第4話 貯蓄から投資へ、って誰のためだよ!
所得倍増計画だそうである。
それにしても、なんとも頼りなげな政策ではある。
人々が貯蓄して投資しないのは、成長率の低い日本では、なかなか株価が上がらなかったからで、上がったとしても不安定極まりない動きをしてたからだ。今は確かに株高かもしれないが、十年前にそれ買ったか?わたしは買わないよ、だって失われた三十年、企業の業績なんてどうなるかわからないじゃない。じゃあ、今から外国投信でもはじめようったって、米国は来年リセッション(景気後退)になることがほぼ確実視されている。※多くの経済学者が予測したとおりにはならず、リセッションは起きなかった。FRBは優秀である、といっていい(2024.7.15)。
なぜなら、利上げが続く観測で、あたりまえだが住宅ローンだってなんだって利率が上がるわけで、消費抑制効果があるからだ。インフレを抑え込むには米国にはそれしか手段がない。コロナ時に様々な景気刺激策を発動したおかげで、消費熱が活発になっているのに、供給が追い付いていない状況だからだ。だから、円安は当分続くし、米国株なんておいそれと買うわけにはいかないのである。
米国は利上げが最善策だが、イギリスなんてEU離脱と資源高で、もうどうしようもなくなっちゃっている。なにしろ今まで大陸と関税なしで取引できたから供給も順調だった。でもそうはいかなくなった。しょうがないから、減税したらロシアのガスがないのにカネの流通量が増えちゃって、またインフレである。じゃあ、金融引き締めを続けるかっていうと今度は景気後退が待っている。どうみたって、スタグフレーションだ。誰が首相になろうと、今のイギリスはとっても難しい状況なのだ。
じゃあ、今は比較的に安定な日本市場で日本の投信でも買うとしよう。
こいつらが、またどうしようもないインチキ連中のカタマリで一体、日本の投資信託を設計したやつはどんな阿呆なのか、はたまた経済オンチなのか、あるいは悪意に満ちてるのか、いろんな罠があるわけだよ。
たとえばだよ、アクティブファンドなんていうのがある。これは、投信の専門家「とやら」、が有望な株を見つけては顧客からカネを預かって運用するというものである。わたしが「とやら」という場合には、ちっとも専門家だとはおもってないってことは、ご理解いただきたい。
それでもって、アクティブファンドは、手間がかかるというので、利息が2パーセント/年もかかるわけだ(モノによるけど)。でもって、日経株価の平均に対してよい結果を出してるかというとまるでそうじゃないのである。だったら、貯蓄したほうがまだましだ。少なくとも手数料は取られない。元本だって保証される。
とある、ネット証券が「投資のソムリエ」が選ぶセレクティブファンドです、とかいう投信を出した。選りすぐりのソムリエたちが株を吟味して買うというわけだ。で、だまされたわたしは買った。
そうしたら、みごとにどんどんと価格が下がってくわけである。どんなソムリエだよ、そいつらは。腐ったワイン飲まして「これが本当の貴腐ワインです」とか平気でいうのかよ。そんなソムリエにはレアメタル鉱山の下水でもワインのかわりに飲ましてやりたい。レアメタルは高価だが、採取と分離には実に有害極まりない溶液が使われてるからね、日本じゃあ今はほぼやらないが。
あと、悪質だと思うのは月々配当型とかいうやつである。どうもおかしいな、とグラフを見ると、配当するたびに総資産が減ってくわけだ。ようするに、新しく投信を買った人のカネをそのまんま配当に回してるだけなのである。
まったくもって、腹が立つ。タコが自分の足食ってるのはかわいそうだが、この投信の配当を続けるやつらは悪人である。そのうち、基準価額が下がってくると、投信解散となり、すっかり減った残金を投資者に返すわけだ。まるでネズミ講じゃあないか。ネズミ講は犯罪になるが、こいつらは犯罪にもならずに、性懲りもなく新たな商品を作ってる。
もう、投信会社の商品はほとんどはそんなのばかりで、だったら自分で株を買った方がまだましではあるが、たいていの日本人はそんな教育も受けてはいないし、いままで貯蓄しろと散々に言われて育ってきたのである。なんで、貯蓄が必要だったかというと企業が巨大な投資をするときは、銀行から借金してたからだ。株による儲けがなくても、庶民は銀行が付与する預金利子が十分に得られるからそれでもよかったのである。
いまどうやって大銀行がカネかせいでるかというと、こういう投信を売ったり、日本国債を買ったりしてるのである。個人につく銀行利子なんざ、国債の利子より低いわけで、いったいこんな商売許されるのであろうか。おまけに、借り手の企業は自分で資金を調達するようになってしまって借金してくれやしない。要するに大銀行は人の銭でただ飯食ってるのである。
なので、中途半端な立場の地銀はのきなみヤバイと言われてる。以外にしぶといのが、信用金庫とかで、地方都市や田舎で投資に困ってる零細実業家とか見つけ出しては小銭を稼いでる。まあ、まともといっていい。半沢直樹のお父さんだって、プラスチックのねじを作りたいんです、と言ったら信用金庫はカネ貸すと思うよ。まあ、それじゃあ物語にならないから、大銀行から借りたことになってるけどね。
あんまり表立って、こういうことばかり書いてると、目をつけられたらたまったものじゃあないのでこれくらいにする。自分だって自分のことは大切なんだ、ごめんよ。
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