第21話 ストライクとガーター

 春が指定したボーリン場は本宮の自宅から、車で15分程の場所にある、昔ながらのボーリング場だ。


 夜という時間帯で、車も空いており、予定していたより時間早めについた。


 春か駐車場と入り口の間のエレベーターホールに立ってまっている。

 

 無地のパーカーにチェック柄のスカート、黒いブーツ、本宮はすぐに気づいて話しかける。


 「待たしてごめんね」


 「全然、急に呼び足してごめんなさい」


 二人は簡単な挨拶を交わしてボーリング中入る。


 本宮市も、二回目のデートということもあり、あまり緊張感はない。


 本宮はボーリングの受付で、受付に名前を書く。


 『本宮 総司』

 

 流れるように、春に問いかける。

 「えっと、名字は?」


 春は、名字をいわずにそのままペンを受け取り、春とだけ、記入する。


 「13番みたいですね、行きましょう」


 レンタルシューズを借りて、ボールを選んでからゲームにとりかかる。

 

 『こんな夜になにかあった?』


 本宮は聞きたかったが、ゲームの性質上話をするタイミングが取れない。


 黙々とボールを投げるしかなかったのだが、本宮は正直あまり上手くはなく、ストライクもスペアも取れなかった。


 春の4投目、ボールは勢いよく、中心に吸い込まれていく。

 軽快な音と共にピンがすべて倒れる。


 ストライクだ。


 春が小さくジャンプして喜ぶ。

 手を上げて、ハイタッチを要求、本宮は、反射的に手を出して、ハイタッチをする。


 本宮は、心臓が大きく鼓動する。

 

 本宮は久しぶりに女性に触れて、ドキドキする感じを懐かしく感じる。

 

 春は気にしている様子はなかった。


 ドキドキが止まらない本宮の次の投球はガーターであった。


 春は、楽しくボウリングを楽しんでいる、何かあったのかは知らないが楽しそうにしているなら、それで良いそう思いながら、本宮は、ボウリングを引き継ぎたのしんだ。

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