第130話 解決する問題と深まる問題


途中、テーマパークの開園に力を注ぎつつも、遠征を繰り返して半年がかりで素材を集めて騎士団と兵士団を再編成した。


装備も完成し、


ワイバーン騎士団は十五名に増員し、装備も〈金剛亀〉の甲羅の粉末を混ぜて鍛え上げた、〈金剛魔銀の軽鎧〉と、グリーンドラゴンの皮で作った〈龍革の服〉にバージョンアップさせた。


各員にドラゴンの牙を使った〈耐久〉・〈切れ味〉の付与付きのミスリルの剣を持たせ、ワイバーンの鞍も防御力に特化した地竜革の物にかえた。


魔法騎士団は十名に増員し、

〈龍革の服〉に〈龍革のフードマント〉と〈金剛魔銀の胸当て〉に〈金剛亀のライトシールド〉も追加し、ドラゴンの角の素材を使った杖には〈魔力向上〉と〈魔力吸収〉を付与してもらった。



そして、隠密騎士団は、エクストラポーションで現場復帰した二人を加えて総勢九名に増員した。


〈金剛魔銀の鎖かたびら〉にミヤ子の粉で柔らかく仕上がったドラゴンの革を漆黒に染めて作った〈龍革の忍び装束〉で防御力を上げて、

ドラゴンの爪を使った忍者刀には〈耐久力〉と〈麻痺攻撃〉を付与してある。

あと、全員に新たに〈コブン〉の子供達とも契約してもらいバリアーを盾の様に使える様にした。


フルアーマー隠密騎士団はバリアーの盾とアゲハの翼、それとガタ郎の子供も右手に装着すれば、鉤爪として殴れる上に、発射して〈チョンパ〉攻撃も出来る…隠れる必要が無いぐらいにゴリゴリの攻撃力と防御力を手に入れた集団になった。


『これで、手足を奪われる心配が減る!』



そして、新たにバトルホース騎士団十二名

リーダーとサブリーダーはワイバーン騎士団と同じ装備で、以下十名はワイバーン騎士団のお下がりを手直しした装備に全員にグリーンドラゴンの牙を使ったミスリルコーティングの槍を標準装備とし、槍には〈ストーンバレット〉の魔法を付与してあり宝珠も一つ埋め込んであるので、何発かは魔力を使わずに石の弾丸で遠距離攻撃も可能になり、馬に馬鎧を着せれば敵陣に突っ込んでも怖くない特攻隊の完成となる。


騎士団は兵士団から増員し四十六名となり、兵士団は、残りの四名を第一と第二の兵士団の団長と副団長に任命して、兵士は八十名を募集して新たに編成した。


もう、ついでなので、魔王国からも魔族のやる気の有る者を集めて鍛えて、遠征で集めすぎた素材を使い、簡易の魔王軍も編成したので魔の森での暮らしも少しは楽になるだろう…


ファミリー牧場と狩りパークのオープンセレモニーに合わせて、ワイバーン部隊の編隊飛行を披露したら住民はかなり喜んでくれたが、ご招待したカーベイル国王は、


「あれが、岩を落としてまわるワイバーン部隊か…戦場の布陣や兵法も有ったものではないな…」


と統率のとれた動きに少し引いていた。


装備を新しくして更に強くなった事を伝えると、


カーベイル様は、


「ポルタ君…独立して王国作るときは、一声かけてね!?すぐに認めるから…独立戦争とか絶対止めてよ…フェルド王国が潰れるから!

ホントにすぐに建国認めるから絶対だよ…」


と真剣な目で訴えられた。


「帝都の誰かさんにならいざ知らず、恩のあるカーベイル様に軍を差し向ける事はしませんよ」


と俺が答えると、


「可哀想だからアルフリードの奴にも止めてあげてくれ…」


と頭を下げられた。


『ケチンボ皇帝陛下め…』


と、いまだに少し思わなくもないが、エクストラポーションの恩も追加されたカーベイル様の頼みだから仕方ない、


『けっ…命拾いしたな!…でも、お腹でも壊していっぺんチビれば良いのに…』


と、遠い空の下に居るであろう皇帝陛下に向けて、少し負の念を送っておいたのだった。


そして、俺は何ヵ月にも渡り棚上げにしていた問題にとりかかる事にする。


そう、婚礼の準備だ。


…しかし、微妙に引っ掛かる第2夫人も問題もあるのだが、正直、シシリーさんだけに集中してしっかり向き合いたいし、皇帝陛下の様にベッドに並べて端から順番とか俺は信じられない…


シシリーさんと、ルルさんに、シェラを館の食堂に呼び出して、お茶しながら話し合いをもったのだが、


『何故か3対1の構図に成っている…』


まず、シシリーさんと結婚したい俺と、


いっその事なら三人一緒が良いとの女性チーム…


『いや、なぜ全員と結婚はすることになっているのかが、まず分からない…』


しかし、シシリーさんに話を聞けば帝都にいる間に、


「皇帝陛下や奥さま方に、勇者の末裔の血筋は強い武器になるから、次世代の事も考えて奥さんも複数娶らせて、いっぱい産みなさい…」


と、言われたらしい。


『奥さま方も要らんこと吹き込むなや!』


と、奥様達仕掛けられた地雷が今頃爆発したらしい。


『妻の罰は旦那の罰だ!お腹壊したまま花粉症にでもなってしまえばいいんだ…』


と、再び皇帝陛下宛に負の念を送る俺だった。


その後、意味不明なアピールタイムで、


「私は、救いだされた」


だの


「アタシだって父上と村人全員助けられた」


とか


「私が一番長く好きだし、蜘蛛の魔物から助けてもらった」


などと、三人であーでもない、こーでもないと会議をした結果


引き分けドローという意見になり、全員優勝となったらしい。


『んなアホな…俺の意見わい?!』


と、難色を示した俺にシシリーさんが、


「仕方ありません…本日は一旦終了として、シェラさんのお姉さんのメリザさんも合わせて後日五人で話しましょう!」


と、更にカオスな提案をされた…


しかし、早く結婚しないと面倒なお見合い話が殺到しているらしいし…

かといって、けしからんボディーの頑張り屋のルルさんは良いとして…


妹なんよなぁ~…う~ん…と悩む俺だった。

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