個室から大部屋へ
しばらくたったある日、個室から大部屋へと移ることになった。
最初の部屋は、大部屋に付いている監視カメラとは別にベッドにも監視カメラとセンサーが付いている部屋だった。
入院中、何度か大部屋から別の大部屋へと引っ越しをした。
個室から大部屋へと移動する。それは他の患者さんとの接触が増えることを意味する。私の場合、自分の病状が外部の環境に大きく影響されてしまった。
「 ここは精神科閉鎖病棟。精神科はいろいろな患者さんがいるからね、しょうがないの 」
ある看護師さんからの言葉が今も忘れられない。
ここは精神科病棟。それを実感させられることが幾つも起こった。
昼夜問わず響き渡る、誰かの声。罵詈雑言。そして夜中も鳴り響くナースコール。
泣き叫ぶ声や泣き喚き痛い痛いと悲鳴をあげている方。支離滅裂な大声を出しながら廊下を練り歩く患者、暴言や怒声は毎日聞いていた。しまいには暴れて警備員さんが来ることも何度かあった。こっちが引きずられてしまいそうで、狂ってしまいそうになった。
社会と一緒で、病棟には色々な患者さんがいる。精神科なら尚更。閉鎖病棟という、閉鎖された社会で、色々な病状の方と接する機会があれば、精神疾患というものに向き合う必要があった。そうせざるを得ない状況だったように思う。
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