第16話016「接触」
こんばんにゃ。
何か、ノリで投稿しました。
シクヨロ。
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「やあ、新屋敷ソラくん⋯⋯だっけ?」
「!」
朝、ホームルーム前。登校して席に着いた瞬間、『竜ヶ崎真司』に声をかけられた。
「ああ、新屋敷ソラだ」
「僕のことは知っている?」
「竜ヶ崎真司⋯⋯」
「知ってるんだ、僕のこと! 光栄だな〜」
「⋯⋯⋯⋯」
と、爽やかな笑顔を向け、人懐っこい仕草で話しかけてきた竜ヶ崎。
唐沢から話を聞いていなければ、俺はこの『爽やかスマイル』に騙されていたことだろう。
「そんな⋯⋯竜ヶ崎のような有名人なら誰だって知ってるよ。だって、君は『高校生
「あ! 本当に知っててくれてたんだ! ありがとう、嬉しいよ!」
竜ヶ崎はそう言って人懐っこい笑顔を向ける。⋯⋯しかし、やはり少しうさんくささを感じる。
「で?」
「で?」
「いや⋯⋯俺に何か用事があるのかなって。だから話しかけたのでは?」
「え? あ、ああ⋯⋯そうそう! 用事! そう、用事があったんだよ〜⋯⋯⋯⋯」
「?」
そう言って、竜ヶ崎は笑いながら俺の耳元に顔を近づけた。
(僕、知ってるよ? 君も
(っ!!!!!)
そう言うと、竜ヶ崎は耳元から顔を離してニカッと笑う。
「なぜ⋯⋯」
「ああ、僕の父がね⋯⋯あ、僕の親が経営している会社内で最近大きなニュースがあってさ。それが何かと聞いたら『この地区からまた一人、高校生
「なるほど」
「でも、ビックリしたよ。まさか『高校生
「⋯⋯まあ、竜ヶ崎くんほどの実力はないから『高校生
「そうかい! ありがとう!」
俺は竜ヶ崎が喜びそうな言葉を並べた。こいつを敵に回すのはやっかいだと感じたからだ。
「俺は『高校生
俺は、そう言って『話はこれまで』というつもりで立ち去ろうとした。しかし、
ガシ!
「そうだ、新屋敷くん! 今日のランチ一緒に食べようじゃないか!」
「は?」
「僕がこれまで培ったダンジョンの情報とか
「え、えーと⋯⋯」
それは悪い話じゃないな。情報をもらえるのはありがたい。
「わ、わかった。じゃあ、今日のお昼、参加します」
「よし、決まりね!」
********************
——お昼休み
俺はいつもの『お昼ルーティン』で屋上に行こうとした。すると、
「やー、新屋敷くん!」
「竜ヶ崎」
「さあ、こっちへ!」
「⋯⋯⋯⋯」
俺は竜ヶ崎に言われるがまま、竜ヶ崎とその取り巻きのいる席に座らされた。
「新屋敷くん、聞いたよー。君も高校生
「!」
俺は「どうしてしゃべったんだ?!」と竜ヶ崎の顔を見た。すると、
「ごめーん、新屋敷くん! でも、大丈夫! 何も恥じることじゃないよ! 高校生
「⋯⋯いやでも」
「いやーそうだぜ、新屋敷! 高校生
竜ヶ崎の隣にいたチンピラっぽい奴が
「⋯⋯俺はまだF級だからそんな大したことはない」
「あれ? そうなの? ていうか、F級? それって底辺
「⋯⋯⋯⋯」
そのチンピラは、まーわかりやすく俺を煽ってきた。すると、
「ええー! そうなのー? リュウちゃんはもうC級
「⋯⋯⋯⋯」
今度はそのチンピラの横にいたバカっぽい女子⋯⋯『バカぽ女子』が、アホ喋りでそんなことを言って煽ってきた。その時、
「おい、やめろ。ちぃちゃん!」
竜ヶ崎が止めに入ってきた。⋯⋯⋯⋯今頃。
「だって〜、リュウちゃんが
とりあえず、この『バカぽ女子』に「新屋敷っちって言いにくくないですか? ソラっちでいいですよ?」と言ってあげたい。まーそれくらい、俺にはバカぽ女子やあのチンピラの煽りは何も響かなかった。
なぜなら、竜ヶ崎を含めた三人の『茶番』があまりにもしょーもないくらいわかりやす過ぎたからだ。しかし、竜ヶ崎もチンピラもバカポ女子もそんな『茶番』に俺が気づいていないと思っているのか、まだ話を続けている。
「そ、そんなことないって!? 高校生
「ええ〜? それってつまり、リュウちゃんは一流で新屋敷っちはそうじゃないってことぉ〜?」
「い、いや、そんなことは⋯⋯」
「ヒャハハハ! おいおい、ちぃ! そんなはっきりと『実力差』のこと言うんじゃねーよー!」
「だって、そうじゃーん」
「お前ら、もういいかげんにしろ! ごめん、新屋敷くん⋯⋯」
「⋯⋯はあ」
「こいつらも、別に悪気があったわけじゃないんだ」
「そうそう! 悪気なんてこれっぽっちもないぜ! だから、気にすんな!」
「うん。あーしも悪気なんてないよー。何か嫌な思いさせちゃったらゴメンね〜」
「ああ、問題ない」
とりあえず『茶番』は終わったようだ。竜ヶ崎はまだ俺がこの茶番に気づいていないと思っているのか、「それじゃ。約束があるんで」と俺が席を立った瞬間、
これを見て「なるほど、唐沢の言っていたことは事実だったんだな」と、俺ははっきりと確信した。
は〜⋯⋯実にしょーもない時間だった。
それにしても、そこまで俺に対してマウントを取りたいと思っていたとは⋯⋯。
「唐沢の言う通り、かなり面倒くさい奴ってことはよ〜くわかった。
そう、心に決めた俺でした。まる。
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