第128話 遠征の前の里帰り
素材を求めて騎士団達と遠征で各地を巡る前にクレストの街に行き、冒険者ギルドでアゼルとメリザに指名依頼で今回もミスリルの納品クエストを依頼する。
ついでに、冒険者ギルド職員さんにお茶菓子とエイムズさんに酒を一本届けておいた。
エイムズさんには、だいぶ恨み節を聞かされたが、
「ポルタの街に主要メンバーを奪われたが、そのかわりアゼルとメリザに仕事を回してウチも助かっているから許してやる…」
と、言っていたので安心した俺は、それから転移で拠点にもどり色々報告したのだか、
〈自称魔王と戦争して、〉
〈マジ魔王と婚約して、〉
〈伯爵に陞爵して、〉…と、説明することが沢山有ってノーラさんは、
「えっ、ちょっ、情報量が多い?!」
と困惑された。
カブトムシ勇者ポルタの本を子供組の最年少ダミアンに渡すと、
「ポル兄ぃ、俺もう八歳だぜ…」
と言われてしまい…子供の成長は早い…と痛感した。
知らない間に子供組も成長し、
13に成った弟の〈トム〉は大工のネルソンさんに弟子入りし、
12の〈ミミ〉はお裁縫に目覚め、服屋さんのオープンを目指しているらしい…
「お兄ちゃんが店持たしてやるけぇ~のぉ~」
と、提案したら、
「私の力だけで頑張る!」
と言っていた。
『嬉しい…、兄弟達が立派になっている…』
と嬉しいやら、あまり頼られなくなり少し寂しいやら複雑な気持ちの俺は、ダミアンの一つ上兄である〈ポロ〉は、オーガ村のゴルグさんに弟子入りして、いずれはどこかの国の騎士団に入りたいと日々鍛錬していると聞いて、
「ポロぉ、将来お兄ちゃんとこの騎士団にくるか?」
と誘うと、
「自分はコネとか使いたくないので、遠慮しておきます。」
とキッパリ断られた…
『あれって、自分の力を試したいだけだよね?…きっと、お兄ちゃんがキライな訳じゃ…無いよね?!…』
と、少し不安になるが 将来店を持ったり旅に出たりするかもしれない兄弟の為に、もしもの時用のお金をノーラさんにそっと託して帰ろうとすると、子供組の一番上の姉であるシェラが大きなカバンを背負って俺にしがみつき、
「一緒に行く!」
と言い出した。
卵農家は大工のネルソンさんの奥さまのアマンダさんとオーガの子供達に任せて、鬼娘のルルさんみたいなポジションで俺の近くに居たいらしい。
シェラはノーラ母さんに、
「絶対第三夫人になってくる!!」
と誓っていたが…
〈まだ、第一婦人も仮の状態なのですが…〉
と、複雑な気分で妹を見ていた。
血は繋がってないけど、俺的にはオシメを替えた事が有る妹なんだよなぁシェラは…
お兄ちゃん大好きなのは嬉しいし、目に実際入れても痛いが我慢出来るくらい可愛い妹ではある…
愛して居ると言っても過言ではない!
のだが…
しかし、シェラの中ではルルさんは既に第2夫人枠なんだぁ…
という事だけは解った俺だった。
という事で、とりあえず本人の強い希望なのでヨルド連れて帰ってきたのだが…
まぁ~、シシリーさんと、ルルさんと、シェラが気が合うみたいで仲が良いこと、良いこと…
安心して遠征に行けるが、一周回ってシシリーさんが完璧に〈俺要らず〉で楽しい毎日をエンジョイして捨てられないか心配になる…
まぁ、考えていても仕方ないので三人の事は一旦棚上げにして素材集め遠征に出発したのだが魔王軍とガチでやり合った騎士団員は度胸も力量も上がり、
しかも、皇帝陛下からもらった褒賞金の分け前と貯金を使い、みんなスキルスクロール等を自前で購入したらしく一段と強くなっていた。
固有スキル付きの武器等を揃える猛者もいるし、目的の魔物を討伐する前にかなりの素材が手に入りそうだ…
予備の武器や防具も作れるから良いのだが、
「ボーナスやお給料は自分の為に使って良いけど、将来の為に残しとかなくて良いの?」
と俺が聞くとアベル騎士団長は、
「騎士団にいる間は衣食住の心配は無いし、騎士団で使い物にならなくなったら、アイテムボックスとテイマースキルで運送屋にでもなるので問題なしです。
主より先に結婚するのも悪いというのを言い訳にしている間は家庭も持つ心配も無いので、貯金が無くても大丈夫です」
と笑っていた。
皆…この素材集めが終われば、俺の婚礼準備が始まるぞ…先ずはアベル団長から家庭を持って貰わないと…って、アベル団長はバツイチだったような…
どうしようかな?再婚をオススメするのも…あれかな?
まぁ、今は遠征に集中しよう!
狙うはアサシンバイパーという索敵にかかりにくい大型の蛇の皮と、金剛亀という魔法も物理も殆ど効かない甲羅を持つ亀の甲羅と、
あとは、アダマンタイトというクソ硬くてクソ重たい金属で〈金剛亀〉の甲羅を削るヤスリを作るらしいので、色々な国に出向き希少金属を購入してまわる。
『ドラゴン皮ももう少し欲しい…』
なんなら隊長格の装備は、ペアさんに依頼して付与をお願いしても良いかもしれない…
あと、転移スキルを使った遠征用に超大容量の魔力タンクを作って貰いたい…遠征の度にポーション腹でチャップンチャップンするのは辛いから…
などと、欲を言い出したらキリがないな…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます