第4話 張り裂けそうなほどに。

センパイに、抱き寄せられた

は……


急な事態が飲み込めなかった。


センパイは、決して強く抱き締めては、いない。

だけど……  だけど……



張り裂けそうなほどに

胸が   ……苦しい。



『セ……  ンパ……』



『……てた。からね?』



あたしがセンパイの顔を見詰めると、センパイはこう言った。



『アユカと、仲良しだろ?

前から  知ってた……。いい子そうだなって見てたんだ。』



と同時に、背中に回した腕に……



センパイは、少しだけ力を入れた。

わたしは、アユカの事が

気になった。



『あ、、、あの。その。アユカ……は?』


あたしの涙は、星から来た王子様に抱き締められて



いつの間にか止まっていた。




『アユカは、妹みたいなもんだよ?』


無言のまま、久留須センパイに抱き締められる。




あたしは、脳内が少しだけトリップしていた。


(こんなに幸せで……良いのかな?)



センパイの腕の中で……力が段々と抜けてくる。




センパイの腕に、身を任せていると、、、、





センパイは私の体から、腕を緩めると声の聞こえる方向へ

私達は目を向けた。




そこには  …………。




アユカが、絶望に満ちた表情を浮かべながら……



久留須センパイに対して……質問を冷静に投げかけていた。





明來あくるよりも ……


あたしが??劣ってる?!何それ。



ふざけんじゃ無いわよ!!』



アユカは、ソバに落ちていた鉄の棒を持ちながら、


久留須センパイに殴りかかろうとした。




センパイは、を引き寄せて、

鉄の棒をけきると……



勢い余った拍子に、アユカは、




屋上に沿って張り巡らされている鉄柵を殴ってしまった。



少し興奮気味なアユカは、私をののしった。




『あんたなんか、死ねば良い!』


鉄の棒を久留須センパイとわたしに向けると、


ブンブンと振り回して……





勢い余って、アユカは、

自分の足に……10㌔もする鉄の棒を落として



けがをしてしまった。



アユカの足からは、血が流れ出す……。当然、久留須センパイはアユカを心配するのだが。




その時  ……わたしが見たモノは、、、、。




アユカが……こちらを見ながらも



センパイのクビに腕を絡ませていた。






アユカは、、、その日を境に



あたしのじゃ無くなった。

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