第6話 居酒屋と作戦会議(前編)
車を自宅に止めた後、男はタクシーと足を使い繁華街に向かう。
平均的には小さい身長だが、ガッチリした体格に赤く染めた髪の毛、男の名は、神原修二。
営業職に転職し、約三年で会社の出世頭になったやり手の営業マンである。
いつもは、高そうなお店にいく彼だが、第三週の金曜日はいつもここと決めている居酒屋がある。
大衆居酒屋(おちば)、綺麗とは言いがたいそのお店の入り口をくぐり、店員に目配せし、待ち合わせている席に座る。
相手は先についており、ウーロン茶を飲んで待っていた。
席についていた男は、本宮だった。
「おつかれ」
お互いそう、声をかけ、先ほど目配せした店員が注文を取りに来た。
「生とハイボール」
注文を終えると神原は、話を切り出した。
神原修二は、本宮とは中学頃からの友人で、今でも月に一回程会って近況を報告し合うのが日課だ。
神原は、アルコールを流し込みながら、話を始める、本宮と違い話好きの彼は、当たり障りのない日常の話や少し自虐的に自分の事を語り、止まることない会話で場を盛り上げていた。
合流して一時間程たち、一通り話をした後に、注文した焼き鳥を食べながら切り出した。
「なんか、楽しい事あった?」
それが、神原流の会話のパスであった。
本宮は、アルコールで少し麻痺した頭で話を切り出した。
「仕事中、可愛い女性客の連絡先をきいた」
ボソッと、1人事のように粒やいた。
夜も飲み会もまだ、始まったばかりだ。
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