当日...何かがおかしい。
夜闇の中、作業車に乗り込んで資材置き場に向かった。
それはとある児童公園だった。
その公園を埋め尽くすほどにおいてある電線、機械の数々。
それをトラックいっぱいまで詰め込んでその時を待つ。
そして火曜日の午後11時ちょうど。
一本の電話がかかってきた。
行政からだ。
道路の封鎖が終わり、作業開始の合図だった。
それから自分たちはそれぞれの持ち場について作業を開始した。
あるものは電線管に電線を通し、あるものは仮設電柱に分電盤を取り付け、またある者は機器のペアリングをした。
そして試験点灯の時間。
シーケンサーの画面で「All ON」のボタンを押す。
[正常に実行されました]
そう出てくるはずだが...
突然作業灯が消えた。
ヒーターが消えた。
画面は真っ暗になった。
何かがおかしい。
今日のタイムリミットはあと30分。
すかさずブレーカーを見る。
漏電ブレーカーが落ちていた。
順々に確かめていったところ、水中の照明に当たった。
そのまま電源を入れると...
確かに電源は入った。
しかも漏電ブレーカーは落ちない。
だがクランプメーターで測ると、なんと0.6mAも漏れている。
おかしい。
現場に直行。
すると元から用意されていた電線の水中ライト側の被膜が配管ごと引き裂かれていた。
多分どこかのタイミングでやってしまったのだろう。
急いで張り替える。
だが、漏電は収まらない。
まだ残り0.4mA。
明らかにおかしい。
タイムリミットはあと三分。
どうする!
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