第52話 魔法鞄の販売 

* 魔法鞄の販売


そうだよ!市場調査をしなければ・・・

市場のはずれにある古臭い?魔道具屋に入ってみる。市場の人に聞いたらここを教えてくれたんだけど、まあ、ここしかないんだろうね。

こんにちは〜って入る、いきなりの埃臭さ?自身にクリーンをかけて店内を見渡すと、身体強化や火炎が付与された指輪、腕輪、剣が多いよ。

「いらっしゃい!何か探しものかね?」って、店主らしきおばあさんが奥に座っていたよ、解らなかったな〜


魔法鞄なんてないかな〜って思いまして・・・って言ったら、

「ふん? そんなものここにあるわけないじゃろ?」

ああ、まあ、置いてはいないよね〜。 でも、解ってしまったんだよね〜

このおばあさん、転生者だよ!しかも、鑑定、錬金、収納スキル持ち!レベル130、それに年齢は180歳? 転生時年齢は20歳で、現在の実年齢は23歳。

どうやら、鑑定の隠蔽で変身してる?

ねえ、おばあさんは、転生者? 

「・・・・」

どうやら私を鑑定しようとしてるな・・・・無駄だよ?

「うん?お前さんは、・・・わからんな〜。転生者って、何故?そう思うんじゃ?」

なんとなくね〜そんな感じがしたの!私の祖先に転生者が居てね、そういうの、何となく解る気がするだけ。

「なるほどね〜、まあ、ワシは違うけどな!・・・」

まあ良いわ、それで、どう?実は、魔法鞄の値段を知りたくて、いろいろ知ってそうな人に聞いて回っているだけなの。

ねえ、知ってたら、教えてくれませんか〜

「どんなことを知りたいのかな?」

容量は中くらいでいいけど時間停止のもの、同じくらいの容量で時間停止の無いもの、の値段を知りたいの。

「それなら、金貨で、600枚、300枚といったところじゃろ? 最高級の容量無限で時間停止なんてものは、値が付けられないけどな」

ふ〜ん、そうなんだね。ありがとう、おばあさん。実は私、ダンジョンで拾ったものがあるんだけど、持ってきたら買ってくれるかしら?

「ははは、無理無理!こんなところのどこにそんな金貨がある?」

わかりました! ありがとうございました。って店から出てきたよ。


ちょっと、屋敷まで転移で移動した。

「ただいま〜、エミリ!少し部屋に籠もるから気にしないでね〜」


おじさんの鞄を出していろいろ眺めて、とりあえずもう一個複製して、と、これをいじってみよう。

まず、色、無難に焦げ茶色、余分な飾りなどはできるだけ取り除いて、ポケットは前2個は残して、裏側にも1個付けて、錬金・変形・修復で新品状態にして・・・

中身の空間拡張、容量は中くらい、樽30個なら、倉庫一軒分くらいあれば十分よね。おっ?少し魔力を使うわね、この空間の維持には、ワイバーンの魔石を一個使って、これで50年くらいは平気かな?どうせ、鞄の中に仕込むから、ドラゴンのでも良いけどね、重さもかさばりも無いからね。

時間はそのまま経過で良いとして、ついでだから・・・

不壊、清浄、使用者限定で、おじさんの魔力を登録して、攻撃反射も付けておこう、狙われても何とかなるでしょ?

できた!よ。鑑定してみれば、・・・あれ? 容量・大になってる・・・


*魔法鞄 焦げ茶色 容量・大 時間経過 使用者限定:ジロベ

・不壊、清浄、攻撃反射 


それで、これをもう一個複製して、時間停止に変更して、色は薄茶色にした。

*魔法鞄 薄茶色 容量・大 時間停止 使用者限定:ジロベ

・不壊、清浄、攻撃反射 


さて、エミリのところへ行って、味噌と醤油の樽を渡して、「いってきま〜す」

で、大公領のジロベさんの味噌屋へ。

「こんにちは!ジロベさんいる?」

やあ、嬢ちゃん、ミヤビ?さんだったね・・・


ジロベおじさんに、魔法鞄を2個だして見せる。

焦げ茶色のは、容量・中、時間経過で、金貨200枚。

薄茶色のは、容量・中、時間停止で、金貨400枚。


と見せたら、試すことは出来るか?ってことなので、やり方を教えて、ジロベさんに自分でやってもらった。

「おお!すげぇな〜、魔法鞄だよ!入れたものの明細まで解るし、取り出しも簡単だな〜、これ、どうしたんだ?」

って聞くから、ちょっとダンジョンまで行って、拾ってきました〜って答えたら、何だ?こいつ、何を?言ってる?とか変な顔をされたけど、まあ、実物が目の前にあるし、今、実験できたよね〜

「解った、ありがとう、良いものを見せてもらったよ。

それでだ、相談なんだけどよ、やっぱり時間停止が良いかな?って、あれからいろいろ考えた結論でさ、何も、熟成なら、店のそのへんに放置しておけば良いしな、運ぶだけなら、時間停止に入れて運んで出せば良いだけだろ?って思ったんだよ。

なので、時間停止の魔法鞄、これを売ってくれないか?」

了解です。


ちょっと待て!って店の奥へ引っ込んでいって、紙を一枚持ってできた。

「ほら、これは小切手だ。お前、冒険者だろ?ならギルドで換金も口座入金もできるからな」

って、へえ?知らなかったよ。バンスさんも、ワタリさんも教えてくれてない!よね!

「なんだ?って顔してるな?大丈夫だ!ここまでしてくれたあんたに迷惑はかけないよ!信じてくれて構わない。・・・」

っていろいろ説明してくれたよ。

別に〜良いけどね、もし嘘だったとしても、鞄を回収して終わりにしちゃいますし〜

なので、小切手をありがたく受け取って、因みに〜って鞄のその他の効果を説明しておきました。

壊れない、汚れない、使用者はジロベさんだけ限定、ついでに、攻撃反射もついてます、ってね・・

「何?〜〜〜すげえな〜、本当にその値段で良いのか?」って叫ばれたよ・・

いいですよ〜、どうせ、またダンジョンで拾えますから・・・

ありがとうございました! また、ちょくちょく、お買い物に来ますね〜、って味噌屋さんから出てきたよ。



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