第24話 エゴとプライド
1月20日、正月気分も抜けきり、本宮はある決意を固めていた。
春に思いを伝えよう、二十代後半に差し掛かり、恋愛なんてとも思う事もあったが、気持ちを伝えないと一生後悔しそうだと思い始めたのだ。
その決意は、日常を明るくし、それは回りも感じていた。
開店前、朝から入荷した本を、雑誌、書籍、コミックの新刊、補充に分けそれから、注文の分をチェックする。
雑誌類は、咲良が店頭に並べていた。
本宮は、注文リストを確認しながら、本の状態も確認する、ネットショッピング主流の時代にワザワザ店舗で注文をしてくれているのだ、傷があればそのままお店の信用に繋がる。
過去にも、傷があり、お客さんに連絡し、再度注文することもあった。
手際よくチェックしていた手が止まる。
その本は、春が注文していた本。
本宮は、二人を繋げてくれた本が来た日に思いを伝えようと思っていた。
しかし、本の表紙は綺麗であったが、裏表紙に小さな傷があった。
読むのには支障はない、もしかしたらきづくこともないかもしれない傷だ。
早く思いを伝えたいと思うが、さすがにそれはエゴ、本屋の店員としてのプライドの問題もあるとして、確認書籍の棚に一旦収める。
再度注文なら、また1ヶ月近くかかるかな?
そう思いながら、業務に意識を戻す、本宮であった。
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