第49話 エミリとノスト王都へ 

* エミリとノスト王都へ 


そんなことで、まあ、二人をギルドまで連れ帰ってきたんだけどね、今、ワタリさんの部屋で、アコさんが出してくれたお茶を頂いている。これ、美味しいんだよね〜


二人が、「ミヤビ、お前、何者? レベルは? 」って聞いてくるけど、まあ、秘密で! ということにしてもらった。レベルだけは、確か?200超えてたかな〜ってくらいは言っておいたけどね。

久しぶりに、ヨーコさんの宿で和食ご飯を食べようかな?

二人も一緒に行くっていうので、別に良いけどね〜

今日のメニューは、なんと!天ぷら、魚、野菜いろいろ、天つゆも、ああ、日本の味だよね〜 美味しい!

あとは、ご飯に味噌汁、漬物。

「あんたたち、おいしそうに食べるよね〜気持ちが良いよ」ってヨーコさんも混ざってきて、4人で一緒に食べている。今日はもう遅いから、お客さんも来ないし、みんなの顔もみたいからね〜って言ってるけど、旦那さんは放置で良いのかな〜

みんなで「ごちそうさま!」唱和して解散だった。


私は、市場に寄って買い物をしよう。暗くなっちゃったけど、まだ営業しているかな?

・・・まだ開いてる店が多いよ、さすがに、魚屋や八百屋は閉まっているけどね。

まあ、今日、買いたいものは、味噌、醤油、お米、もち米、小豆、大豆、金時豆、だからね、全部、一箇所で売っていた。


屋敷に転移してエミリに食材を渡しておく。今晩は、すき焼きだったらしいよ、一人すき焼き? まあ良いや、私は、天ぷらだったしね・・・

「ミヤビ? 天ぷらって?」

ああ、そこですか〜 天ぷらはね、・・・・・って説明したら、「食べたい!」ってことなので、まあ、私が作るよりは、ヨーコさんとこにエミリを連れていったほうが良いよね〜、ということで、明日はエミリを連れてノスト王国まで行くことに決めた。エミリも「是非!」って言ってるしね・・・


エミリは既に、朝のギルドへの野菜やサンドイッチの納品を済ませて、私が起きてくるのを待っていたので、私も、チャチャって身支度をして、じゃあ行きましょうか!

エミリに、マジックバッグを持ってくるように・・・って、わざわざ言うまでもないね、既に背負っているし・・・、なので、そのまま手を繋いで、少し目を閉じていてもらって、隠密を二人分、転移してノスト王国のヨーコさんの店の裏で隠密解除。

エミリに、もう良いよ、良く見て!ここはもうノスト王国だよ!

ヨーコさんの宿はギルド近くの丘の上だからね、見晴らしが良い!

「うわぁ〜、これが・・ノスト王都ですか〜、この場所から、良く見えますね〜」

まあ、感激しているエミリの手を引いて、宿の食堂へ入っていくよ。

「おはようございま〜す、ヨーコさんいる? 朝ごはんをいただきに来ました!」

って、自分で言うのもおかしいが、何という挨拶だよ、全く!


おやおや、ミヤビかい? 今日は、お連れさんと一緒なんだね?

「あああ、おはようございます、エミリです」

ああ、いらっしゃいな、そこのあいている席でいいかい?いつもの朝食セットで良いかい?

言われて隅っこの席について待っているんだけど・・・エミリが挙動不審?だよね〜。

もう、・・・ここはどこ? 私は誰? 状態で、キョロキョロしちゃってさ!可愛い!んだから〜

出されたものを見て、また、固まったよ。


今朝のメニューは、ご飯、味噌汁、漬物に、アジの一夜干しの焼いたものと、野菜の天ぷらだった。

箸しか出てないけどね、エミリもなんとか使えるようにはなっていたので、まあ、フォークもスプーンも、出してもらわなくても良いよね。

まず、ご飯をそのまま一口、そして味噌汁を一口・・・うん、良い顔してるよ。

アジの干物は上手に身を剥がして一口、そして、野菜の天ぷらを一口・・・

「ミヤビ!これが和食というものですね、とても美味しいものですね〜」

ってイイながら、もう、無言で、パクパク食べ始めたよ、なので、私も、一緒になってパクパク・・・食べました!

おやおや、そちらのお嬢さんも和食派? 美味しいかい? まあ、たくさんお食べよ・・・

って、言うけどね、「エミリは、生粋のこの世界の住民ですよ〜」

あれ!そうなのかい? まあイイよね、美味しいものは世界を超える!ってね?


漬物まで全部食べきったところで、熱いお茶が出てきた、番茶なんだけどね〜エミリは?って見てたけど、違和感なく飲んでいるよ?

「このお茶も和食なんですか? これの香り、和食に合います!イイです!」

だってさ・・・

二人で「ごちそうさま〜」して、「まあ、またおいでよ!」なんて言われて外へ出てきたよ。では、市場へ行って、買い物をしようね!


徒歩で周辺をめぐりながら中央市場を目指す。

まず、目に入るのは冒険者ギルド、今は立ち寄らないよ〜

エミリに冒険者カードを持ってるか聞いたら、このバッグに入れてあります!っていうので、なら少し検問から出て港を散歩してみようかな。

ギルド横の出入国検問所でカードを出して無事通過。港に出てみる。

あそこに泊まっている大きな船がオリバー王国の大公領まで行ける船だよ、そして向こうのほうの小さいのが漁師さんの漁船、って一応、説明してあげた、エヘヘヘ、私だって、ついこの前、来たばかりなんだけどね〜〜

また、検問所を通って王都の中へ、大通りをまっすぐ行けば中央市場だよ。


そらそら、始まったよ! エミリのお買い物、大量購入、もう、あれもこれもってどんどん買っているけど、・・・まだ生活費足りてる? 

野菜や果物は当然として、どこで見つけたのか、種までいろいろ買い込んでいる、これは屋敷の菜園用だろうな? 

そういえば、私だって、エルフの緑魔法を使えるよね? 今度、エミリにいろいろ作りかたを教えてもらおう!

そして、立ち止まったのが・・・魚屋さんの前。


向こうではね、大公領ならまだしも、王都の魚屋とは、質も量も、新鮮さ、種類も何もかも違うよね? でも、これが「魚屋」、漁師さんの直売だよ!

エミリは、自分で店主に質問して、食べ方や料理の仕方までいろいろ聞いてメモまでしている、真面目だなぁ〜 今後の我が家での魚料理が楽しみになってきたな〜

かなり、いろんな種類のものを買い込んでバッグに仕舞っているよね。


でも、こういうときに、そこで悪意を高まらせている連中は何? まさか、エミリを狙っているの? なら、腕の一本くらいは覚悟しなさいよ!〜

その後は、女子だしね、下着に普段着、お出かけ用、って服をこれまた、これでもか〜ってくらいに買い込んだよ?それ、どこでそんなに着るの? 私なんか、いつも同じもの、着たきり雀だよ?

結構、時間も経って小腹も空いてきたので、屋台でハム野菜サンドを買って、市場のところどころに設けられている休憩所で休んでいたんだけどね・・・


現れました! さきほどの悪意満々の3人、見た目は冒険者かな?剣まで持っているし。

「お嬢さんたちさ〜なかなか羽振りが良さそうだよね〜いっぱいお買い物してさ、それに、そのバッグは、アレだろ? イイよな〜 どうだ? 俺達と遊ばないか? でなきゃ、俺たちにも、少しおすそわけしてくれないかな? どうだ? イイだろ?」

って、何?これ、恐喝?ナンパ?強盗? 

鑑定では、殺人はないけど、窃盗称号はついているよね〜

まあ、ここは私が・・・って、私の出る幕はなかったよ。エミリが、

「何を、そんな身なりでウダウダ言っているのよ!このろくでなしたちは?」

って、挑発?して、相手が剣を半分抜いたところで、「催眠」。ああ、腕輪に確かそんなの仕込んだんだったわ!

まあ、無事で良かったけどね、一応、彼らの冒険者カードを対象にして部分回収しておいた。Eランク冒険者だって。それと、ワタリさんに念話する。

「もしもし、ミヤビだよ〜 今、中央商店街の◯◯っていう店の近くの休憩所で、不良冒険者たちに襲われましたので、お仕置きしておきました、そちらに冒険者カードを転送しておきますね、あとはヨロシク!」

だんだん腹が立ってきたので、倒れて眠っている奴らに、追加で「感電」をかけてやったわ!

さて、面倒なことになる前に、・・・退散しよう。


エミリに、他に買いたいものある?って聞いたら、今日はもうイイかな〜、屋敷でやりたいこともいっぱいできたし、なんていうので、手を繋いで隠密、転移で、我が屋敷へ戻ってきた。

エミリに、はい、当面の生活費って金貨20枚を渡しておいた。

両国で、貨幣価値が調整統一されているからね、向こうのノスト王国でもオリバー金貨が同等の価値で使えるんだよね〜 こういうのは便利! 世界通貨だね!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る