第48話 エルフの隠れ里 

* エルフの隠れ里 


集落の奥から、杖をついた老人が出てきて、二人に頭を下げているよ・・・なんとか、話し合いくらいはできそうな雰囲気だよね。

なので、私はここまでです、帰ろう! 転移 


・・の前に・・

そうだ、ワタリさんの転移って短距離だったよね〜、ちょっと念話してみよう、通じるかな?

「もしもし・・・ワタリさん?ミヤビで〜す。聞こえますか?とりあえず言っておきますよ、そこからは、国境検閲所が近いですからそこまでなら転移できますよね〜、できなかったら、念話してくださいね!迎えにいきますから〜」

って、言ってはみたものの、通じたかな?気配を探ってみる、何か不思議な顔をしているけど、これ?通じたよね〜、きっと。


「なあ、ミヤビもひどいことするよな〜、可哀想に、あの転生者達、大丈夫かな〜」

エッ?リンネまでそんなことを言うの? もう〜! 仕方がないな〜


また、エルフ村まで戻ってきましたよ、けど、今度攻撃してきたら、もうこのエルフ村なんて消滅させてやるんだからね〜

隠密のまま、気配を探って、ワタリさんのところへ行く。村長の部屋かな? ちょうど良い具合に二人だけなので、姿を現して、ワタリさんに、さっきの念話、聞こえましたか?って聞いたら、「聞こえた」っていうので、じゃあ、そういうことで良いですか?「ああ、解った、何とかやってみるさ・・」ということなので、では、帰ります! と思ったら、また腕をギュッって掴まれたよ。止めて!よ〜痣になったらどう?するの〜


「なあ、ミヤビ?村長がだな、お前に謝りたいってことだぞ〜、どうするよ?」

そんなの代わりに聞いておいて下さいよ、私は関わりたくも無いので・・・

「そうは言ってもなあ、何か?深く反省しているみたいだぞ〜、話だけでも聞いてみたらどうだ?」

なんてやっていたら、そりゃあ、帰って来るよね、自分の部屋だし!人の気配が近づいてきて、はい!入ってきましたよ。

「ああ、この気配、貴方様は? ・・・この度は大変ご迷惑をおかけして、すみませんでした。村の者たちが、相手も解らず攻撃をしてしまい、申し訳無い!この通り・・」って、あれまあ、土下座されちゃった! もう、そういうの止めてよね〜


いろいろ話をしてくれたんだけどね、

「結界を維持するのに、ワイバーンの魔石が必要で、今回、結界を緩めてワイバーンを2〜3頭、結界内に引き入れて仕留めるつもりが、一気に8頭も入ってきてしまって・・・

そこを、どなたか?存じませんが、上空からの援護射撃、ありがとうございました。

おかげで、8頭ものワイバーンを仕留めることができました。

感謝しかないものを、村の者たちが、相手を確かめることもなく攻撃してしまって・・・まあ、返り討ちに会いましたが、自業自得というものですな・・本当にすまんことをしました・・・」

ということらしいよ〜 まあ、解ってくれれば良いんだけどね。

それで、お詫びだっていうことで、ワイバーンの魔石を4個くれる、っていうけど、そちらで必要なら、そちらで使えば良いのよ、私は別に要らないし・・・

なら、お金で、なら、素材で・・って言われてもね、まあ、要らないので、全部お断りしましたよ〜

では、せめて、ご要望のものがあれば、言ってくれ、っていうけどね・・・


「ミヤビ!いっそのこと、エルフたちの魔法を浴びる!ってのはどう? エルフの魔法も特殊なのが多いよ。面白いだろ?」

もう! リンネってば、いつもそう!なんだから〜 でも、・・そうしようかな?


村長に、エルフの魔法を浴びたい、私を魔法で攻撃して!って提案してみたよ。こいつ?何を言っている?とかいうような顔をして、「何故に?」っていうから、エルフ魔法の研究の為よ!って答えたら、「それなら、エルフ魔法の魔導書を差し上げよう!」

イヤイヤ、まあ、それでも良いけどね・・・私を魔法で攻撃して下さい!


今、私は、里の端の訓練場というところに一人立っている。これから、エルフの魔道士3人から魔法攻撃を受ける為にね。

自身に結界を張って、ブラックワンドを構えて、さあ!いつでもOKだよ。

いろいろおもしろいのが来たよ〜

幻影魔法、精霊魔法、魔弓による攻撃、風魔法攻撃、植物の蔓による攻撃、などなど。もちろん、ブラックワンドですべて吸収して、同じものを返してあげたけどね。

何で?魔法で!って言ったのに、物理攻撃まで出してくるのよ〜、まあ良いけどね・・・

それで、私の魔法適性にエルフ魔法、精霊魔法、森林魔法、緑魔法というものが加わり、今、彼らが使ってくれた魔法も獲得できたよ。いろいろあったけど、ありがとう!


どうやら、アコさんの知り合いのエルフの手がかりは無かったようだ。名前だけではわからないのかな? 「クララ」だって! 

それで、このエルフ村は、今まで通り、「エルフの隠れ里」という扱いで、われわれ3人は、この存在を秘匿する、ということになったのだよ。



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