造花

只野

導入

朝起きて歯を磨き身支度をして家を出る。

変わらない友人と適当な挨拶を交わし、変わらない笑顔を取り繕う。

変わらない旋律を奏でた自己満足な教師の話を理解しているかの様に聴き、自己顕示欲に塗れた日常会話を繰り広げ、ただひたすら時間が過ぎていく。

何一つ変わり映えのしない毎日に、疑問を抱いたら敗北の戦闘を繰り広げている。


自分は何者かになれる。と信じて疑わなかった幼少期、中学生辺りから現実を突きつけられ何者にもならないただのモブだと気づいた。

その現実を未だ受け入れられず、逃げるかの様に高校生になった。


上記。

今のが駄文を繰り広げた自己紹介だ。





なんの変哲もない、マジックで使うには適任かのような奈々は今年で高校三年生になる。

少しばかり勉強が出来たせいで大学に進学する流れになり、「受験生」と名ばかりの肩書きがついた。それだけで少し何かになれた気になり、少し足取りが軽くなった。




「おはよう〜今日体育あるっけ?」


「まじかよ体操服忘れた適当に誰かに借りなきゃ〜めんど」


「てか今日単語テストあるよね?」


「ついに受験生だよ〜自覚ゼロだけど笑」


適当な会話を交わし教室を入る。











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造花 只野 @ohana_river

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