『死粉の術』


トゥールスチャー』による『食事』まであと2日。



不死身の身体を利用して、恐ろしい速度で周辺国を侵攻していた『ラストバタリオン』だったが、突如異変が起きる。

身体の腐敗と疲労により、その身が滅び始めたのだ。

それは、指導者である不死身の総統ヒトラー自身も例外ではなかった。


フリーメイソンの上層部と連絡を取ろうとしていたヒトラーは、既に彼等は勢いを失い、解体され、名ばかりの残党の衆だということを知る。

フリーメイソンが権力を失ったと知ったヒトラーの手に残っている駒は、過激派ネオナチ派閥、滅びかけの『ラストバタリオン』、『KKK』からの援助が減衰した『第九次遠征十字軍』、そして腐りゆく肉体のみであり、例え世界大戦に勝つことが出来たとしても、その後の世界のビジョンが想像出来ず、絶望する。

勢力の減衰に耐えられず瓦解する未来が、ヒトラーには見えていたのだ。


そこで彼は、第三次世界大戦が収束した後も自身だけは生き永らえて次の大戦の指揮をとるため、ブードゥー教の不死身の呪術『死粉の術クー・プードゥル』を完全なものに昇華させようと、独自の研究を開始する。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る