The back-end
それまで
私はこの仕事についてはや10年。
先週、ある依頼が届いた。
「町の電飾を担当してほしい。資材、機材は用意してある。」
そのたった一文のメールだった。
「こんな町工場に頼むか...?」
そう思ったが、依頼は依頼だ。
断ることもできるが、行政からのせっかくの依頼。
これはやるしかない。
そして私は6人の同僚全員にその皆を伝えた。
すぐ社長は反応する。
「俺が最後のブレーカー(MCCB)を入れる!!」
そして車庫に向かおうとする。
それをみんなで制止する。
来週ですよ、そう言ったらすぐやめてくれた。
そして詳細な打ち合わせ。
向こうには電飾をまく専門の人がもう電灯を巻いてくれているんだと。
よって自分たちの仕事は仮設分電盤をセットしてライトに制御線と電源を通し、無線で県庁庁舎の一角からモニタリング・操作できるようにすること。
いつもの仕事に比べたらどうってことない。
決行時刻は来週水曜日の午後11時から午前3時まで。
たった四時間で完成させなければならない。
こんな夜に仕事を受け持ったのは初めてだ。
「よぉし、来週水曜日はみんな20時出勤な!絶対成功させるぞっ!」
「「「おぉーっ!!」」」
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