ストレスチェックと通勤中の転倒
毎年一回のストレスチェックなるものが義務づけられている。社会人の皆様ならお馴染みのアレだ。
正直に解答したところ、案の定結果は
──高ストレス
『直ちに、産業医の診断を受けてください』
──もちろんそんな時間などない。そもそも、産業医がいない会社だった。
この頃から、ふとした瞬間
「これからどう生きていけばいいのだろうか、死んだ方がいいのかもしれない 」
何もないところを見つめて、こう思うようになっていった。
朝は食欲がなく、気持ち悪い。なにも食べられない。というか、胃になにもいれたくないのだ。だか、仕事もフルリモートではなくなってしまったため、通勤しなくてはならず、白湯をなんとか胃に流し込み、ふらふらしたまま出勤する日々が続いた。
不思議となにも食べなくとも仕事はできた。お腹は空かない。朝食を食べていないにも関わらず、何故か頭は冴えていて、むしろ昼ごはんを食べてしまうと気持ち悪くなってしまい、午後から仕事どころではなくなってしまうのだ。
トレンチコートが手放せなくなるほど、風も冷たくなってきたある日。ちょうどその日は風が強く吹いていたため、歩いて通勤していた。
いつもは自転車で通る道をただひたすら歩く。通勤路も半ば、信号待ちをしていたその時に、信号機の音や車の音、周囲の音声が急に消えてしまった。
くらくらと回る。目の前が真っ白になって、立っていられなくなる。どこにかつかまろうとしてもダメだった。身体が傾いたと思ったら、霧の中にいるように視界が真っ白になった。
気がついたら、ある病院にいた。すぐさま職場に午前休暇をもらえるように交渉した。
──診断結果は、過労と低血糖。
「働きすぎです。少し休養をとったほうがいいと思います。 あと朝食は取るように。ますます気持ち悪くなってしまいますよ 」
そんな優しい内科の先生の言葉は頭を通り抜けていって、私はたまった仕事をどう片付けるか考えながら、午前中休んでしまった罪悪感と社会人として体調管理ができていないことを痛感して、ますます苦しくなっていっただけだった。
この頃には精神的な苦痛から、身体に異常をきたしていたのに、身体の異変に気がついていながらも、仕事のことしか考えられない自分がいた。
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