第2話 超能力者は迷っている

 私は超能力者だ。だがそれで魔女狩りみたいなことになっても困るので誰にも話したことがない。

 超能力を使えると言うと霊が見えたり霊を祓ったりもできるのかと誤解する人もいるだろうが、霊なんて見えない。見える人なんていないと思っていた。だって超能力者わたしが見えないのだから。だがそれは間違いだった。幼馴染が霊を見つけてくれたのだ。最近肩を誰かに掴まれている気がしていたがまさか霊だったとは。不思議なナイフで霊を切り裂いてくれた。

 幼馴染は霊が見える。これをみんなに伝えるかどうか迷った。みんなに伝えると霊に取り憑かれている色々な人を救うことができるだろう。幼馴染が霊を見つけ、倒す。幼馴染は霊が見えるだけで普通の人間だから限界もあるだろう。私も超能力で支える。だがそれはリスクを伴う。前々から思っていたように魔女狩りになったら大変だ。…いや、大丈夫だ。わたしは一人じゃない。幼馴染もいる。

 私は隣の席で教師をじっと眺めている幼馴染に声をかけた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る