第106話 花火
* 花火
お茶を飲みながら、きれいな星空を見ていた。そうだ! 花火は?
ねえ、エミリ、花火って知ってる? 「火花?ですか?」
違う違う、花火よ? 空に火の玉が上がって行って、高いところで、玉が爆発してね、光の筋が四方八方に飛び散って、空に大きな花を咲かせるのよ! 知らない?
・・・
例えば、王都で何かめでたいことなんかがあった場合には?そんなの無いの?
「そういえば、空砲で、ドーンドーンっていうのはありますけどね、花は咲きませんよ・・・」
そうなのね、知らないか・・・・
ならば、と、昔TVでみたイメージで、花火玉を錬金で作ってみたよ、これ打ち上がるのかな? 打ち上げ用の筒も金属加工で作って、火付け用に、チャッカマンみたいなのも錬金創造してみた。
きっと、上手く行きそう?なので、花火玉をもう4個作って合計5発。
外に出て、浜辺の真ん中あたりに、岩石加工で、発射の土台を作って、そこに、打ち上げ筒を埋め込む。
一応、二人には、私から離れてもらってから、自分に防御結界をまとって、花火玉に点火して筒の中に落として、私も筒から離れて・・・
すぐに、筒の中で、花火玉が爆発して筒の先から、スポッって飛び出して空高く飛んでいった。
もうこれ以上は上がらないなっていうところで、玉が大爆発をおこして、暗い星空に菊の花が大きく咲き誇った!・・・やったね! 大成功。
打ち上げ台の損傷も無く、筒も無事なので、続けて2発目。
シュツ・・・スポン・・・夜空で、大きな火花の花が咲いて、少し遅れてド〜〜ンって大きな音が鳴る。ああ、花火だ!
酔っ払い連中も寄ってきたよ・・・
「何だ? 驚いたなあ、ミヤビは無事か? 何だコレは?」
何だ〜やっぱり知らないのね〜 これは、ハナビ だよ? 夜空に大きく花びらが広がって、花が咲いたみたいでしょ?
「へぇ〜綺麗だね〜、ミヤビが造ったんかい? まだあるのか? もっとみたいな〜」
良いよ!
なので、あと3発、続けて打ち上げた・・・
みんな、口があいてるよ〜 すすが落ちてくるかもね〜
パチパチパチ・・・って、何? 拍手が起こってるよ〜 うん! 嬉しい!
でも、まあ、今日はココまでです〜 準備があるからね、また明日!
アスラが寄ってきて、「ミヤビ、これは魔法じゃあないね、何なの?」
そう、魔法では無いね、強いて言うなら、化学? 火薬に火を付けて爆発させるだけだしね・・・まあ、花火玉の作り方は教えられないけどね・・・イメージから作り出したからね・・・
翌日も、みんなで海遊びだよ。ターニャとダミアンは、気が合ったようだね、お互いに競っているみたいだけど、昨日は水上バイクで、今日は、水泳だって・・・
まあ、あの均整の取れた締まった体を見れば・・・納得できちゃうけどね。
流石に、疲れて溺れないとも限らないので、今日は、アスラが水上バイクで、近くを進んで見守っている。
それで、今日は、エミリとアイカが、水上バイクでいろいろ競っている。
スピードを出して直進、急旋回、ジグザグ運転、超低速運転、などなど、まあ、楽しそうだね・・・
あ、そうそう、今日は女性陣はみんな、ラッシュガードと短パンのまま海に入っている・・・あああ! ビキニの楽園がぁ〜〜〜 まあ、良いけどね・・・
エドガーとガロンは、私の傍で、私の作る花火の発射台をみて、同じものをあと2個作ってくれるようにお願いしたら引き受けてくれたので、私は、花火玉をたくさん作ろう!
火を付けて、手で筒に入れるからね、まあ、3筒くらいにしておいたほうが良いかなってね・・・
まあ、私は、一個作って、複製するだけなんだけど、それだと、全部同じハナビ模様になってしまうからね、違う模様の花火のイメージも作ったりして、
3種類の花火を各20個複製してみたよ。
打ち上げ筒のほうもできたので、玉を手で落とせるかどうかの大きさを確認したら、全部同じ大きさで出来ていた。まあ、本家の金属加工スキルだしね、まず間違いは無いね。
土台の石にもしっかりはめられているので、昼間だけど、打ち上げ試験をしてみようかな。
エドガーとガロンの二人には少し離れてもらって、結界を張って、花火玉に点火して筒に投げ入れる・・・
1,2,3で、スポッって飛び出してきて、打ち上がっていったよ、上空で、ドンって音がして、白煙がたなびいている。光は見えないね・・・
うん、発射まで、3秒か・・・これは、1人で3発はギリギリだよね?
「なんだ、俺が手伝ってやるぞ、そこに火を付けて、筒の中に入れれば良いんだろ?」って、エドガーも言ってくれるから、そうしよう!
「ああ、3発だろ? なら、俺も手伝おう! 3発同時も可能だろ?」
そうだよ! エドガーにガロン、二人を頼ろう! お願いします!
「「任せろ!!」」
あとは、筒は、一回の発射で、かなり熱を持つからね、冷やさないと、暴発しそうだね・・・ 水をかけるよりは、冷却魔法の方が良いかな?
試しに、先程打ち出した筒に冷却魔法をかけてみたよ、手で触ってみるけど、ほんのり暖かいくらいまで冷めている、これなら良いかな? どこも濡れたりしてないし・・・
まあ、準備はこんなところかな?
残りは、59個、3発ずつ打ち上げて、20回かぁ〜 寂しい?
そうだ! 最後には大きなのを打ち上げよう! 締めの一発、ドーンってね!
大きな玉を作ってみたよ、直径20cmくらいのヤツ、これに合わせた筒を作って、石の土台に設置して完成。まあ、テスト?は良いや、本番で!
一応、造った花火玉を鑑定してみたんだけどね、どれにも、異常や瑕疵、傷、破損などは見られなかったしね・・・・
そろそろお昼だから、みんなも戻ってくるよね〜
それで、思い出したのが、そういえば、海靴?ってのがあったよね?
泳ぐ時は別にしても、砂浜を走ったり、水深の浅いところを歩いたりしても、普通に歩ける脱げないゴム製の靴。アレを作ろう! サイズは、自動調整の魔法付与を付けれないないかな?
とりあえず、イメージから一つ作ってみた、まあ、色は黒で良いよね、ウレタン素材・・・こんな素材、この世界には無いよね・・・・
水は透過して、靴に水は貯まらない、砂浜を走っても、砂が靴の中に入りにくい、というようなヤツ。ダイビングやウインドサーフィンでも使えるよね・・・
それで、私用に作ったのは、赤地に黒い筋模様のもの、サイズはとりあえず大き目の25cmくらいにしておいたけど、これに、サイズ自動調節の魔法を付与する。
出来たものを履いてみたら、ブカブカ状態が一瞬で無くなって、足にピッタリ!
あら? これ良いんじゃない! 出来た!〜
複製して色を黒にしてサイズは27cmにして、これをエドガーに履いてもらう。彼はどう見ても、28cmくらいの大きな足だからね、どうなんだろう?
足を入れていくと、靴が広がって足がすんなり入ったよ、しかも、そのあとに、足に合わせてピッタリサイズで落ち着いたようだね。 どう?
「ああ、イイね、ピッタリだな、ありがとう」
ってもう片足も入れて、ご機嫌だよ・・・
もう・・・模様は要らないよね? 面倒なので黒一色で、28cm男性用をあと2足、と25cm女性用を4足作っておいた、昼食時に渡そう。
それにしても、凄いね、これ異世界素材だよ? 出来ちゃったけど・・・
夕食後の花火大会は、盛況で、拍手喝采だよ!
私と、エドガー、ガロンの共同作業でね・・・それが、うまくタイミングをずらしてくれて、ボン、ボン、ボン、とか、ボボボとか、ボンーボンーボンってやって、6回分18発、3回繰り返した。それが終わって、最後、一拍おいて、ボカ〜ンって大きな音がして、夜空にはそれまでの倍以上の大輪の花が咲いた! 花びらが散るように、パラパラって光が散って落ちてくる・・・一層の拍手喝采で、花火大会も終了!
打ち上げ係だったけどね、十分楽しめた! ありがとう!みんな〜
みんなの足には、シャワーの後で渡しておいた海靴がお揃いで、・・・うん!満足!
私も、みんなと同じ黒一色のにしておいたんだよ〜 お揃い!の異世界靴だよ!
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