第7話 居酒屋と作戦会議(中編)

 本宮の発言に驚きの表情を見せる神原、しかし、まだ、冷静である。

 「それは、あれだろ、本の注文とか問い合わせとかなんだろう」


 「本の注文もそうだけど、気になったから…名前聞いて、それから連絡先を聞いた。」


 マジか、思わず大きな声をだし、居酒屋中に声が響くが周りのお客は対して気にとめる様子はなかった。


 「おいおい、それはあれか好きって事でいいのか」


 本宮は、視線をそらし、刺身の盛り合わせに目をやり、残ったタコの刺身に箸をのばす。

 そんな本宮を他所に神原は話続ける。


 「まぁ、なんだ、でっ、どんな子なんだ。」


 可愛い系なのか、綺麗系なのか、年は、上なのか下なのか、髪は長いのか、身長は?一般的な質問から下世話な話まで神原は嬉しそうにまくし立てている。

 何故、自分の事じゃないのにこんなにテンション高いんだろう?そんな風に思いながら、質問にいくつか答える。


 どちらかと言うと、可愛い系、髪は肩までセミロング?かな、年は二十代半ば、身長は低い。

 下世話な質問はスルーした。


 「結婚はしてるのか?」

 「わからん」 

 「指みればわかるだろう、でも、まぁ人妻ならそんなナンパ引っ掛からないだろう」

 「ナンパしてるつもりはない」

 「恋人はいるのかなぁ」


 最後の、神原の発言に、本宮は黙った、あれだけ可愛いならいてもおかしくないだろう。

 そんな本宮は察して話を続けた。


 「まぁ、それは誘ってみないとわからんだろう」

 神原は、手を伸ばして、スマホを要求した。

 LINEを確認したかったのだ、その要求に本宮は答え、手渡した。


 居酒屋の夜は続く。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る