第5話 ワクワクとイライラ?

 昨日の雨が嘘のように、晴れあがった空、本宮は、昨日、積極的に行動できた事が自分でも信じきれないという気持ちで、本の注文のため、パソコンで仕事をしていた。


 作業中、後ろから声がかかる。


「店長聞きましたよ。昨日女性のお客さんの連絡先聞いてたんですよね」


 店長含め三人しかいないお店のスタッフの1人の男性の、長田広夢であった。

 大学生のバイトの彼は、どちらかというと、本宮とは正反対のタイプで、お店のムードメーカーな存在である。


「おれ、店長の事誤解してましたよ、てっきり受け身タイプと思ってたんですけど、いゃ~まさか、いきなりお客さんナンパするっ凄いっす」


 長田は、煽るつもりもなく本心から言葉を感心している様子で話し続けた


「ナンパした訳じゃないよ、本の注文で連絡先聞いただけだ」


 本宮そう言いながら、作業を続けるも、長田はまだ話したりない様子で手元の注文書を覗きこむ。


「でも、これお客さんの名前『ハル』だけで、フルネームじゃないし、連絡先の電話番号も書いてないじゃないですか、店長いつも、ちゃんと書けっていうのに、これは恋しちゃったんじゃないですかー」


 うざい、そう思いながらも何故そんなに長田が嬉しそうなのかも、よくわからない本宮、すると、遠くから怒鳴り声が聞こえた。


「広夢、何遊んでるの」


 もう1人のスタッフ蒼井である。


 長田に、昨日の事を話したのは、蒼井だろう、何故か朝からイライラしている様子である。


「そういえば、店長、明日の土曜日は午前中はお休みするんですよね」


 長田は、本宮に問いかける、それに本宮は頷き返事をする。

 なかなか休みを取らない本宮だが、金曜の夜は友人と会う時間にあてることがたまにあるのだ。


「さっそく、デートっすね」


 蒼井は、長田を睨み付ける。

 長田は、目を輝かせ、本宮を見る。

 そして、本宮は、パソコンから目を話さずに、考えていた、何故か今日は職場の雰囲気が活気づいてるなと、そして、この雰囲気にあまり悪い気はしないと。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る