第71話

 長谷部さんは、呆気に取れる程に呑気に言って、宮部の表情を物凄〜く渋くさせた。


 ………えー!日本人地区的なもんって、なんだよぉ〜。それよか、天変地異とか怖いんですけど………オカンとか大丈夫かな?ってか、俺此処来てどんくらい?アッチは何年何月なん?………


 佐藤がかなり蒼白となっていると、隣に座っている宮部が軽く肩を叩いた。


「………大丈夫だ。日本は生き残れる」


「あーーーってか、大きな天変地異って………?」


「………大規模なって事だろう?日本をまるごと持って来る事をお考えとなれば、地球規模の天災って事になりますよね?」


 宮部が長谷部に言うと


「やっと宮部君らしくなったね?旧約聖書にある、大洪水に纏わる話しは有名だが、そんな類の事を、天の大神が起こした事はあるらしく、それが一度や二度ではなかったらしいから、そういう事が起こらぬ様に、大地の大神が対として誕生した。と此処の言い伝えにはあるんだが、今回は天の大神と大地の大神とで決定を下す訳だが、大地の大神は大地の穢れを厭われるからな………つまり……やっぱりそういう事だな………」


 長谷部は、至極考える様に言った。


「日本は海に囲まれた国だ。かつて沈没する説を唱えた専門家も居たが、そのレベルの天災だろうと思う。っで、同じ天の大神を祖神とする国の民や生き物達を、その災害から救おうという御心だ」


「だったら地球規模の天災となると、他の国はどうなるのでしょう?」


「それがさ……他の国の大神が、どうにかするだろう………と仰せだ」


「はぁ?」


「他の国には他の国の、神や大神がいるんだから、ソレ等がどうにかするだろう………」


「あーーー確かに………」


 仲良し宮部と佐藤。ハモって納得。

 そんな二人を見ていた長谷部は、


「だからこれから、いろいろ今上帝の指示に従い、受け入れる準備をして行く訳だ………」


 明るく言った。


 なんか凄く恐ろしい事になっている様な、いない様な………。

 呑気な諸福さんや根入さん達と、都迄旅して来た時には全く考えていなかった事だ。

 ………と言ったって、三日か四日の行程だったけど。

 ………風呂にも遊覧船にも乗れなかったけど。

 だけどそんな理由で、帝に呼ばれていたなんて、きっと長谷部さんも宮部も、考えた事なんてなかっただろう。

 確かに環境問題は深刻だし、それが原因の天災などは杞憂されている。

 今迄人間が辿った歴史の、大きなツケを払う事なのだろうけど………。いやいや、そうだ。

 今でも問題は解決できずに、どんどん深刻な状況を作っている。


 ………これが本当の、天罰ってヤツ?……

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