第3話被害者友の会
僕は進学校に駒を進めた。
1年時はフラットだが、2年生から1年の選抜テストで、文理特進クラスに進む事が決まる。
僕は最後の国語の現代文、古典、漢文の総得点が7点足りずに、特進クラスを逃してしまった。
彼女は難なく、特進クラス。これで、カップル間で学力格差が生じた。
しかし、僕はただでは起きない。
部活前の1時間、同士を集め得意教科を教え合う、「被害者友の会」を結成した。
スタートは7人。
全国模試、地理だけ5位のヤツ、世界史は97点の僕、国語のも僕、数学の女子、英語のヤツ。
被害者友の会は、友情と打倒特進クラスを共有して勉学に励んだ。
教室は、社会科室。隣は職員室で僕が板書して、皆がノートに書き込む姿を教師が見て、僕らを応援した。
先生も、僕らに特進クラスを倒して欲しいのだ。
順位20位以内はほぼ、特進クラス。ほぼでは無い、全員特進クラス。
中間テストの答案が返ってくる際、特進クラスに激震が。
怖い国語の教師がこう言ったそうだ。
「今回の国語の総得点の1位は、このクラスの者ではない。2組の羽弦と言う男だ。たるんどりゃせんか!」
特進クラスの生徒はこってり絞られた。
いずみは、ちょっと嬉しかったみたいだ。
その日、僕は2組の国語教師に職員室へ呼ばれた。
「羽弦君。おめでとう。わたしも、鼻が高いわぁ~。期末テストは大丈夫よね?特進クラスにまた、勝ってちょうだい」
「御意。必ずや、再び特進クラスの連中に勝ちます。大船に乗ったつもりで」
と答えた。
期末テスト。
全教科、荒れる事に。勉強は勿論した。被害者友の会でも頑張った。
しかし、古典で67点取ってしまった。中間テストでは、総合順位が11位であったが、今回は、33位。
また、職員室へ呼び出された。
「羽弦君、あれだけ言ったでしょ?頑張ってって」
先生は少しヤツレていた。
半年後、被害者友の会は20人を越えた。頭の良くなる会として、特進クラス以外の頑張りたい生徒が集まったのだ。
そして、2年の選抜テスト。
僕を含め、10人が特進クラスに在籍する事になった。
あの、和田も特進クラス。どこまで、腐れ縁なのか?
こうして、彼女との学力格差は無くなったのである。
変人でも、勉強には人一倍頑張った。ただただ、彼女に良いところ見せるためだけに。
動機は不純であった。
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