第20話 ミヤビ 家を買う
* ミヤビ 家を買う
王宮門前で、カトレナ王女お付きの護衛、近衛騎士副団長カレンさんに出迎えられて、王宮にはいっていって客用の待機室?に案内された。
今! とても! 美味しい紅茶を頂いている。これ、ものすごく良い香り。甘みもあって、あれ? 無くなった、って残念な顔してたのかな?
お付きの人が、「おかわり?いたしますか?」なんて、ニコニコ顔で寄ってきて、嬉しい誘惑の囁き〜 「はい! お願いします!」・・気合がはいってしまう。
さすが〜王宮、すべてが最高級?なんだろうな〜
なんてのんびりやっていたら、待ち人かな? 誰かくるけど・・・気配で分かってしまった、残念! バンスさんだね。
「よっ、ミヤビ! 無事なようだな、良かった!」
って、何で?あなたが?ここに〜
とにかく、今日からの王女護衛依頼は取り消されたようなので、「まあ、帰ろうか?」って言われたよ。そう!だろうな〜 何か、王家って?ゴタゴタ?してる?
王宮の門のところまでバンスさんに拉致されるように引っ張られて、衛兵さんに挨拶をしていたら、さっき出迎えてくれたカレン副団長さんが現れて、袋を一つ渡してくれたよ。
「カトレナ王女からです、今回は申し訳ありませんでした、とのことです」って言ってくれるけどね〜 私みたいな平民に、そんなお言葉は不要ですよ〜
でも、いただけるものということで、ありがたく!もらっておくけどね。
門の外で待っているバンスさんの馬車に乗り込んで、そっと袋を開いてみた。
メモがあって、「ミヤビさん、ごめんね? またお会いしたいです!」ってなんて可愛い王女様! 了解、私も!楽しみ〜
それと、丸い球形の透明な石? 鑑定しなくても解った、ダイヤモンドだよね〜直径3cmはあるよ。えっ?こんな!・・・まあ、もらっておきましょ!
ギルドに着いて、バンスさんの部屋で今回の依頼取り消し料金ってことで、金貨3枚ももらえてしまった〜 嬉しい〜
それと、あのとき確保した傭兵たちの中に一人、賞金首がいたんだって! その生け捕り報奨金ってことで金貨200枚・・・あれれれ? 私、お金がドンドン入ってくるよ〜
「なあ、ミヤビ? お前、もう相当稼いだだろ?」 って人の懐具合を探らないでほしいな〜
「で、どうだ? 自分の屋敷、要らないか?」
と言ってくれてるけどね、「今の所、不要です」って答えたよ。だって、いいじゃん、今の宿で、お風呂もあるし、料理も出てくるし、掃除もしてくれるよ!? こんな楽なところ無いでしょ? 自分でしなくても良いんだし。一泊銀貨1枚、まあ、高いといえば高いけど? ちゃんと払えるよ〜
「自分の屋敷に使用人付き、っていうのもあるぞ〜 お風呂の準備、食事、掃除、洗濯、お買い物・・・なんでも付き付き!・・・どうだ!? あ?」
えっ、なんかすごく心に響く甘〜い誘惑!?
「あのぉ〜? バンスさん? それってすご〜く魅惑的なお言葉なんですけど、私は、いくらくらい?用意すれば良いの?でしょう?」
「そうだな、月額で、使用人は銀貨1枚から10枚程度、これはそれぞれの技能レベルにより異なる。まあ、高レベルな使用人で、月額金貨1枚、だな。」
何だって?それくらいで良いの?
「あとは、そうだな、屋敷はレンタルなら、月額金貨1枚からいろいろ、お前今、一泊銀貨1枚だろ? 月額で金貨3枚、もし、金貨2枚のレンタルなら、相当でかい屋敷をレンタルできるぞ〜、購入なら、大きさにもよるけど、金貨100枚から300枚もあれば良いんじゃないか?」
バンスさん、営業!うまいじゃん? お金は、今までに稼いだので結構あるよ、特に盗賊団関係で大きな収入になったしね、ざっと、金貨2800枚はあるかな?
ということなら?・・・家か〜! 使用人! ケモ耳の使用人?いるのかな〜
「あのぉ〜、バンスさん? 場所は?」
「そうか!? そうだろ? その気になってきたか? 場所はなぁ〜」
って教えてくれるんだけど、何?用意が良いね、図面まで出してきたよ。もしかして、バンスさんの中では決定事項?
1,王都二重外壁の内側で、ギルドから徒歩15分、屋敷はこじんまり、4寝室
2,二重外壁外側で、前のギズ盗賊団のあった方角、ギルドから1時間、屋敷は大きい
3,二重外壁外側で、王宮の外側方面、ギルドから2時間、屋敷は大きい
って、もう、コレ見せられたら、一択でしょ? 1番。
早速、内覧会が始まるよ〜
「近いから歩きで良いよな〜」って先に言われたので、文句などは無い、歩こう! 付き添いは、不動産の担当者にバンスさん。なぜ? あなたまで? まあ良いけど・・・
本当に近い、しかも、二重外壁とは言え内側だからね、外側よりは安心。確かに、こじんまりとしてるけど、おしゃれ?な二階建て! 二階正面のテラス、気持ち良さそう!
「ミヤビ? 顔に出ているぞ〜気にいったか?」
あれ? そうなの? 私ってば・・・正直者は困るわね!
でも、まだよ! 中も見るんだから!
一階正面玄関を入ると、ドーンって大きな空間、ホールになっている? その奥が台所と食堂、ホールの両サイドは客室、台所の右は物置部屋、左は風呂とトイレ、トイレは水洗、風呂は、まあ広いな、浴槽は2人でも余裕で入れそう。
階段で2階へ上がる。ホールの真上は居間、そこに大きなテラスが出っ張っていて眺めも良い、2階にもトイレと物置があって、居間の両隣はこれまたテラス付きの客室。
テラスから眺めると、屋敷の前と両横に大きな空間がある。庭と畑なんかできそう。
屋敷の向きは南向き、裏の北側には、少し林があって二重外壁に連なっていて、敷地面積は? 案内図には、1000平米。こんな大きい場所? 案内図に書いてある価格は、金貨300枚。なるほど〜 決めようかな〜 な〜
バンスさんからとんでもない?話がでたよ〜 ここは、あのカトレナ王女が3歳から5歳まで過ごしてた場所らしいよ!〜 何? 王家の持ち物なの?
でも、今は、ギルドというか、バンスさんが買い取っているから、王家は無関係ってことだけど・・・
水道、下水道の料金は、全額支払いで10年分込み、お風呂のお湯は魔道具で温めるらしい、そのための魔石はゴブリン程度でよく、一個で一年使えるそうだ。
で、で、? 肝心の使用人さんは?
「まあ、大丈夫だ、俺にこころあたりがあるから、今日の午後にでも引き合わせるよ」って言ってくれてるよ。う〜〜ん、これ全部、バンスさんの筋書き通り? 私は、彼の手のひらの上でコロコロころがされている、の?
それで、夕方、その人に引き合わされましたよ〜。なんと! あのときの王女の使用人のエミリさんじゃないですか! えっ?王家のお勤めは?
「ミヤビさん、エミリと申します、以後よろしくお願いします」
って、どうやら、王家のお勤めは辞めてきたそうだよ、それで、準備が手間取って、この時間になってしまったようだ。そんなに簡単に辞めることができるんだ〜
そうか!? バンスさんだよね〜 絶対! 彼は一体?何者?
それと、下見のあと、すぐに、いろいろ業者が入って、もう、今すぐに屋敷を使えるようになっているんだって、言われた。ベッドも掛け布団も2人分、用意済。
水道、下水、湯沸かし、すべてチェック完了!って、手際の良いこと。
バンスさんが、チラって小声で話してくれたんだけどね〜
私みたいな優秀な冒険者を手放したくない、というギルドの思惑もあるんだって! でも、屋敷は買ったけど、あちこち出かけたりするよ〜って言えば、そんなの関係ない、「帰ってくるんだろ? それに、帰れる場所があったほうが、良いだろ?」って、グサッって心に何かがささりました。
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