第3話 ダチ

ハァハァハァハァ…

もう何分走ったのだろうか。一向に出口にはつかない。

灰色のレンガで作られたトンネルのような通路は小さな電球で照らされ不穏な空気を漂わせている。照らされた中には血しぶきのようなものがついていたりした。

走っている途中に喋るなと言われているからコミュニケーションもできない。

なので、走る前に少しだけ作戦会議をした。

――――――

「あ、あのっ!名前ってっ!なんですかっ!」

勇気を振り絞って聞く。その人は案外けろっとして答えた。

「本名は言えないけど、周りからはタトって呼ばれてるよ〜。」

タト...か。

「いい名前ですね。」

「ありがとう。さ、行こっか。後ろについてきてね」

――――――

っと、いきなり前を走っているタトが四方向に分かれている道で右折した。いきなり右折した。いきなり右折するもんだから私は曲がりきれずに壁に衝突する。


ト゛オ゛ォ゛オ゛ン゛!!!


大きな音を立てて壁に衝突した私はしばらく動けなかった。

「ちょちょちょ!?大丈夫?!」

大きな音を聞いてタトは戻ってきた。後ろについてきていた人が、まさか右折でこけるとは思っても見なかったから。

「だ、大丈夫です...」

こけたことがとても恥ずかしかったのですぐに立つ。

制服にはホコリがたくさんついていたのですぐさまはたく。

「なら良かった。」

私の手を取りながら、タトは言う。

――――――

あれからまた数分、

出口らしい扉が見えてきた。

道中に無数の遺体のようなものがあったのには少々吐き気がしたのだが、敵みたいな人はいなかったので少々ホッとしていた。

「今から扉開けるから、ちょーっと離れててね。」

そう言われたので私はその扉から1mほど離れる。

タトも同じくらい離れると、ポケットからなにか吸盤にS字フックがついたようなものを出してそれをその扉につけた。

てっきりピッキングのようなものをすると思っていた私は ぽかんとしていた。


ピッ




ピッ





ピッ




ピッ





ピッ





ピッ






ト゛カ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ン゛!!!



大きな音を立ててその吸盤のようなものは爆破し、扉は木っ端微塵になった。

「どうだい!Dr.ドクターガリアの特製爆弾っ!!」

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