第53話 魔法鞄の詐欺販売事件
* 魔法鞄の詐欺販売事件
さて、どっちに行こうかな? やっぱ、同じ国のほうが良いか・・・と、ワタリさんのところに転移で移動、ギルドに入って、またまた、部屋に引き込まれて、アコさんの出してくれた美味しいお茶をいただきながら、ワタリさんに文句を言っている。
何故?口座とか、小切手とか、そういうのを教えてくれなかったの?
「まあ、そう怒るな!てっきりもう、バンスのところで説明されているものと思っていただけだから・・」
って、これ、はぐらかされた?よね〜
まあ、良い。それで? 口座ってどうやって作るの?
「いや、もうできているぞ、お前のギルドカード、それが口座カードと兼用になっているから、それを口座専用の窓口で出すだけだ、最初にカードを作ったときに説明されてるはずなんだがなぁ〜?」
って? 何だ、簡単だね! なら、ちょっとその受付に行ってこよう!
「何、別にここでも良いぞ!ここに、担当を呼ぶから、まあ、待て!」
って言われて待っていたら、すぐに、アコさんが担当者を連れてきてくれたので、まずは、小切手の口座入金と、とりあえず金貨1000枚を現金入金するようにお願いして、小切手と金貨1000枚とギルドカードを出した。
はい、ありがとうございます、只今すぐに手続きをしてまいりますので、しばしお待ち下さい、って嬉しそうな顔して出ていったよ。
「なあ、ミヤビ? お前、金持ちだなぁ〜、羨ましいよ」
って何を、人の懐を探ろうとしてるの?
「それに、何だ?あの小切手は?誰かからもらったのか?」
って聞かれるので、大公領の味噌屋さんに魔法鞄を売ったよ、って話したら、
「何!何!って・・・」
何?私、何か悪いことでもしたの?
「イヤ、悪い、まあ、お前のことだから、偽物ってことは無いだろうけどよ、よくあるんだよ、偽物を掴まされて大金を失った、とかな・・・」
ふう〜ん?そうなんだね〜 それで? ワタリさんは、私のことを、一瞬!疑った!ということなのね〜 酷いね! 口座の金全部引き出して閉じようかな?
「待て!まて! 違うぞ、決してミヤビを疑ったわけでは・・・無い!から」
まあ、良いや! それで、そのニセモノってどんなの? ああ、あるぞ〜って部屋のロッカーを漁って取り出したのが、それらしい。
ほいって渡されたので、鑑定!
なるほど〜 容量・小、時間経過かぁ、コレを?容量・大って言って騙してたのかな?
「ミヤビ? それ、作った人の魔力を見てみろ!」
ってリンネが言うので、詳細を鑑定してみた。アレ?この魔力?記憶にあるよ〜
な〜るほどね、あの人だよ!でもコレを自分で売りさばいたとは思えないな〜
誰が、販売したんだろう? まあ、あの人にも一応、尋問したほうがよさそうだよね〜
ワタリさんに、それを鑑定してみたんだけど、それの作者に心当たりがあるよ〜って話したら、「何!何だって!そんなことまで解るのか?」 ってソコかいな〜。
なので、まあ、大公領の市場の端っこにある魔道具店のおばあさんだよ、しかも、180年くらい前の転生者かも? って情報を流してあげたよ。
あとは知らないよ、私は無関係だからね〜
と、またまた、私の腕を掴んできて、「よし、行こうか!?」って、・・良いけど、あなた、準備とかできているのかな?〜 私は、連れて行くだけ、だからね〜
「ああ、それで良いから連れていってくれるか?」
それなら・・・別に良いですけど・・・行きますよ!
あの魔道具店まで転移で移動して、私はとりあえず外で待つ。「待っててくれるか?」って、何でも言えば、聞いてくれる!って思われてるよね〜
なかなか出て来ないし、中で争っている雰囲気でも無いし、外で暇していたらドアが空いて、ワタリさんが顔を出して、私を呼んでいる。何故?私を巻き込むの!〜
仕方がないので、入っていったんだけどね・・・
「ほう!やっぱり、あんただったんじゃな?まあ良いわ。すまんな、ワシの作ったものが、そういう売り方をされていたなんてな・・・知らなかったわい。」
なんて言ってるけど、これ、少し「嘘」が入っているよ、薄々感じてはいたってところかな? 言葉の気配が微妙に揺れたしね〜
でも、おばあさんに魔法鞄の作成を依頼して、金を支払った容疑者?は特定できたようだよ、ワタリさんがやけに興奮してる・・・
どうやら、大公領を中心に動いているらしくて、これから大公領のギルドへ行く、っていうから、それじゃあ、私は・・・って・・・なかなか帰らせてくれないよ〜〜
あとは、もうギルド同士の話しだし、詐欺販売に私が得することも無いだろうしね、だから、帰りたい!・・でも、腕を掴まれたままだよ! 私は何もしてません!無実です!
大公ギルド長のアービンさんという人との話では、おばあさんの情報から、一つの店が怪しいって浮かび上がったらしい。
なのでそこへ乗り込むけど、私に、そこの魔法鞄を鑑定してくれないか?って・・それ?依頼ですか?
場所は、大公領の西門近くに店を構える大きな鞄屋さん、だそうだ。
ワタリさんの短距離転移で3人で移動する。
中に入ると、ああ、すごいよ、いろいろな鞄が並べられている、その奥のほうに、魔法鞄っていうものが5個、並べられているよ。
鑑定!確かにあのおばあさん転生者の魔力だね。4個は時間経過で、容量は、小、小、小、中、で、のこり一個は、容量・小で時間停止。
その値札には、容量が大、大、大、無限、中って表示してあるね。
これ、全部、不当表示だよ!価格は、100,100,100,200,300ってところ?それが値札には、150,150,150,250,400ってなってるよ。
ワタリさんにそのように伝えたよ。あとはもう!良いでしょ?そっちで好きにやってくださいな〜
店の奥で、店長らしき人と、二人のギルド長たちの話し合いが始まったよ。私は、ようやく解放されたので、せっかくなので店内の他の鞄などを見てまわっているよ〜
これが、悪いことしてる?のに、結構、良い鞄が並んでいるんだよね〜
事情聴取?が終わって出てきたみなさんの顔は、まあ暗いよね?
まず、ここの店長も関係者も、市場奥のおばあさん魔道士のことは知らない。この魔法鞄は行商人から仕入れたものらしい。鞄の説明は行商人から聞いたまま、値段は仕入れ価格から利益を上乗せして付けたもの。ということで、その仕入れ伝票を見たギルド長二人が固まってしまったよ。なんでも、前に追い詰めて壊滅させた犯罪組織ガロンの幹部の署名があったようだ。
ガロンがこの鞄屋の名前を語って、おばあさん魔道士に近づいて魔法鞄を作らせて、それを、鞄屋に卸していた? 大本の犯罪者は、ガロンの組織ってことになるの?
でも、表示された性能も無いのに、知らなかったとはいえ、それを販売してた鞄屋さんにも責任はあるよね〜日本でなら、販売者としての責任?モラル? あとは、作成者のおばあさんは、製造者責任? それで、犯罪の元締めはもう既に壊滅して居ない。さあ、どうするんだろうね?この世界では・・・
とりあえず、この能力不足の魔法鞄の販売を止める・・からだよね〜
魔法鞄を性能に見合った価格で販売すれば良いんだけどね〜 騙された鞄屋さんがゴネるだろうな? でも、それこそ自己責任?だよ。
ワタリさんから念話だね、「ミヤビ、何か良い方法は無いかな?」
そんなもの、私の知るところでは無いけどね・・・
「とりあず、仕入れ価格そのままで、ギルドで買い取ったら? そしたら、なんとか改良して良いものにして、高く売ることも出来るよね・・・?」
結局、仕入れ価格合計で金貨800枚でギルドが買い取るということになったようだよ。
まあ、変な売り方をされないで済んで良かったよね〜
「なあ、ミヤビ? 今回の情報等提供料なんだけどよ〜、この魔法鞄の現物支給にしてくれないだろうか?」
って、まあ、どっちでも良いけどね〜、良いのが出来ても売ってあげないからね・・・って言おうとしたんだけど、「改良版ができたら売ってくれるとありがたいな〜」って先に言われた!
まあ、ここで、チャチャってできちゃうけど、勿体ぶってね、まあ頑張ってみますね!って言って、魔法鞄を貰い受けたよ? ギルドでも使いたい用途があるんだろうね〜、なら、バンスさんにも売りつけよう!かな〜
やっと解放されたので、速攻で屋敷に帰ってきたよ。
「ただいま〜、エミリ! お腹空いたよ〜」
「おかえり〜、今、用意しますね、すき焼きで良いですか〜」
ってすき焼き、好きだね!
とりあえず、5個の鞄の複製を作って、3個の容量・小を容量・大に変更、時間停止に変更、容量・中も容量・大にして時間停止に変更、時間停止の一個の容量を大にして、時間停止を上書きで補正しておく。
これで、容量・大、時間停止の魔法鞄が5個出来たよ。
あとは、デザイン、見た目だけど・・・それぞれギルドに買ってもらうものは、黒色で、飾り無し、ついでに冒険者ギルドの旗のマークを蓋に刻印で入れてみた。ギルド仕様だね。残り3個は、とりあえず収納して保存かな?
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