5-12 選択の結果
横になった視界に、うねうね動く青い液体が見えた。
スライムだった。
次に、緑のトゲトゲのやつも見えた、大きな魚やイモムシ、カピバラ、角の生えた青いウサギも。
公園の地面から次々と僕らの倒したモンスターたちが復活して飛び出してきた。
エリンギみたいなやつ、小さいドラゴン、イノシシ、糸ウサギ、空飛ぶ土偶。
そしてラスボスも復活しているのが見える。
そうして城南公園はモンスターたちでぎゅうぎゅうになった。
モンスターたちは動けなくなっている僕のことを取り囲み、見下ろしていた。
見下ろしているだけで、別に何もしてこない。
つまりそういうことなのだ。
リザレクションで復活した者は戦闘には参加できないという制約。
煙になった状態のラスボスにリザレクションをかけて戦闘に参加できなくする。それが僕の思いついた最後の作戦だった。
きっとラスボスには第3形態があった、下手したらそれ以降もあったかもしれない。
そもそもあのコウゾウさんが負けた相手だ、正攻法ではきっと倒せなかったに違いない。
それに気付いたからコウゾウさんはあの時3人の中で唯一スキルが攻撃的なものではない僕に電話して、『きっとラスボスは翔くんにし……』か倒せない、と言おうとしたんじゃないだろうか。
そして澪が言っていた、なぜモンスターは怒っていたのか、についても今なんとなくわかった気がした。
それは味方が僕らに次々に倒されていたからだ。
僕らに倒されたのが多い分、後半に出てきたモンスターたちが怒っていたのだ。
だからこうして今、目の前にいるモンスターたちの顔は、もう何も怒ってないように見えるのだろう。
嘘みたいに静かになった公園で小さな足音がこちらに近づいてくるのがわかった。
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