第108話 クルージング
* クルージング
朝一番で、みんなに連絡で〜す。今日は、クルーザーで海の上を遠くまで行く予定で〜す。
クルーザーって何? 船? どこへ行くの? とかまあ、いろいろ声が聞こえましたが、とりあえず、別荘から外へ出て、船体を見せる。明け方に、水際近くに出しておいたんだよ。
えっ!船? 何、こんなの見たこと無いよ〜 格好良いね〜 なんて声が聞こえるけど、まあ、乗り込むのは、朝食を食べてからだよ〜
みんな、何を焦っているのか知らない?けど、エミリの野菜ハムサンドを急いで食べて、もう出かける用意をしている。まあ、みんな収納持ちだからね、そこに思いつくまま突っ込んでいるけど、・・・なにも、そこまでしなくても・・・すぐに帰ってこれるしね〜
「ははは、みんなの期待は大きそうだなぁ〜、なあ、ミヤビ! 船長さんはたいへんだな!」
って、エドガーはちゃんと、私の補佐をするんだからね〜
「あははは、任せとけ!って・・・」
「さあ、ミヤビ! 大海原へ出かけよう!」ってあれ?ガロン、いつの間に?
まあ良いや。 みんながぞろぞろクルーザーに集まってきたので、
「ここには、階段が無いからね、港じゃないし、みんな、飛び乗ってね〜」
っていうことで、真っ先にエミリを連れて浮上して乗り込む。客室に案内して、
「ここが客室、トイレは一番後ろ、洗面所とシャワーも・・って説明しておいた。
エドガーはもう、運転席に付いているし、何故か? ターニャとダミアンまで、その後ろの補助椅子に座っているよ・・・素早いね・・・
アスラとガロン、エミリとアイカは、客室にいる。狭いけど、デッキに出てきても良いけどね、まあ、最初は客室で良いよ〜
私も運転席に乗り込んで、いざ!出航!
エドガーが遠隔操作で、メインスイッチをONで、少し船体が浮上して、ジェット噴射、一基ONで、砂浜をすべるように走り出して、今、海に進水! そのまま浮いた状態を保っているよ、波の揺れも感じないし、うん! これなら船酔いもないだろうな。
ジェット噴射を2基ONで、スピードをあげる。客室からも外が見えるからね、オオオ〜っていう歓声が聞こえるよ!
沖に出て、充分深くなってきたので、ジェット噴射、4基全部ONで、高速航行だよ。
まずはこのまま北上して、ウエスト王国の沖を目指すよ。
近くまで行ったら、船体に認識阻害結界を張る、これで向こうからは見えないよ。
シンラ大公の港までもうすぐのところで、速度を落として、ゆっくり港をみながら進む。あれ、大きな客船が出てきたけど・・・あれはどこへ向かうのかな?
「ああ、あれは、王都の港を経由して、海上から北のノース王国へ向かう高速船だな」ってダミアンが教えてくれたけど、そうか・・・ノース王国か・・・今度はそこへ行ってみようかな?
「あそこはなぁ、以前は、魔族領って呼ばれてた場所なんだ。たくさんの勇者が送り込まれて、まあ、魔族と呼ばれた人たちも、迷惑だっただろうな・・・」
ってダミアンが説明してくれたよ。
魔法が得意な種族らしいが、現在では、ほとんど、古代の優秀な魔法が消えてなくなってしまっているようで、古代魔法を使えない普通の民族になってしまって、われわれとも、国交を回復して現在に至る、ようだよ。
どこかの国みたいだね、古代の優秀な魔法が・・・消えた!?
まあ、聖竜魔法使いは、まだここに3人、いるけどね〜
魔族かぁ〜 まあ、普通の人ってことだよね、過去にはいい迷惑を被ったのか〜
でも、現在、ウエスト王国と国交があるなら、普通だよね・・・
ゆっくり、大公港から、王都の港まで、北上してきたけど、今日はノース王国へは行かないよ、なので、旋回して南へ進路を変更。一応、別荘の島まで戻るよ。
次の訪問地は決まったね・・・ノース王国、元魔族領!だよ・・・
高速航行で、ここからウエスト王国まで、なんてこともないよ〜
さて、これからが本番だよ、大陸の南を回って、オリバー王国そしてノスト王国まで向かうからね・・・
火山の毒ガス帯域を通り抜けるからね、船体を覆うように、結界を張って進む。まあ、エミリだけかな?って見れば、ちゃんと、オレンジの腕輪をしてたよ、これ、状態異常無効が付いていたよね、・・・なら、全員大丈夫? いや!ダミアンは?
それっぽいのは持っていないようだよ? 急遽、収納内で錬金で、ミスリル製の指輪を作って、状態異常無効、解毒、サイズ自動、を付与して、
ダミアン、これ貸してあげるから付けておいて! 状態異常無効の指輪だよ〜って渡した。
「えっ! そんな高価なもの、良いの?」
良いよ、この先、空気が悪い!からね〜 一応結界は張っておいたけど、念には念、ってやつだから・・・
火山島が見えてきたよ・・・エドガーには、大陸に沿って進むようにお願いしてあるからね、本当なら、火山島から脱出した大陸側の拠点が見えるはずなんだけど、誰か発見出来る人はいるのかな?〜
「ミヤビ〜、アレって? 火山島住民の避難場所?」って、さすがだよ、ダミアン。そうだよ! あそこでも、魔導バイクが出たんだよ〜
「ああ、嬉しいわ〜 古代遺跡なのね〜」
船はさらに東へ進んで、大陸の先端付近までやってきた。恐らく、ここを回り込めば、火山ガスの脅威はなくなるはずなんだよね・・・
大陸先端には、一際高い山がそびえて立っているね、まあ、この辺りの山岳地帯が、その先のオリバー王国を守ってくれてるんだろうね。
とりあえず、外の空気を鑑定してみると、確かに!きれいになっている。もう平気みたいなので、結界を解除したよ。
みんな〜、もう、毒ガス帯域を抜けたよ〜 外に出てきても良いよ〜
クルーザーは? ずっと、最高速度で進んでいるけど、問題は無いようだよ、ジェット噴射も正常に機能しているようだ、凄いね! 魔法世界。
さて、そろそろオリバー王国の領海だろうからね、認識阻害結界を張るよ・・
ダミアン、このあたりは、ヤヨイさんの知人の、パメラさんがいる辺りだよ?
オリバー王国のエリン伯爵領。
「えっ!もう、オリバー王国なの? 早いね、この船・・・」
まあ、特別製ですからね〜
もうすぐ、ガウス大公領の港が見えて来るはずです。そこからは、北のノスト王国への定期高速船が出入りしてますよ〜
と、ガウスの港を左手に見て、ゆっくり通過する。この先に見える高い山脈が国境線で、その北に、ノスト王国の港が現れるよ。その先は、まだ行ったことないから、分からないけどね〜
なので、今日は、ここまでにしよう!
ノスト王国を過ぎたあたりで、旋回して引き返すよ、エリン伯爵領の南に、小島があったので、寄ってみようかな?あの場所なら、ガスも来ていないはずだよ?
なので、エドガーにも伝えたけど、彼は、ちゃんと解っていたよ! 「絶対、ミヤビは寄りたがる!」ってね・・・言われちゃった!〜
一応、まだ、オリバー王国海域だからね、認識阻害はかけたままだよ・・・
ああああ〜〜 この気配は? 小島ではなくて、大陸側から悪い気配を感じるよ〜
可笑しいね、さっきもここ通ったけど?
「ああ、確かにな。でも先ほどは島の右側の沖を通過したからな、見逃したか!」
ってエドガーも言うように、今は、島の大陸側の狭い海域を通っているからね・・・
怪しい気配は、大陸側の山の谷間だよ! まさかね? こんなところに?
詳しく探ってみれば、殺意称号、盗賊称号、海賊称号がぞろぞろ居るね〜谷間にアジトでもあるのかな?
みんなに話したら、「面白い!」ってことになって・・・
まずは、ターニャとダミアン、アスラで偵察してくることになったようだ。ダミアンがターニャとアスラに手を引かれて飛んで行ったよ〜
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