編集済
先生、女性のこの心理がよく分からないのですよね。私。
完璧を演じる女性。
心の中はバレなければ良いの美学でもあるのだろうか、自分だけを見て欲しい、愛して欲しいと言うに、自身が人を想うのは勝手らしい。
例えば、一般的に女性は不倫の話は大好物だと言われました。 私には胸糞悪いのですが、女性には解るのだと言う。
心に秘めた想いを墓場まで持って行く?(マディソン郡の橋とか失楽園だとか泣けるらしい)
男性の浮気は本当に浮気が多いですが、女性の場合は本気の場合が多いです。
本音と建前で生きている女性ならではなのでしょうか。
やはり私には解せません。 きっと心が狭いからなのでしょう。 女性が男性の浮気を嫌がるように、私も女性の腹黒さが嫌いです。
例えば日佐留売は夫に自分だけを愛してくれるように約束させて、それを裏切られて怒って泣いてすらいるのに、自身の心の内には別の想い人が居る。これは夫への裏切りには当たらないとでも言うのだろうか? 後ろめたさは感じていないのだろうか? そんな事を敏感に夫が感じ取ってしまったのではないかと思えないのだろうか? 女性ではない私には一向に共感出来る素材がありません。
おそらく女性に対して失礼な話を書いていると思います。 大変申し訳ありません。
先生、こんな私がソレを理解出来る時が来ると思いますか?
もしも、ソレを解く事が出来るのならば、是非にでも教えを請いたいものです。
追記
なるほどなるほど、日佐留売について、とても、とても詳しい解説をありがとうございましたm(_ _)m
非常に腑に落ちる親切この上ない丁寧なお話に感服いたします。
先ず時代も違えば慣習や習わし、なんなら身分すら違うので、現代のソレと比較するものではなかったですね。
それと日佐留売においては、やはり素晴らしい女性だと敬服する思いです。こんな女性がいるのに吾妹子を作る夫の方がむしろ陳腐に思えますね。
以前も書いたと思いますが、私は男性が嫌いです。(男性が嫌いと言うのは語弊もあるのですが、人間が嫌いなわけではありません)男性のこのだらし無さ、無頓着さ、もう愚鈍としか思えないのです。
不倫についてのご意見まで本当に丁寧にありがとうございます。 先生のような方もおられるのだと安心しました。
こんなに自分を曝け出しているなんて今更ながら恥ずかしいですね(笑)しかし、先生なら真っ直ぐな意見が返ってくる安心感があるからだと思います。
私も既婚者です。なので奥さんの話も聞くのですが、身贔屓などがあるのかと思い、参考までの意見としております。
男と女、もしくはソレを超えた愛もあるのでしょう。 本当に人間と言う生き物は面白いですね。
加須千花先生、またゆっくりですが読み進めてまいります。 こちらこそ長文失礼しましたm(_ _)m
作者からの返信
かごのぼっち様
こんにちは。
ようこそ、いらっしゃいませ。
「完璧を演じる女性。」
日佐留売に限っては、違うのですよ。
日佐留売は、とっても美人、名家の生まれ。仕草はしとやか。教養もあり、中身は虎です。(笑)
自分の意見を通し、夫が違うと思ったら論破します。
夫はもともと、日佐留売を見かけ、中身を知らないまま、「なんて美人♡好きだ!」と妻にしました。
結婚して、一緒にいたら……、疲れるのです。
(もちろん、それが全てじゃないけど)
必ず正しい妻。口で勝てない妻。
疲れて……、吾妹子が当たり前の時代ですから、日佐留売には、あなただけだ、と言ったけれど、(乳母として主家で寝泊まりしていて、長いあいだ夜の生活もご無沙汰だったし)浄嶋は吾妹子を作ってしまいます。
日佐留売ほど美人じゃない。
日佐留売ほど教養がない。
浄嶋を論破せず、一緒にいて男が上だと、満足させてくれる女を……。
日佐留売が「悪くて」吾妹子を作ったんじゃない。あえて言えば、日佐留売が非の打ち所がない女、完璧な女であるから、浄嶋が「悪くて」吾妹子をつくってしまった。浄嶋は後ろめたいです。
でもやっぱり、浄嶋は、抜きん出た完璧な美しさを持つ日佐留売が、好きなんです。手放したくはない。一緒にいてほしい。執着しています。
それも、愛の側面です。
日佐留売は、過去、「叶わない恋」をしました。
一度、思いをうちあけ、その相手の胸に飛び込もうとしました。
でも、断られました。
相手のおのこは、日佐留売を「美しい日佐留売」と言い、簪だけを与える、というスマートなフリかたをしました。
日佐留売は名家の生まれ。
母親から(浄嶋と)結婚しろ、と言われて、拒否できません。「あたしは結婚したくないもーん。一人でいます!」現代人なら、そう言えますが、そう言える自由は、日佐留売にはないのです。
家を逃げ出す? いいえ。
自殺でもする? いいえ。
叶わなかった恋に死ぬほど、子供でもないし、簪をくれた男と両思いならともかく、もう、フラレて終わった恋なのです。恋に死ねません。
浄嶋は自分を恋うてくれている。大事にしてくれている。まどろむように、目を閉じるように、日佐留売は夫を受け入れます。
女に、他の選択肢はありません。
日佐留売は、過去、叶わなかった恋を、浄嶋にチラとも言いませんし、気どらせません。夫と建設的な関係を築いていこうとする、賢い妻です。
ただ、悲しい事があると、金の簪をひっそりと眺めます。叶わなかった恋の相手からのフラれ方が、あまりにもスマートで、美しい思い出になってしまったのです。
美しい思い出を思い返すことは、心の慰めです。娯楽の少ない時代ですから。
浄嶋との初夜の日も、簪を見つめました。頭では、浄嶋を夫として受け入れるしかない、とわかっています。しかし数回会っただけの浄嶋を(この時点では)愛してるわけではありません。それでも、身体を捧げなくてはなりません。不安で心細いです。
日佐留売は、ただ簪を見つめ、美しい思い出を思い返し、心を慰めます。
でもここで重要なのは、日佐留売は泣いていません。
逃げ出したい、あたしって可哀想、と泣くのではなく、美しい思い出で心を凍らせて、覚悟を決める手助けとしたかったのです。
「心の中はバレなければ良いの美学でもあるのだろうか、」
いいえ、浄嶋を軽んじているわけではないのです。
ただ、女の心には、秘密の小部屋、秘密の花園があるのです。どうしようもなくそれが存在し、それが日佐留売という女性を形作っているのです。
「自分だけを見て欲しい、愛して欲しいと言うに、自身が人を想うのは勝手らしい。」
日佐留売は、美しい思い出は、心のなかにとどめ、浄嶋と簪をくれた男を比較したりしません。
叶わなかった恋を追いかける行動もおこしません。
なので、浄嶋に対して、堂々としています。
(ただ金の簪がもし見つかると言い訳が苦しいとは思っている。)
(そして日佐留売はいつでも誰にでも堂々としている。)
日佐留売の母親のように、日佐留売はただ一人の女として愛されている。自分は浄嶋に恋われて、妻となったのだ───。だから浄嶋の妻として生きていこう。
そう思って、成り立っていた、日佐留売のなかの浄嶋との関係性、そこが浄嶋が吾妹子を作った事で崩れました。浮気されるのって腹が立ちます。
日佐留売は腹黒くはないのですよ。
ご理解いただけましたか?
「例えば、一般的に女性は不倫の話は大好物だと言われました。 私には胸糞悪いのですが、女性には解るのだと言う。」
う───ん。
う───……ん。
ジャンルとしては、不倫の話が人気のカテゴリなのは、理解しています。
「夫なんか、あたしを家政婦か母親、食事作って世話してくれるひと、としてしか見てくれてないのよ。休みの日にダラダラして寝っ転がってオナラして、中年太りめ。あたしはパートして自分の時間が一日1時間しかなくって、こんなに家事に追われてるのに、あんたは何を見てるの? あたしの何を見てるってのよ、ええ?
……Aさんは違うわ。あたしをうるうるの男の目で見るのよ、あたしが女だって思い出すわ……。」
これもね、普遍のテーマなんですよ。理解できるか、否か、と言われたら、できる、です。
では好みか、と言われたら、否、です。(私は既婚者です。)
休日、寝っ転がってる夫が憎ければケツを蹴飛ばし、あたしは忙しい、時間がないんだ、助けて、手伝って、辛いの! と思いをぶつければ良いんです。今さら、と思っても、夫相手に可愛く化粧すれば良いんです。中年太りが嫌なら、さりげなく指摘し、そして自分の腹を触れば良いんです。自分も腹が中年太りです。指摘は自分にも跳ね返ってきます。
そして夫に抱きつき、時には甘えれば良いのです。おおきな安らぎをくれます。
その夫は、自分が選んだ、ロマンスの末に一緒に人生を歩む事を決めた男なのです。
微笑みかけ、大事にしてあげなければ、人の心は離れていく。夫だからと言って、その関係に甘えてはいけません。女性もね。
だから、微笑みかけ、話に耳をかたむけ、自分も話をきいてもらえば良いのです。それが愛です。
不倫については、共感も理解もできない、でけっこうですよ。
それで良いんです!
「おそらく女性に対して失礼な話を書いていると思います。」そんな事はありませんよ。
コメントありがとうございました。
長文失礼いたしました。
千花ちゃん、こんばんは😊
古志加ちゃんが一人うつむき輪の中から抜けたのに気づいた日佐留売さまにも心に秘めた想い人がいらっしゃったのですね。
一度だけ簪を挿して下さったお方。
その一瞬だけが色褪せない思い出。
ジンときました。
完璧だという理由で吾妹子を作った夫に嫉妬しながらも、ともに歩くと決めたのですね。
なんと激しく美しく強い日佐留売さまでしょう。
作者からの返信
この美のこ様
こんばんは。
ようこそ、いらっしゃいませ。
日佐留売、古志加が一人うつむき、人の輪から抜けだしたのを気が付きました。
日佐留売は、古志加にさんざん三虎の話をせがまれて、古志加のうっとりした顔を見ているうちに、古志加の恋を応援したい気持ちになっていました。
日佐留売にも、心に秘めたおのこがいます。
それは、夫ではないのです……。
色褪せない思い出。
ジンときましたか。嬉しいです!
「日佐留売は完璧だから」と言って吾妹子を作った夫。
いまだに、その言葉には、日佐留売は納得はしていません。
でも、ギリギリのところで、夫を見捨てない判断をしました。
夫婦って、不思議です。
日佐留売は、激しく、美しく、強いです。
素敵なお姉様です。
コメントありがとうございました。
う~ん、私は過去の話から拝見しているので、色々と感慨深いと御作を見ておりましたが、まさか日佐留売の相手がそういう……(#^ω^)
これだけ強く、素晴らしい女性も居ないってのに君は……┐( ´- ω-`)┌ヤレヤレ
作者からの返信
最十レイさま
こんばんは。
ようこそ、いらっしゃいませ。
そうですよね、「蘭契ニ光ヲ和グ」は、前日譚。そこからご覧いただくと、このように「色々と感慨深い」のです。(≧∇≦)
日佐留売は、このような道を歩いてきた女性でした。
やっぱね……、昭和時代は「女の幸せは結婚した男で決まる」なんて言われてましたが、結婚した男が良い男かどうかで、女の人生は随分変わります。
……男にも同じ事が言えるか。
日佐留売は強く、美しく、素晴らしい女性です。(ちょっと暴力オプション有り)
「君」には、私も一緒に、┐(´д`)┌ヤレヤレ です。
コメントありがとうございました。
まぁどの時代の男もそういう勝手なことを言って浮気をするんですよね(苦笑)
結婚制度で縛り付けているだけで、本能だから仕方ないよな~…と思ったりも。
だから好きになってくれる人より、もう何をされようとも自分が好きで好きで仕方ない、という人と結ばれるのがいいんじゃないかな~と思えたお話でした。
作者からの返信
松ノ木るなさま
まあ、どの時代も……、そうです。
どうやって女は、ほんの一握りであると思われる、「浮気しない男」をつかまえるか。
それって永遠のテーマかもしれない……。
「好きになってくれる人より、もう何をされようとも自分が好きで好きで仕方ないという人と〜」
おお、松ノ木るなさま、そう思われましたか。
そうですね。……好きで好きで仕方ない人が、自分を振り向いてくれるなら。
好きで好きで仕方がなくて。
頑張って、一歩踏み込んで。
でも、相手は振り向いてくれなかった。
それが、日佐留売の心の、秘密の花園です。
コメントありがとうございました。
日佐留売の美しく、そして強い一面が素敵過ぎてますます好きになってしまいました。
そして古志加ちゃんを何とかしてあげて!
作者からの返信
桜蘭舞さま
こんばんは。
ようこそ、いらっしゃいませ。
日佐留売、美しく、強い一面。
心に秘密の花園を持つから、美しいのです。
ますます好きになっていただけましたか。良かったです!
日佐留売、桜蘭舞さまの「古志加ちゃんをなんとかしてあげて!」にこたえます!
コメントありがとうございました。
日佐留売さんの恋愛はその一瞬だけと、自分に折り合いをつけていたのかぁ。大切なひとにもらった簪と、もらった光景、誰にもその想いを語らず墓場まで持って行くのでしょうね。強いなぁ。
それから日佐留売さん、早く古志加ちゃんを抱きしめてあげて(ノ_・。)
作者からの返信
矢口こんたさま
こんばんは。ようこそ、いらっしゃいませ。
この簪は、日佐留売の恋のハイライトでした……。
どうにもできなかったのです……。
「大切なひとにもらった簪と、もらった光景、誰にもその想いを語らず墓場まで持って行くのでしょうね。強いなぁ。」
その通りです。日佐留売は、その強さを持った、美しい女なのです。
「それから日佐留売さん、早く古志加ちゃんを抱きしめてあげて(ノ_・。)」
それはもう、次回ですぐに!
コメントありがとうございました。
日佐留売、強くてかっこいいと思っていたら、こんな過去が!
愛も悲しみを知っているから強くなれた人なのかもしれませんね……
作者からの返信
綾森れん様。
こんばんは。ようこそ、いらっしゃいませ。
日佐留売は、こんな過去がありました。
愛も悲しみも知っているから、強くなれた。
そうなのかもしれません。
感慨深いコメントをありがとうございます。
日佐留売は、強く、かっこよく、美女ぞろいの女官のなかでも抜きん出た美女。堂々としていながら、おっとりと笑う、非常に魅力的なお姉さまです。
コメントありがとうございました。
加須様
ごきげんようでございます。
雪夜に一度きり、挿したかんざし。
月明りのもと、じっと見つめるかんざし。
雪と月光の儚さと美しさ、金のかんざしに込められた日佐留売さんの儚く美しい想い。この絶妙な調和がとても詩的で絵画的で、うっとりしてしまいました。
夫からの恋うる言葉も月明りの中というのが、夢幻を感じさせてくれますね。
それだけでなく、夫との諍いでの日佐留売さんの対照的な一面に物語の厚みを感じさせられる、この一話。
本当に素敵ですね!!
作者からの返信
明之 想さま。
ごきげんようでございます。
「雪と月光の儚さと美しさ、金のかんざしに込められた日佐留売さんの儚く美しい想い。この絶妙な調和」
ありがとうございます……!
私が描きたかったもの、全部をあらわしてもらってます。
夫の恋の言葉も月明かりのなかで。
電気の灯りのない時代ならでは、の夢幻を感じてくださり、これもまた、ありがたや、です。
そして夫を一方的にボコボコにする日佐留売。おっとり美人の見た目からは想像つかないギャップ。
彼女はか弱い、泣くだけの女ではないのです。
そこらへんが現代人にも「わかる!」な人物です。
本当に素敵とのお言葉、ありがとうございます!!
日佐留売さん、実は強キャラでしたか。でも激情家って私好きです。
完璧ならば甘えられ、そうでなければ文句の一つも出るのかもしれませんね、ままならないものです。
作者からの返信
きんくま様
こんばんは。
ようこそ、いらっしゃいませ。
日佐留売、強キャラです。なんなら、女官ナンバー2です。ナンバー1は、母親です。
夫に怒って、激情家が発動しましたが、きんくまさまに「好き」と言っていただける範囲で、良かったです。(;´∀`)
日佐留売、ままならないです……。
美しく、女官として権力もあり、名家に生まれ、何不自由ない女、とまわりからは羨ましがられても不思議じゃない彼女ですが、ままなりません。
コメントありがとうございました。