第22話 第一ダンジョン 6〜7階層 

* 第一ダンジョン 6〜7階層 


朝食はエミリが作ってくれたよ〜 良いんだよね、 作ってもらっても?

私も、時間の有るときに夕食でも作ってあげようかな〜 王都の市場で、この前みつけたんだよね、カレールウ、カレー粉、いろんな香辛料も、結構、値段が高かった!覚えがある。

あとは、味噌や醤油も見つけた。流石に王都、召喚勇者たちの遺産なのかな?

でも、あんまりやると、いろいろバレそうだからね、よく考えてからにしよう!

それで、今日は、エミリは買い物に行きたいというので、・・・そうだ、生活費を渡しておかなければ!なので、とりあえず、金貨10枚を渡してあげて、無くなりそうなら言ってくれるようにお願いしたよ。


私は、朝一番にリンネに言われた!とおり、今日からダンジョンで訓練する!

とりあえずは、初心者向きの「第一ダンジョン」を目指す。ここは、王都の外、西の谷間あたりにあるよ。徒歩だと、4時間くらいかな?

まあ、瞬足と瞬間移動を使うからね、早いはず。


屋敷から出て、二重外壁の門を出て左回りに進んで、人の気配を探って気配遮断して瞬間移動で、一気に第一ダンジョン近くの冒険者ギルドの旗を目指す。

目印の旗を高く掲げていてくれて良かった。すぐそこがギルド出張所とダンジョンの入り口なんだけど、人が多いので少し裏手に回り込んで、気配遮断を解除して戻って、ギルドへ入っていって、ダンジョン入場の手続きのために冒険者カードを見せる。

「こんにちは、今日はソロですね!そちらの猫ちゃんは?」

「あ、これ、ペットです、そうです、ソロで行きます」

「はい、気を付けてください、敵は、魔物だけではありませんから、ね」

まあ、リンネからも大まかには聞いているから分かりますよ。「ありがとう、気をつけます」って言って、正面奥にあるダンジョンの入り口へ入っていく。


リンネが、5階層くらいまでは混雑するって言うので、すっ飛ばして、魔物狩りもしないで、どんどん進んで、6階層の入り口まで瞬足で駆け抜けてきた。

確かに! ほとんど人がいないかな? まずは、空間把握で、マッピングだね。

これ便利だよ、罠の場所もわかるし、隠れて待ち伏せしている邪悪な奴らの場所もわかるし、当然、魔物の場所もわかるからね。


それで、いきなりいるよ、胡散臭い連中6人。目の前の大木の後ろで、すでに剣を抜いたままで潜んでいる。鑑定では、3人が殺人称号、残りも盗賊称号持ちだ。

とりあえず、気配を消して通ってみようかな? うん、私のことがわからないようだよ。なので、先程の場所に戻ってから、気配遮断を解除して進んでいく。

あれ!? いきなりですか? 切りかかってきました。もう、他人の目も無いからって、衝撃の展開! 一応、剣を避けて、彼らの言い分でもあれば聞いてみよう。


「なに?避けてんだ〜、この野郎、ソロで女か〜おまえ、怖いもの知らずのバカだろ!? まあ、お金は出してもらうけど、俺達の相手もしてもらおうかな、そのあとで、天国に送ってやるよ〜」

って、もう最悪!こいつら、一体、何人をその手にかけてきたんだ?許さない!

まずは・・・ここから逃げる。瞬足で逃げながら気配遮断、さあ、これでわからないでしょ? 逃げたな〜って思ってくれるかな? なんて逃げたフリをして、そのまま瞬間移動で戻って、感電を強めに全員にかけて、風刃で手足を切り刻んで気絶を掛けてあげた。

出血があるので、ヒールを軽くかけておいたよ。見苦しいからね。さてと、こういう場合は、金属を対象にして部分収納、剣や槍、短剣にナイフ、金貨、銀貨などの貨幣、冒険者カードなど、すべての金属ものが回収されてきた。中には、魔道具かな? 腕輪や指輪、ネックレスまで回収できたよ。

目覚めそうなヤツがいたので、もう一回、気絶をかけておいた。オヤスミナサイ。

気配遮断を解除して、ふう〜って一息ついた。


この階層の魔物は魔物の集団のようだ。ゴブリンの群れ20匹、オークの群れ10匹が続けて襲ってきたので、そのまま生きた奴らから魔石回収してやった。

リンネに、ダンジョンのオークは食べない方が良いって言われたので、魔石だけ回収。

もし、宝箱が出てきて、そこに入っているブロック肉なら食べて美味しい、ということらしい。宝箱か〜 見てみたい!かも。

結局、ここでは、ゴブリン魔石20個に、オーク魔石10個を回収できた。

ゴブリン魔石は、風呂の湯沸かしとか、魔導ランプに使えるし、オーク魔石は高く売れるしね、嬉しい。しかも、ダンジョン魔物っていうのは、狩られて死んでいっても、1時間くらいでダンジョンによって再生されるそうだから、オーク魔石をたくさん集めるのなら、ここで待っていて、狩って、というのを繰り返す、というやりかたもあるって、リンネが教えてくれたよ。


何か、簡単に?拍子抜け感覚で魔物狩りをしているので、リンネから、魔石回収も良いけど、せっかくだから火炎とか、風刃、水刃、光射。闇魔法などなど、いろいろ使ってみれば〜って言われて、そうだよね、いろいろやってみよう!


結局ここ6階層では、ゴブリン魔石120個とオーク魔石70個を回収できた。


7階層へ進む。

あ〜、これ、私の大嫌いなヤツだ〜 アンデッド。でも、やっつけるのは簡単!

聖魔法と光魔法、両方使えるんだからね〜 全部、リンネに訓練をつけてもらったおかげ!

こういう場所って、パターンは決まっているよね、手前から、墓場、草原、そしてさすがにダンジョン、その奥に強い魔物の気配がある、吸血鬼?の宮殿。


階層の地面に足をつけて歩き始める、それが合図のように地中から出てくるゾンビたち。クリーン結界を自分に張って、匂いの遮断と万が一の防御のため。

ゾンビたちを結界で囲って光射を浴びせる、光射が、結界内で跳ね返ってきて、あらゆる方向へ飛び回る、中では、立っているゾンビが姿を消して、光る魔石だけが、ゴロゴロと残っているので、魔石回収。ゾンビ魔石が77個だった。


墓場を過ぎて道を進むと草原になった。と同時に、今度はスケルトンが湧き出てくる。しかも、前の一団の後ろには、スケルトン馬にまたがったスケルトン騎士の一軍が控えている。これだけ、スケルトンが整列しているのも壮観だけどね〜 まあ、全員!消えてもらいますよ。

まずは、歩兵の一団に光射と浄化の重ねがけ、合わせて火炎放射で焼き払った。

魔石回収、スケルトン77個。


ガチャガチャとスケルトン馬が騎士を乗せて走って向かってくる。こういう場合は、まあ、まず全部のスケルトン馬に風刃で、その足を刈り取る、当然、馬が崩れて、乗っていた騎士たちがもろとも崩れ落ちて転げ回り、骨が折れたり腕や首が取れてしまったりして、かなりの被害をあたえることができたかな?

それでも、こらえて何とか立ち上がる騎士には、光射を浴びせ浄化を掛けていく、コレで終わりだ! 魔石回収、スケルトン騎士の魔石33個


奥に構える宮殿に向かい、正面から入っていく。

いきなり、無数の黒いコウモリが飛び出てきたので、とっさに火炎ブレスをあびせまくる、ほとんどすべてのコウモリが燃えて消えていったが、ブレスに耐えた、大きめのコウモリが3匹、まだ飛んでいるよ?

鑑定では、吸血鬼王と吸血鬼幹部2体。光雨で浄化の光の雨を降らせる。光に当たるたびに煙を吹きながら燃えて穴が開いていく。耐えきれなくなったか? 人型に変身して、血剣を振り回してくるけどね〜 光弾を2個作って両サイドの幹部に、同時に、光槍を真ん中の王の心臓めがけて発射する。

幹部は、大きな魔石を残して消えていったが、王は転移で逃げたようだ?流石に一筋縄ではいかないね。マッピングで位置を確定、闇結界で捉えて、さらに、闇刃を飛ばして首を刈った。

血を吹き上げるでもなく、ただ、大きな赤い魔石を残して煙となって消えていったよ。

魔石回収で、吸血鬼88個、幹部2個、吸血王1個、回収できた。


宮殿の裏に進むと、8階層へ下る手前に箱が置いてある。リンネに言われて解ったよ、これ、宝箱が出現してる! やったね!〜 こんなところでも出るんだ!?

鑑定してみる、呪いと罠までかかっているな〜 リンネが教えてくれたように、結界でくるんでから、中の箱に魔力弾をぶつけて蓋を開ける。結界内で、呪いの毒の塗られた矢が四方八方に飛び出てきた、こわいな〜やめてよ!

これで、呪いも罠も無くなったので、結界を解除して中身を鑑定してみる。


◀吸血鬼の宝箱

*オリバー金貨 1000枚

*吸血短剣(挿しておけば相手の血を吸い続ける)

*腕輪魔道具(解呪、解毒)

*腕輪魔道具(耐寒、耐熱)

*指輪魔道具(闇転移)


うわぁ〜凄いよ〜、話には聞いていたけど、コレ何! オ・タ・カ・ラ! 

まあ、金貨はありがたく!多いけど、まあ困らないしね〜 吸血短剣? うん?まあ使わないよね?なので、収納内に「保留」っていう目次を付けた空間を区切って、そこに収納。

解呪と解毒の腕輪かぁ、リンネ?これは、私は不要だよね?「まあ、要らないけど、解呪の方だけでも腕にしておけば?いろいろごまかせるかもよ?」

そうか! 何か変な魔法なんか使っちゃった時なんかに、この腕輪のセイに出来るよね!良いアイデア! 採用しま〜す。なので、解呪の腕輪を左の手首に装着、ススス〜って縮んだ、これ自動調節?凄いね!何か、色も、桃色ピンクだし、良いかも!?

もう一つの腕輪は、薄い青色で、耐寒、耐熱だって!? きっと、この先、必要になるんだろうか? 色もきれいなので、付けておこっと! 右手首に装着。


指輪の闇転移って!? これ、すごく無い? ねえ、リンネ? これ、使っても良いもの?

「ああ、問題なく使えるようだね、使い方は、自分で鑑定してみれば表示されるんじゃないかな?」

うん、調べてみよう。でも、そんなことしていて?平気? 魔物に襲われたりしない? 

「ああ、ここは、階層攻略後の安全地帯でもあるから、魔物は来ないとは思うけど、大丈夫だよ、僕が見ててあげるから」

って、リンネったら、優しいね! お言葉に甘えて、こんなダンジョンの中なんだけどね、鑑定に集中させてもらうよ。


*闇転移

闇魔法の一つ、通常の転移との違いは、・・・

⇒転移しようとすると、闇に包まれて消える、現れるときも闇とともに現れる。

⇒闇の色は、黒、灰、黃、白、金、透明、から選べる。

⇒暗い場所で使う場合で、さらに黒色闇の場合、転移効果が強化される。

⇒指輪は魔力を自動吸収し、魔力を貯めておける。


何か?良さそうだよ・・・ ねえ、リンネ?これを使っても問題無いかな?

まあ、問題は無いだろう、っていうけど、ちょっと見せろ、というので、小さな手にのせてあげたよ。

「うん、問題無いよ!あと、色とか形は?これで良いの?」

エッ、なんと素敵な提案! そう、ちょっと、男性っぽくて、大きくてゴツかったのよね〜

色も、腕輪と合わせて、桃色ピンク?なんてどうかな? 少し小さくして・・・

って考えてたら、リンネの手のひら?の上で、コロコロ転がって、ぼんやり光って、見てみれば、私が思ったようにできているよ!

左手の中指にはめてみた。うん! 良い!んじゃない? ありがとう、リンネ!

何か、ついでに、サイズ自動調整と、不壊、所有者限定:ミヤビ、闇矢、闇効果倍増、までも付けてくれたらしいよ、本当に凄いよ、リンネは・・・

闇矢は、闇色の矢が飛び出していくヤツ、そんなに威力は無いけど、オーク程度なら心臓に一発で即死らしい。いろいろ、牽制とかには使えそう〜


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