玉玉修行
ばあちゃんと俺は剣玉を探すべく蔵を探し
ている。色々な物が置かれていた。鎧に刀、
壺に書物まるで骨董屋みたいだった。
『確かこの辺りに…おっ!あった!あった!
あったぞ、スバル!これが玉玉じゃよ』
『こ、これが玉玉?』
剣玉とは違い、球を乗っける器もなく、剣
玉でいう穴に入れる所が上下に一箇所ずつだ
け。あとは胴体の中央から紐で球と繋がって
いる。
『さてと、修行空間に行って修行するぞ!』
『修行空間?何なのそれは?』
『修行空間とは宇宙惑星の重力に合わせられ
る装置が備えており、そこで修行する事で発
揮を出せるのじゃよ。じゃから地球の重力で
いくら修行しても惑星での発揮は無理に等し
いというわけじゃ!』
『そうだったのか…俺がもし、ばあちゃん家
に来なかったら、そして自分で練習したとし
ても、重力に慣れていないから勝負にならな
い。しかも剣玉のやり方も違うしなぁ。なん
て偶然なんだ。尋ねて良かったよ』
『さすが、私の孫じゃな!気持ちが通じてお
る証拠かもしれん。戦士としての血が…!』
そして修行が始まった。
『スバルや。その玉玉本体に球を刺す場所、
2箇所を交互に刺しながら、音楽に合わせて
2分間の間に球を落とさなかった方が勝ち、
お互いに落とさない場合、繰り返しテンポも
速くなってくるという事じゃよ。火星の重力
は地球の3分の1しかないので、ものすごく
球を持ち上げ、球を返す力は絶妙な力加減と
なるから、感覚を覚えよ。まず、肩幅に足を
開き、腰を落として膝を使いながら球を繰り
返す。では…始め!』
俺はばあちゃんに言われた通りやった……
やってやってやりまくった。だが、成果がな
く時間だけが過ぎて行った。
『ばっ…ばあちゃん!俺…駄目かも?全然上
手くいかないよ。それに体のバランスがうま
く取れない。フワフワする』
『ハハハハッ!無理もない。この地球での重
力でスバルは何年も過ごしておるから身体全
身の感覚、そして頭脳の感覚が驚いて心が乱
れているせいじゃろ。心から学ぶ必要がある。
今日は成山が来ておるからお願いするとしよ
う』
心から学ぶ?成山という人はどんな人物な
のだろう。また修行かぁ…俺に出来るのか?
スバルは挫折感に満たされていた。気力も
失い、迷いもあった。果たしてスバルはマス
ター出来るのであろうか!
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