第70話
「どうにもならんさ………今上帝が準備を完了しなければ、天変地異は起こらない。なぜならソレを起こすのが、大地の大神と、対となる天の大神だから………と言っても、天の大神って呼ばれる大神は、二神というかに二柱というか二人いるんだが、対となる大神は大地の大神より古い大神で、太古の昔に天変地異で地上を海にしてしまったと伝えられていて、その轍を踏まえて大地の大神が、対として誕生したと此処では伝えられてるんだけどね。まぁその天の大神が、またまた天変地異を起こさない限り、大地の大神が傍に居る今上帝が、準備を完了しない限り、天変地異は起こらない。だが起こった時は、太古の様に大掛かりなものになるから、地上の生き物達は生きられなくなる、その為に今上帝は、日本に生きる全てのものを、此処に移住させるおつもりなんだ」
「ええ?」
物凄いスケールの多きな話しに、宮部と佐藤は大声を上げた。
「日本に生きる、全てのもの達ですか?」
「そうそう………そこで今上帝は、丸々日本をそのまま此処に持ち込むか、はたまた生き物達を此処に移住させるか、いろいろと思案しているんだ」
「日本を丸々って………」
宮部が、いつも佐藤が余計な事を言っている時に、渋面を作ったり眉間に皺を作ったりしているけど、そんな表情をしっかり作って言った。
「いや〜未開の地っていうのがあってさ、地の神様のお許しを得たら、そこに住めるらしいんだよね」
「へっ?」
「それで工藤君が、その未開の地っていう所に視察?に行ってる訳よ」
「…………………」
………工藤君って、タブレット持って来て、スマホ持って来なかった日本人?……
「そんで君達にもこれから、いろいろと動いてもらうつもりなんだよなぁ」
「動く?」
「あっ!日本移住プロジェクトみたいなの。これから本格的に今上帝直下で動いて行くから………」
「…………と申されましても、我々は聞いていない………というか、どうして工藤が?」
「宮部君はさ、佐藤君の指導しなくちゃいけなかったからさ、暇してたの工藤君だったし、彼は未だ結婚してないからね。なんせ未開の地だから、暫く向こうに行って貰わないといけないし、此処の暫くはかなりのもんだからね。それに主上は君を気に入ってるから、さすがに行かせる訳に行かなくてさ………ところが工藤君は事情を話したら、俄然やる気を出しちゃって行く気満々になったから、お願いしちゃったんだよねー。まっ、日本人地区的なものができたら、彼が代表者になるんだけどさ………」
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