04 ある手記にて

 それは国内線としては過去最悪の、航空機による事故であった。


 札幌から東京へと向かっていた301便が、山形県のしらたかやまに墜落したのである。


 管制塔と副機長とのやりとりからすると、エンジン系の障害が発端だ。

 本来ならば自動制御が最適解の動作を選ぶはずが、この時代に信じられないことだが働かなかった。

 機長はやむなく手動操縦へと切り替えたのであるが、高度計を読み間違えたか強烈な南西風に機体が押され、そこへ個人所有の飛行機とニアミス。完全に制御を失って、事は起きたのである。


 乗客数424人。

 機体は完全大破。

 真っ二つどころか粉々であり、生存者のいること絶望的な状況であった。

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