第7話007「高校生探索者の誕生」
※一部加筆修正しました。
加筆内容は「魔法とスキル獲得の実践講座の際、魔法書とスキル書を読んだ」という部分です。書き忘れていたのを思い出したので書き足しました。
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現在、資格講座は試験最終日に来ており、俺の出番は最後だった。
一日目——
二日目——ここで魔法とスキルの出し方を教わった。まず魔法というのは体内の魔力を使って魔法を発動させるらしいのだが、この『魔力を作る』というのに皆、苦戦していた。
「魔法を発動したい右手に魔力を集めるイメージをするんだ!」
講師の沢渡さんが最初魔法とスキルのデモンストレーションを披露し、その後一人一人に細かく指導してくれた。しかし、皆なかなかうまく発動できないでいた。
ちなみに、魔法やスキルの獲得方法は『魔法書』や『スキル書』というものをパラパラっと一通り読み、その後、その読んだ魔法書やスキル書の内容を頭にイメージして発動できれば『獲得』となり、ステータス画面の魔法やスキルの項目に『魔法名』『スキル名』が追加される。
なので、皆で『魔法とスキルの書』を回しながら一度読み込んだ。回し読みができるってことは、つまり一冊あれば手に入るのかと、俺はその『手軽さ』にちょっと驚いた。
ただ、話を聞くとそれは初級の魔法やスキル書くらいで、中級・上級・特級の魔法やスキルではそういうことはないとのこと。ですよねー。
さて、そんな講師の話を思い出していると、
「で、できた!」
魔法を発動できた者が現れた。『運動神経良さげ系20代』の一人だ。
「いいぞ! では、次に『身体強化』のスキルを発動してみろ! スキル発動にも『魔力』が必要となる。スキル発動の場合は、発動するイメージを持ちながら体全体に魔力を行き渡らすんだ! やってみろ!」
しかし『運動神経良さげ系20代』は、このスキル発動がうまくいかなかった。
「いいか! 見ての通り、スキル発動は魔法発動よりも難しい。しかし、一度スキル発動のコツを覚えれば魔法よりもスキル発動のほうが簡単になる。しかし、今はそのコツを身につけることが大事だから、魔法発動からまずはやってみろ!」
そう言って、講師が檄を飛ばすと皆、魔法発動を始めた。
そんな中、一人の参加者が大声で講師を呼んだ。
「魔法とスキル、両方できました!」
それは、もう一人の『運動神経良さげ系大学生男子』だった。しかも⋯⋯⋯⋯イケメン(チッ)!
講師の沢渡さんがその大学生のところに行き、再度魔法とスキルを発動させ確認する。
「ファイヤバレット!」
大学生がそう叫ぶと、手のひらから火の玉が4〜5個ほど出て、目標となる『コンクリートの的』へ着弾。⋯⋯すごい、本当に魔法だ。
「身体強化!」
そして、次はスキル『身体強化』を発動。するとプロのスポーツ選手のような素早い動きやジャンプ力、またプロボクサーや格闘技選手のようなパンチやキックなどを見せた。
「うむ! 合格だ!」
「ありがとうございます!」
彼は最終試験を受けることなく、その場で合格となった。
どうやら、この資格講座では二日目のこの実践授業で『魔法』『スキル』両方発動できれば、その場で合格をもらえるとのこと。実際、二日目に合格をもらえるのは結構多いらしく、話によると講座を受ける前に知り合いに
これは別にズルということではなく、そもそもこの講座自体、何度も受けられるので一度受講すれば発動のやり方は教わるのであとは自己学習をして、発動できたら再度講座を受けにくるそうだ。
ただし、そういう人は初日の講座は受けるが二日目からは皆と一緒に講座は受けず、直接別のギルド関係者に魔法・スキルの発動確認をしてもらい、すぐにF級
ちなみに、今回のような講座中に発動した者というのは、単純にこの講座で授業を受けた『きっかけ』にすぐに発動したということらしい。こういうのは結構稀なようだ。
実際、この大学生以外に二日目に魔法もスキルも発動できる者はいなかった。
え? 俺はどうだったのかって?
それはすぐにわかる。
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「では、これで最後だな。⋯⋯⋯⋯新屋敷ソラ!」
「はい!」
いよいよ俺の番が来た。
「はじめっ!」
結果は⋯⋯⋯⋯⋯⋯合格だった。
というか、『魔法』も『スキル』も二日目の時点で発動ができていた。つまり、俺の予想どおり二日目の実践授業で講師が見せたデモンストレーションと解説だけですぐに魔法もスキルも獲得できていたのだ。それはつまり、
「よし!『
俺はその事実にあまりに感激し、ギルドの入口で思わず大声を上げると周囲の
自宅に戻ると、すぐに部屋へ入った俺は『
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名前:新屋敷ソラ
レベル:1
魔法:<初級>ファイヤバレット
スキル:<初級>身体強化
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「はは、本当に魔法とスキルが追記されてる。すごい⋯⋯」
俺の能力が魔法とスキル獲得にも活かせるとわかって嬉しかったのはもちろんだが、しかしこの時の俺はまだ自称神様からもらった『
あと、もう一つ——高校生の俺が『
そんな、何も知らないことだらけの『高校生
プロローグ 完
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