第14話014「褐色ビキニアーマーパイセン」
「さて、そんなわけだが⋯⋯」
土曜日——今日は学校は休みだったので、朝7時に起きてダンジョンへ向かう準備をした。
ちなみに、俺が
というのも『高校生
「お前、あまり『高校生
と、忠告されたので、今でも家族には沈黙を守り続けている。
一応、唐沢に会う前に『
あの時の俺、グッジョブ!
「そんなことはどうでもいいのだが⋯⋯」
で、俺は今いろいろと考えていたことがあった。それは唐沢が言っていた『先輩に付き添ってダンジョン探索をする』という『帯同』についてだ。
「『人見知りん
と、さっきから自分に勇気を奮い立たそうとするも、すぐに『メンタル下方修正』の自分がその決意をグシャッと踏みにじるという脳内ループを繰り返していた。
ああ⋯⋯俺って
********************
ソラは「まずは現場にいくか」ということで、とりあえずギルドへと足を運んだ。現場に行けば「声をかける勇気が出るかも」と思ったからである。
「おはようございます」
そう言って、俺は
ちなみに、
最初、「この項目の中の『口座』ってなんだろう?」と思っていたのだが、実はこれ、文字通り『銀行口座』のことで、これは『ギルドが管理している銀行口座』のことを意味する。ダンジョンで得た魔石や素材、アイテムなどをギルドで売るとこの講座に報酬が振り込まれるようになっている。
このカード⋯⋯『身分証』だけでなく『お金の出し入れ』もできる優れものなのだ。
ちなみに正式名称は『
「あ、おはよう、ソラ君。今日は早いね!」
「休みなんで」
「そっか。学生くんだったね。あ、そういえば先日ここに
「え? 美少女?」
おだやかじゃないワードにピクリと反応するソラ。
「いや〜、ソラ君も隅に置けないな〜」
「誰ですか?」
「あれ? その子から聞いてない? だって友達なんでしょ?」
「ん? 友達なんて
「⋯⋯え?」
「あ、でも今は一人友達ができましたねぇ。⋯⋯男ですが」
「⋯⋯⋯⋯」
ソラが淡々とした口調で『友達がいない』ということをさしたる問題でもないかのように話すのを見た窓口のお姉さん『
「⋯⋯ソラ君、私は何があっても君の味方だからね!」
「え?」
「何かあったらお姉さんをいつでも頼っていいからね!」
「は、はあ⋯⋯」
「強く生きるんだよ!」
「うっ! は、はい⋯⋯?」
そう言って、ソラは琴音に力強く背中を叩かれた。
********************
「何? 帯同? 間に合ってるよ」
「帯同? 君と? ハハハ、今はそんな気分じゃないかな。失礼する」
琴音と別れたあと、ソラは勇気を出して『先輩
ソラは『人見知り』という
「や、やはり⋯⋯厳しい⋯⋯」
ソラは早くも現実の壁にぶち当たり、打ちのめされ、結果ギルドの角の方で一人落ち込み座り込んでいた。すると、
「ねぇ君、もしかして『高校生
「えっ!?」
声のほうに顔を上げると、そこには褐色肌でボーイッシュな黒髪の女性
ビ、ビキニアーマーっ!!
機動力且つ、肌面積が広いことで有名な⋯⋯⋯⋯つまり『えちえち』なアレである。
「君が『高校生
「⋯⋯はい(ビ、ビキニアーマーだ!)」
「おお! ラッキー! 初めてみたよ、高校生
「⋯⋯16です(ビ、ビキニアーマーだ!)」
「えっ! てことは⋯⋯⋯⋯高校一年生?!」
「⋯⋯そうです(ビ、ビキニアーマーだ!)」
「嘘でしょ! すごいね、君! 16歳で
「⋯⋯さ、さあ、どうでしょう(ビ、ビキニアーマーだ!)」
「将来有望」⋯⋯か。まー現時点では俺よりも『竜ヶ崎』のほうが圧倒的に上だがな。あと、ビキニアーマーで頭がいっぱいだ。
「で? どうしてそんなところで激落ち込みしてんの?」
「実は⋯⋯」
と、ここで『褐色ビキニアーマーパイセン』に事情を説明した。
「なーんだ、そんなこと? なら、私に帯同していいわよ!」
「! ほ、本当⋯⋯ですか?!」
「もちろん! 将来有望な君には今のうちから『媚び』を売らせてもらうよ、デュフフ⋯⋯」
「⋯⋯⋯⋯」
なんか、一瞬『おっさん』に見えた。
幻滅! 幻滅です! 褐色ビキニアーマーパイセン!
「ウチらはD級
「えっ!? 20〜22階層で活動っ!? D級
「ふふん、まあね。私たちはランク的には『D級
と、ドヤ顔で胸を張る。
そして、胸がプルンと揺れる。
(こ、こいつ⋯⋯動くぞっ!?)
「⋯⋯君、今なんかいやらしいこと考えていなかったかい?」
「ソンナコトナイデス」
「⋯⋯⋯⋯」
「⋯⋯⋯⋯」
「⋯⋯ま、いっか。で、どうだい、
「はい。ぜひ、お願いします!」
「よっし、決まりだ! 私はエリン。この
「新屋敷ソラ⋯⋯です」
そう言って、俺はエリンと握手を交わした。
交渉成立である。
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