第26話 ハルと長田
繁華街の中のビルの一室、扉を開けると、女性がドレスを纏い、室内な豪華に飾り付けをされている。
世の男性が、非日常を求める店内からまた、カーテンを一枚くぐると女性のキャストの待機場所がある。
そこで、黒服の男性キャストと嬢が会話をしている。
その嬢は、春であった。
表情は、暗く落ち込んでいた。
「もちろん、ハルちゃんには落ち度はないんだけど、この件が落ち着くまでは出勤は止めてほしいんだよね」
黒服は申し訳なさそうに、ハルに話をしている。
ハルはそれを黙ってきき頷き返事を返す。
そして、上着を羽織り、お店の外に出ようとするハルに対し送迎する旨を、黒服は伝えるも、ハルはそのままお店を出てしまう。
深くため息をつく。
何故嫌な事ばかり、続くのだろう。
でも、これは自分の犯した事の罪だと、考える
カバンから、スマホを取り出す。
一時間程前に本宮から食事の誘いがあったが、仕事なので断ったが、もちろん、仕事の事は伏せている。
こんな事なら、行くべきだったのかな
そんな事を考えた時、ふと後ろから声をかけられる。
「はるさんですよね」
ハルが振り向くと、男性が二人、一人は見覚えはないが、もう一人は知っている。
本宮さんの所のバイト生、確か長田という名前の大学生だ。
偶然、それとも、待っていた?
ハルは言葉を失ってその場に立ち尽くしてしまう。
「やっぱり、春さんだ」
長田はそういうと、次の言葉を紡ぎだせずにいた。
その代わりに、神原が話を始める。
「初めまして、本宮の友人の神原です、ちょっと確認したい事あって」
ハルは、神原の顔も長田の顔も、瞳から溢れる涙で顔が見えなくなる。
隠していた訳じゃないが、きっと変な誤解をされてしまうだろう事、そのつもりてはないが、本宮さんを騙してしまった事に胸が痛くなってきた。
泣き出してしまった事で、神原は気まずくなったが、このままでは良くないと思いなだめながらも話を進めるつもりでいた。
しかし、そうはもの事は上手くいかなかった。
ハルが泣いてしまったことで、外にいるキャッチの男性が間に入ってしまったからだ。
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