第14話 ギズ盗賊団
* ギズ盗賊団
今、私は、王都の北地区を巡回している。と言っても、まずは、お買い物。お菓子、食料、果物・・・それと時々、本屋さんや武器店、魔道具店なんかも覗いているんだけどね。
そしたら、リンネに言われちゃった・・・「盗賊団の調査だろ?なら、どっちかといったら、街の周辺部、外壁の外と内、あたりとかのほうが良いんじゃないか?」
って、まあそうなんだろうけどね? 普通に考えれば、そう!だよ。でも、中心部にだって、居るかも?しれない?じゃあない?
言い張って、市場から少し離れた木陰に入って、休憩しながら空間察知で、悪者、悪意で気配察知してみる・・・あれれれ? 何これ、めちゃ!多いよ〜
多いんだ!? なので、絞り込んで、殺意で気配察知してみる。
マップを横に移動させて探してみれば、そら! いるじゃん! その場所に気配遮断しながら瞬足で急ぐ。
あ〜、冒険者風の女子が3人、胸糞悪い連中6人に取り囲まれている。しかも、2人ほどナイフを手にしているけど、これ何? リンネが「待て、もう少し情報を集めろ」っていうしね、ちょっと見ていたら、解った!
これ、金品泥棒と女子誘拐の事件だ! 見ていたら、女子たちが金の入った袋を差し出しているね、これで許して? なんてところだろうけど、そうは問屋が卸さないよね? あっと言う間に、周りの男たちによって身動きを封じられて猿轡まで、あれ?痛そう! それで、担がれて街のハズレに向かって移動し始めたよ。えっ?誰も通報しないの? って電話も交番も無いか?・・・
リンネの指示のもと気配を消して、そ〜と後をつける。外壁に向かっているけど、そこ、門じゃないからって見てたら、外壁沿いの小屋に入っていったよ。
気配を探ってみれば、あれ? 小屋の中には居ないよ?
「ミヤビ? あの小屋から外へ抜ける穴が開いているよ、外だよ、そこに馬車が待っているからあれに乗るよ〜」
って、えっ? どうすれば? ままよ〜ってことで私も小屋へ飛び込んでいった。案の定、誰も居ないよ〜 で、いろいろ見てたら、それっぽい取手があったので、触れたら、びっくり! 外壁の外に出られる地下通路だよ。
急いで外に出る。馬車はすでに出発していて離れていってしまったけど、まだ平気、追えるよ。とその前に、そこに、あの連中の内の3人が、私の前に立ちはだかって塞いでいる。
咄嗟に、この前習ったリンネ直伝の「催眠」を掛けて無力化した。
持ち物を調べたら、なんと、冒険者カードがあったので回収。あとは・・まあ、それよりも、馬車を追わなければ。
気配遮断で走る。空間把握でマップ表示しながら瞬足で走って追いかける。へへ! 馬車よりも早く、誰にも見られず急ぐ。王都から北西方向の山麓へ向かっている? あ、この方向って薬草地の近く?
結局、薬草地よりはかなり南?だったけど、なぜこんな僻地に? これぞ屋敷!っていうものが建っていて、そこに馬車が入っていった。
鑑定してみたら、
*ギズモンド男爵邸 *ギズ盗賊団
▶名前:ギズモンド 男爵 殺人、盗賊、人身売買
*レベル:35
*スキル:気配遮断、
*魔法:奴隷契約、鍵開け、罠解除、
あと、屋敷内部には、盗賊団45人、人質女性8人(地下室)ってことがわかった。
なんだろうね、殺人称号持ちのお貴族様?だって!
さて? どうやって?やろうかな?・・・ねえ?リンネ?
リンネがまず、屋敷を全部覆うような大きな結界を張ってくれたよ、これで誰も逃げられないよね〜
ならば私が、結界内に催眠をかけよう。催眠、催眠、催眠!って部屋がいくつもあるからと思って連発してやったわよ!
「ああ〜、もう、また無駄なことしてる〜 結界で囲んでいるから、小さいの一発でも、隅々まで行き渡るんじゃない?」って言われてしまったけど、まあ、結果オーライということにしといてね!
さてさて・・・これから、どう?しようか?
誰かに知らせて、応援を呼ぶ? どうやって?知らせるの?
「普通は、自分で処理する、または、自分で知らせに行く、出来ない時は、自分以外に知らせにいってもらう、あ〜僕は駄目だよ、ミヤビから離れないよ〜 ミヤビ、危ない!からね〜」
・・・・・う〜〜ん?・・・
「こういう時は、アレ!じゃあないの?」
あれ? って、アレ? ・・・そうか、アレがあったじゃあない! リンネ直伝の召喚術!
「おいで!ぴーちゃん!」 「ぴ〜〜」って瞬時に現れました、私の召喚獣その1、魔鷹のぴーちゃん。ちょとまってね、「ぴ〜」
手紙を書くからね。
【バンスさん、応援ヨロシク、ミヤビより。
盗賊団のアジト発見、賊は確保済、人質8人、救助ヨロシク。
場所は、王都外北西のギズモンド男爵邸】
丸めて、ぴーちゃんの脚に付けて、「これを、冒険者ギルドのバンスさんに届けてちょうだい! その後は、帰っていいからね〜」と、言い含めて、空に飛ばした。
一直線に王都方面へ飛んでいくよ、早い!〜
では、私は、ちょっと中の様子を見てみようかな?
玄関から居間には盗賊たちが寝転がっているよ、蹴飛ばさないように進んで、奥の男爵の書斎?男爵が机に突っ伏してこちらも昼寝中。
とりあえず、金品を対象に気配察知して空間把握でマッピングしてみる。
宝物は、ここ男爵部屋の隅っこに置いてある箱の中、それと、この部屋の書棚の奥に隠し部屋?があって、その2箇所に置いてあるようだ。一応見てみよう。
隅っこの箱の中には、金貨500枚入の袋が8個、あとは、宝石の袋、魔石の詰まった袋、何かキラキラに宝石で飾られている宝剣が3本。
書棚の奥の隠し部屋は、リンネが魔力弾をぶつけたら開いたので、中に入る。
棚があって、ここにも、500金貨袋が8個、あとは、恐らく、人身売買の帳簿かな? それと立派な剣、これは魔力反応がある、魔剣だよね? それが2本。
まあ、主だったものは、こんなところかな?
地下室に下りてみれば、牢屋だ。中に8人の女性たちが眠っている。少し、擦り傷や切り傷の古傷などがついている人も多いな。一応ヒールを掛けておいてあげたよ。牢屋の鍵を壊してもいいけど、もうちょっと待ってね、バンス救援隊がきてくれる?と思うからね。
なんて見回っていたら、馬車の走ってくる音が聞こえてきたので、気配察知を外へ向けてみれば、ああよかった!バンスさんたちの馬車だよ。あれ? 運転している人、鑑定で、「転生者」って出てるよ? もう一台の御者さんも、何?転生者が2人? これきっと、秘密なやつだよね? 知らない!知らないフリしておこう!
私も、外へ出て馬車を待つよ〜
一通り、事情を話す。王都の市場近くで、3人の女性たちが襲われているところに出くわして、あとを追って外壁の小屋に入っていったきり出てこないので、調べたら、壁の外へ抜けられる地下通路があって、そこから出て、逃げていった馬車の気配を追って、ここに到着。 一応、覚えたての魔法で、催眠を掛けて、これも、覚えたての召喚術で、ぴーちゃんを呼んで、手紙を届けてもらいました〜 以上。
って一気に説明したら、あれれ? バンスさん?何? 私の頭を、わしゃわしゃと撫で回していますよね〜 あれれ?
「ミヤビよ、よくヤッた、ありがとう。 あとは、任せろ! ちゃんと始末を付けてやる」ってさ、なので、「はい、あとはお願いします、あ〜、人質の皆さんは地下牢にいますから・・ ヨ・ロ・シ・ク お願いします。」
って伝えて、では! って帰ろうとしたら、「あれ? ミヤビ? お宝は?」
「ああ、全部そのままです、手つかずですよ〜」って言い残して、そこから走って逃げてきた。いろいろ、面倒なのイヤだしね〜
まあ、帰りは、ゆっくり帰ろう! リンネも、いつも、いろいろ、ありがとう!
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