている

のも辛い感じがした。なんて俺は心が小さい

んだ。目を開けそうになって耐えていた。


 どれくらい時間が経ったのか…不思議と目

を瞑るのが自然になった。空間かぁ、目を閉

じていると闇の中に光が動く様な気がした。

模様になったり、消えたり、チカチカしたり、

クルクル回ったり、何かに近づこうとしたり、

いつしか俺は考える事も無くなって来た。

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