MAGIC・8 志木島所長の失踪

前章のあらすじ

美夜子と早苗が戦っている。

激しい殴り合いである。

死闘である。

ホログラムゲーム機の格闘ゲームである。

勝者は早苗。

他にもレースゲームやカラオケなどで勝負をする二人だが、これも勝つのはことごとく早苗だ。

美夜子はマイクでハウリングを起こしてしまったり、酷いものである。


早苗は、めかまじょということを隠してただの女子高生として研究所に遊びに来ていたのであるが、財団特派員のイリーナには気付かれてしまう。バレたついでにと早苗はディアナ・レジーナ財団についてイリーナに尋ねるが、のらくらかわされるばかりだった。


再びゲーム勝負に戻る美夜子と早苗。

その頃、どこか別の場所では……

暗い部屋で、白銀の鎧を着た少女が男たちと戦っている。

武装した男たちを、少女は難なく倒してしまう。

ガラスの向こうから戦いの様子を見ていた老人が少女へと話し掛けると、暗い部屋の中央にホログラムが浮かぶ。

それは全身真っ赤な金属の、栗色髪の少女である。


「それが、めかまじょです。あなたのお姉ちゃんを奪った憎い、憎い存在。悪魔の味方であり、そして……あなたの敵です」」


白銀の鎧を着た少女は、鋭い後ろ回し蹴りでホログラムを打ち抜いた。




元原悦子が突撃レポートしている事件現場。

西大宮公害研究センターに、過激派が金目当てに人質をとり立てこもっている。


警部補との作戦会議の場に早苗がいることに驚く美夜子。

財団の要請で、彼女にも手伝ってもらうことになったのである。

強行論を主張する早苗であるがあっさり却下されて、めかまじょ二人は二手に別れてこっそり潜入する作戦を開始する。


簡単に見つかってしまう早苗であるが、たたでは起きず社員の娘のふりをして人質のところまで行くことに成功する。

だがここで社員と無関係がバレてしまい、過激派の野獣たちに乙女のあれこれピンチになったものだから急遽めかまじょ変身。


銃弾雨あられの中、精霊魔法の障壁を拡げて早苗は人質たちを守る。だが、朝からなにも食べていないものだから、見る見るうちに障壁は小さくなってしまう。


あかんもう駄目や、というところに美夜子が駆け付け変身し、あっという間にやっつけてしまう。


逃げた二人を美夜子は追う。

そこへゼログラが突っ込んでくるが、後を追ってきた早苗のロケットパンチで撃墜。

残る一人も美夜子がやっつけ、こうして犯人はすべて御用になった。


手助けがなくとも実は問題はなかったのだが、助けようとしてくれたのは事実であり、美夜子は素直に感謝し手を差し出して礼をいう。

早苗も、恥ずかしそうな顔をしながらも手を握り、無邪気に笑った。


最強最高の名コンビ誕生の瞬間であった。

迷コンビ、かな?

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