第23話 第一ダンジョン 8階層 

* 第一ダンジョン 8階層 


▶閑話 リンネ


何だ?この宝箱、まあ、普通じゃないよな? あの方の悪戯なのかな? 

普通、こんな浅い場所で宝箱なんて出るわけないじゃん! 絶対に。

このダンジョン、攻略最深が7階層っていうけど、7階層程度で、宝箱出してたら、ダンジョンも枯渇してしまうのでは? しかも・・中身、ふつうじゃ無いだろ?でも、最深部は10階層らしい。内容が濃いのかな? こんど、浅いところ、混雑階層にも行って調べてこよう!


それにしても、金貨は多すぎ、要らない吸血武器、腕輪はまあ普通としても、指輪。何? 転移だって? しかも、闇転移って、もうこれ、絶対にあの方の仕業だよね〜

通常の転移じゃないところも、何か面白い。でも、僕の記憶では、速度も精度も、転生勇者のそれを大きく上回る!ってヤツだったはずだよ!? 闇とともに転移って面白い効果が付いているけど、何! 透明な闇? そんなのあるんかいな! これ、特別製?なんじゃないのか? まあとにかく、これで、ミヤビには、鑑定、収納、転移、っていう勇者の基本スキルが備わったってことなのかな? 確かに、ミヤビはまだ知らないだろうけど、すでにレベル105だからね、やっぱり、100到達で、何か、あったよ。一種のターニングポイント?ってやつだろうな。

*ミヤビ レベル 105


しかし・・・あいつ、先程から、自分の左手を見ては、ウフフ、空にかざしてはウフフ、・・・よだれでも垂らして無いか!? ちょっと、悪戯してやろう!


感電、ビリビリ、強め!・・・

「キャア〜 キャキャ・・・」って、騒ぎ出したよ、まあ、絶対防御までもたせてあるからね、ピリピリしたくらいだろ? 大げさなヤツだよ、全く! 

「も〜う〜、リンネ、でしょ! 酷いな〜」

さあ、浮かれてないで、次、8階層へ行くよ!

「はい! 了解!しました。 サッ! 行きますよ〜リンネ、ちゃんと見ててよね〜」


****


7階層最奥の安全地帯で宝箱も出てきたし、いろいろやっていて、いろいろ収穫があって、もう、ウキウキ! なんだからね〜 ってもう、スキップで8階層まで下りてきたよ〜 って、ううう〜〜、寒い!よ〜! ここは、何だ? 北極か!?

って、そういう階層なんですね、わかりましたよ。


だんだん寒くなくなって?きたかな? あっこれ、白竜の首輪の状態異常無効ってのが効いてきた?いや、先程の腕輪で、耐寒効果が効いてきた? どっちでも良いけどね、だって、何か、ポカポカしてきてるし・・・


それで、歩きだして進んでいるんだけど、一応、雪は本物なんだね、冷たいよ。でも私が感じるのは、手で触れた瞬間だけ! あとは冷たさを感じない。

それで、何か正面から雪煙が舞上がって近づいてきているよね〜 鑑定では、魔白熊だって、それが1頭と、横からは、あれは狼だ、しかも白い魔狼だよ。その群れ20頭。何?同時に私に迫ってくるの〜?


もう、面倒なことしないでほしいな! 白熊はどうやら様子を見ながら近づいてきてるな、魔狼たちの動きを見てるけど、魔狼にヤラせて、あとで獲物を横取り、って魂胆? でも、獲物って?今、私しかここに居ないよね〜

まあ良いわ、もう、こっちから行ってヤル! 転移で、魔狼たちの正面に回り込んで、闇矢の乱発! 半分くらいの眉間をぶち抜いたわ、あとは、まとめて、感電を強めで! ハハハ・・みんな、ひっくり返ってビリビリしびれている。私を襲ったお仕置きだよ。

しばらく見ていたけど、復活するヤツは居ないみたいで、魔石を残して消えた。

魔石も雪の中に沈んでしまっているけど、エヘン、問題無し。魔石回収で全収納、白い魔狼の魔石を23個回収できた。あれ? 3個多いよ、どこに隠れてたのかな?


さてと、ソレを見ていた魔白熊が、恐れを抱いて逃げ出す? なんてことは無いよ、ここは、ダンジョンの中、どこへ?逃げられる?

さっきよりも凄い勢いで雪を蹴散らして、ジャ〜ンプで一気に私に食らいつく気なんだね、未来予知なんて持ってないけど、そんなの見てればわかる。

高く上がりすぎだよ、お腹はそんなに強くないよね〜 と、白熊のお腹に、風刃二連発! やったよ、リンネ! 斜め十文字斬りで白熊が爆ぜた。

魔石は、大きくて真っ白だね、雪と同化してしまわないうちに、手で拾ってみました。結構重いし、私の手からは、はみ出している。

収納に仕舞って、雪道かどうか知らないけど、マッピングで見える、次の魔物を目指して進む。


何だ〜 雪の玉が飛んでくるけど?〜 これ私が狙われている〜 しかも、雪玉の真ん中に石ころが入っているし〜 凶暴! 

犯人は、前に広がる雪が枝に積もっている林の中。魔白猿たちだね。

やっぱ、猿は道具?を使うんだな〜 でも、それ危険だよ! 止めてよね〜〜

一応、白竜の首輪が、自動的に絶対防御の結界を張ってくれて助かったけどね、リンネに、また言われたよ・・・「このバカちん! 自分で結界くらい出来るだろ?」って、まあその通りですけどね・・・ごめんなさい。


さて、私も反撃しよう。せっかく、石ころを私の近くに集めてくれた?ので、それを使ってね。索敵のスキル発動で、的あて百発百中!を見せてやるわ!

雪で丸めたりするのは面倒なので、石ころをそのままだよ、受けてみなさい!

・・・と、林の中で、カコ〜ン、カコ〜ンって、あれ?石ころが弾かれているな、向こうも結界持ちなの? ならば、そんな貧弱な結界をも通り抜けることができる闇矢を使う。シュシュ、ズサズサ、シュ、ズサ・・・って、白猿たちの気配が少なくなってきてる。瞬間移動で、猿たちの近くに寄るけど、私の気配さえわからないようだね、残りは9匹か、ならばと、逃さないように9匹を覆う結界に閉じ込めて、中に、光射を数発撒き散らす。断末魔の叫びが聞こえたかな? 耳を塞いでいたし〜知らない!ごめんね! 静かになった林の気配を探る、・・もう、居ないようだ。


結界を解いて、ばらばらに散らばった魔石を回収する、魔白猿の魔石56個回収。

8階層はここまでのようだ、下へ降りる階段が見えてきたからね。

安全地帯で、少し休憩する。温かい串焼きを少しかじって、しぼりたてのリンゴジュース、最後に口内をクリーンして、休む。


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